ファンとは、
「俺は前から高島はやるって思ってたよ」
ファンとは、掌を返すことに関してはメジャー級である。
「だー!ここでの代打は、やっぱり失敗!だから勝てないんだよ」
ファンとは、自分たちの誰より経験豊富なプロの監督よりも、自分のほうが采配がうまいと思っている。
「少しでも可能性のある選手はドラフトで取るべきだろ!?つーかまず横島をFAで獲得するべきだったわ」
ファンとは、選手の獲得にはお金がいらないと思っている。
「竹井出して左の中継ぎ取ればいいだろ」
ファンとは、トレードは相手があってこそ成立するという常識を持ち合わせていない。
「あーなんで補強しようという気が一切無いのかね。この球団」
ファンとは、球団は自分たちの意に沿うように動かなければダメ球団だと思っている。
「このおっさん使うなら、二軍で打ってる若手居たろ。あいつ使えよ」
ファンとは、起用されない若手は起用されてるベテランより能力が高いと思っている。
「なんで実績も無い若手使ってんだ。実績のあるベテランを使うべき」
ファンとは、起用されないベテランは起用されてる若手より能力が高いと思っている。
「俺達はこんな応援してんのによ。頑張れよな」
ファンとは、応援が免罪符だと思っている。
「来年に期待しよ。石田が復帰すれば、来年はAクラス間違いないよ」
ファンとは、負けが込んでいる時、往々にして理想論が現実と摩り代わる。
「なんであんな球を振ってんだアホ選手!」
ファンとは、客観と主観の区別がつかない。
ーロバート・ブルッグス
「もし、俺が監督をすれば優勝まではないにしろAクラスは確実だわ」
万年Bクラスのある球団は、この多くの言葉にある企画を立ち上げた。
5000万円を支払えば誰でも監督になれる。
今までに無い、ぶっ飛んだ企画に高額な支払いながら多数の応募が寄せられた。
詳細は、5-6位なにもなしだが傲ったファンとして暫くは世間から笑い者になる。
4位球団から500万円の報酬が支払われるが5000万円の返却はなし。
3位7000万円が支払われる。
2位1億円が支払われる。
1位2億が支払われ、来季も監督を年俸5000万円の契約で交わせる。
数百の応募から、選手に関する知識を元に三人に絞り込まれた。
球史に残る開幕をこの球団は迎える事になる。