表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

月夜譚 【No.301~】

写真の記憶 【月夜譚No.394】

作者: 夏月七葉
掲載日:2026/03/22

 写真の中の景色は、色褪せずにそこにある。空の青に大地の緑、そここに咲いた花の鮮やかさと共に笑顔を浮かべているのは、着物を着た少女である。

 まだあどけなさが残るその表情は大人と子どもの境にあり、ほんのりと染まった頬が可愛らしい。

 彼女が一体誰なのか、彼には一切覚えがなかった。そこに写る景色も記憶がないのに、何故かこの写真を見ていると懐かしさが胸に湧く。

 彼は写真を顔の前に掲げたまま、ソファに寝転んだ。

 自分はこの景色を実際に目にしていたのだろうか。その記憶を過去に置き去りにして、いつの間にか褪せて薄れて、消えてしまったのだろうか。

 そう思うとなんだか切なくなって、ふと視界が滲んでいることに気がつく。写真を持った腕で目元を抑え、自身の感情に戸惑う。

 押し入れの奥から出てきた一枚の写真。覚えのないそれを、彼は大事にしようと心に決めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ