#3
拝啓
こんにちは。
トイストーリーの5がやるらしく。ディズニーの続報なんか眺めていたらあなたのことを思い出しました。最悪です。最悪。嬉しいですか?嬉しいですよね。喜んでいるあなたを想像してしまって最悪です。このままうじうじじゅくじゅく負の感情を培養させたところでどうにもならないし吐き出し口がないからどうしようもなくなってしまうということが分かっているのでこの通り、手紙を書かせていただきます。
お手紙、ありがとうございます。
お手紙。最悪ですね。
全然喋った記憶もないような人間にいきなり自宅宛てに手紙を受け取ることの恐怖と気味悪さを味わうことができました。自分がやろうとしていることというのはなかなかどうして、客観視が全くと言っていいほどできなくなるものでございますから、危うく同窓生の全員の自宅に手紙を送りつけるところでしたよ。最悪です。息をしないでください。私の代わりにね。私はまだまだ修行を続けたいから。私の、なに、八つ当たりの矛先になってください。
まあでも、文通ができたのは嬉しかったですよ。
いや嬉しくはなかったですわ。何であなたが私のファースト文通の相手なんですか。せめてあなたではなくうら若き乙女を、欲を言えば羽貫さんと、
ひ
あ、あ、あ、あぁ、いや、
まぁでもなんで、あなたみたいな、
っていうかあなたねぇ、
あなた初めての手紙に自分の恋事情をぐちゃぐちゃに書くのはやめてください。気持ち悪すぎますって。せめてもっと理路整然と書いてください。おかげであの手紙を読んでから丸1日は何も食べられませんでしたよ。返事だって今日トイストーリーの予告見るまでは考えていませんでした。
本当に。
まだ私はあなたのことを何も知らないのですから。
なんで私がこんなこと言わなくちゃいけないんですか。こんなことは何ですか、織田さんに言って欲しいんじゃないんですか。いやあなたのことを何も知らないって、降られる時かなんか、つまりはオッケーが貰えない時のセリフではありますか。まぁそんなことはどうでもいい。
とにかく、自分の恋愛事情を他人に伝えたいなら、まず馴れ初めとかから書きなさいよ。その人の好きなところばかり述べて。犯罪臭がしますよ。ていうか最早犯罪ですよこんなの。不快罪です。賠償しろ。
と、あなたも私も郵便代金を払ってまで一体何をしているのでしょうか。いや私が文通をさせているのですが。
とりあえず、馴れ初めから書いて来なさい。話はそれからです。しかし未だ付き合ってもない人とは馴れ初めというのか?
あ、あと最後に、3番地ではなく2番地でした。私の帳簿にミスがありました。失礼。
それでは。
田中ヒロタカ




