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はじめての異世界生活

お立ち寄りありがとうございます。

 

「ふぁ、よく寝た」


 異世界生活2日目、おはようございます。


 昨日、あの戦闘以降は特に何も起きず、無事この部屋に帰り着くことができた。なので、明日のためにも早々に寝ることとした。


 一応寝具を買えないか確認したが、枕は1000円から、毛布は500円から買えるので、少し余裕が出てきたら絶対買う。


 床、痛い、寒い。


 最後の戦いで得たゴブリンの魔石二つと短剣、合わせて225円の利益になった。安いね。


 それでも少しは儲けたから、迷子にならないために紙とペンを買おうとしたんだけど、紙1枚が100円、ペンは500円とすごい高級で諦めた。紙1枚がゴブリン1体と同じって、異世界は残酷だ。


 まあ、今のところ分かれ道が2つの分岐しかないから、マップを作らなくても道は覚えられるだろう。


 代わりに、これからは何時間も探索することから、最低限水は持ち運べた方が良いと判断して皮の水筒を100円で買った。結構本格的な作りで、サバイバルの経験がない俺には新鮮でちょっと感動した。


 最後に、レベルは上がっていなかった。残念ではあるが予想はしていた。


 倒すの苦労したし、精神的にキツかったんだけどな〜。


 ま、難易度の低いRPGにおいても最初の雑魚敵3体でレベルが上がることはあんまない。当然といえば当然だ。


 では探索を開始しますか。


 今回から本格的にやっていくから気張って行くぞ!










 ーーーーーー


 一本の道を進んでいき、最初の分かれ道を昨日とは違う右側を選び進んでいった。すると、数分で行き止まりとなった。


 なので先ほどの分かれ道に戻って左の道を進み、2つ目の分かれ道をまた右にに行った。


 しばらくすると、先ほどと同様に行き止まりであった。


 ・・・うーん、恐らくではあるが、この階層にある分かれ道は全て2つだけで、片方はハズレの道、一番奥は行き止まりになるのかな。


 違う可能性もあるが、まだ最初の階層、そこまで難しくはなっていないはずだからこの推測が大きく外れることはないはずだ。


 なら、探索の方針を昨日選択しなかった右側を進んで、俺の推測が合っているか確認するか。そして、その探索の間にモンスターを見つけた場合、心は痛むが経験値稼ぎのため、積極的に倒すようにしよう。




 そうして、1時間ほど探索を行い、休憩も兼ねて、我が家に帰ってきた。うん、この部屋に戻るとすごく落ち着く。


 俺の推測に関してだが、多分合っている。今のところ、俺の進んだ全ての分かれ道がハズレの道か正解の道で、ハズレの道は少し進むと行き止まりとであった。


 もしかすると、もっと先に進んだらハズレの道も少し続くようになるかもだが、そこまで考えるとキリがないため、一旦俺の推測が合っていると考えることにした。


 それともうひとわかったことがあった。この行き止まりに3回当たるうちの一回は、ゴブリンが壁に張り付き隠れていた。


 俺が昨日後ろにいたゴブリンに気づかなかったのは、こうしてゴブリンが隠れていたからである。しかし、壁の色は灰色でゴブリンの色は緑色であるため、もう少し注意深く見ればすぐに分かっただろう。


 いやほんと、なぜ気づかない。目が節穴すぎる。


 この壁に張り付いたゴブリンは、俺がゴブリンのそばを通り過ぎるか後ろを引き返そうとすると、壁から離れる。こうすることで不意をついて倒すことができると分かっているのだろう。


 だが、警戒を怠らなければ奇襲を受けることはないし、よく観察をすると壁に張り付いているゴブリンを確認することができる。


 またこれらのゴブリンは、俺が先ほどの行動をするまで微動だにせず、壁から離れることはない。


 つまり、無防備な状態を曝け出しているため、ゴブリンに気付き次第剣で突くと、簡単に倒せることが判明した。


 なんというか、アホなのかなという感じだが、最初そのアホな状態に気づかなかった俺も同類になるので何も考えないことにした。俺はアホじゃない。


 これによって、1時間で5体ものゴブリンを容易く倒すことができ、結構な資金を得ることができた。やったね。


 さて、まだそんなに疲れていないし、今日はもうちょっと先へ進むぞ。




 探索を再開して2時間。


 何回も分かれ道に遭遇し、その間、ハズレの道を引いて壁に張り付いたゴブリンを3体ほど倒していき、また武器持ちと武器なしのゴブリンが1体ずつの構成に2回ほど遭遇したが、危なげなく倒すことができた。


 なんだけど、今回はちょっとキツイかもしれない。


 50回目の分かれ道の際、片方で何か鳴き声が聞こえたため、極力足音を消しながら近づいていくと、焚き火を囲って武器持ちのゴブリンが3体いることを確認した。


 へぇ〜、この世界のゴブリンは焚き火を作れるくらいの知能があるんだ。


 そう考えると結構脅威度増すんだが、壁張り付きのゴブリンを見ると、なぜその知能で隠れられる思っただろうか? 不思議だ。


 未だに談笑を続けている様子から、幸いにもこちらには気づいていないっぽい。


 どうしよう? 先制攻撃で恐らく一体は倒せるだろうが、それでも武器持ちが2体だ。負けるかもしれない。


 いや、これも経験だ。この先はもっときついのが待ってるはずだ。このくらいのちょっとした窮地には慣れないと。


 ・・・よし、行くぞ。


 腰に刺してある短剣を取り出し、一番手前にいたゴブリンに投げ、それと同時に走り出した。


 投げた短剣はしっかり当たってくれたが、その部位は腕であり、あまり決定打とはならなかった。


 クソッ! けど初めてにしては上出来だ。


 ゴブリンたちは突然のことで驚き戸惑っており、腕を刺されたゴブリンに至ってはその痛みから叫んでいた。


 あれ? すぐに立ち向かってくると思ったが、これは予想外だ。しかし、絶好のチャンスだ。逃す手はない。


 腕を刺されて叫ぶゴブリンは、ひとまず戦闘に参加することはできないと判断して放置し、残り2体いる中でこちらに背を向けている奴へ斬りかかった。


 この攻撃はしっかりと真ん中を捉えることができ、小さな断末魔を上げて倒れた。


 さすがにこの状況で我に返ったゴブリンが俺に切り掛かったが、それは何回も見たジャンプ攻撃であるため、落ち着いて剣を空中にいるそいつに突き刺した。


 最後は腕を負傷した1体のみだ。刺さった短剣を抜き、赤い液体が滴りながらも無事なもう片方の手で武器を持ち、俺に突撃してきた。


 満身創痍なのかいつもジャンプ攻撃はなく、そのまま短剣を振り回してきた。


 その乱撃はとても素早く、数回はステップで回避することができたが、最後の一回は避け切ることができず、俺の腕を切り裂いた。


 痛いはずなのだが、傷が浅かったためかアドレナリンが出ていたからなのかわからないが、あまり感覚はなかった。


 おかげで怯むことなく、反撃を繰り出すことができた。


 頭をかち割ろうとする縦の斬撃は、ゴブリンの横ステップによって惜しくも避けられてしまったが、すぐさま剣を持ち直し、ゴブリンの動きに呼応するかのように横へ一閃。


 2撃目はかわされることなく、その横腹を捉え、塵となって消えた。



 うん! うん! 勝ったぞ!



 最初の想定よりも結構楽な展開となったが、それでも武器持ち3体相手に勝つことができた、嬉しすぎる!


 喜びとともに安堵すると、突如痛みが襲ってきた。


 いっ! そうだ、腕を斬られたんだった。


 戦闘に集中してて、斬られたことは意識してたけど痛みまでは感じなかった。アドレナリンが出てると痛覚が弱くなるっていう話本当なんだな。


 見たところ、そこまで傷が深くなく、浅い切り傷で終わっていた。血はあまり出ておらず、服に少し染みる程度であった。


 って、服破けてる。最悪だ、上着の最低価格100円もするのに。


 まあこの程度で済んでるからよしとするか。腕の部分だけだし、買い替える必要はないだろう。


 そういえば、あのゴブリン達はなんで俺の攻撃でフリーズしたのだろう?


 普通なら戦闘の準備くらい真っ先に始める気がするのだが、そんなに驚いたのだろうか?


 焚き火で談笑している様子からリラックスはしていたとは思ったが、ただ単に気を抜きすぎていただけならありがたい。これから先簡単に倒すことができるからな。


 ま、今回はラッキーだと思っておこう。




 さて、これまでに50回ほど分かれ道に遭遇したが、ゴールが見える気配はない。


 恐らく、ゴールまでの分かれ道の回数は10や25などのキリのよい数字であり、今回の大きな区切りとなる50ではなかった。そうすると、ゴールまでに分かれ道が100回存在するの場合も考えられるから、これ以上進んでもまだゴールには辿り着かないだろう。


 それに、今日は疲れた。ずっと気を張るには意外に体力がいるし、結構な数の戦闘をこなして精神的にも疲れた。


 帰り道にもモンスターに遭遇する可能性があるし、今日は帰ろう!


 帰り道に数回の戦闘の行ったのち、我が家へと戻った。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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