生きた証
平均的な人は、結婚して子どもが生まれ、孫が生まれ、自分の遺伝子が代々受け継がれてゆく。
私はバツイチだけど子どもには恵まれなかった。統合失調症だし、もういい歳だから子どもは産めない。
私には弟がいるが、A1の自閉症で施設で生活している。
うちは私と弟の代で途切れる。
もちろん、両親の兄弟たちは孫にめぐまれているところもあるから、私のおじいちゃんおばあちゃんの血筋は絶えない。
自分が生きた証をなにか残せたら。子どもの頃から、そうだ、お話を書いて残しておこう、から、小説家になろう、本を出そう、へと思いは発展してきた。
昔みたいに小説家の数が少なくて希少だった頃と比べれば、有象無象の阿鼻叫喚。それでもなろうのサイトに今まで書き溜めたものは、たしかに存在する。
ストックから自費出版で数冊出した。電子書籍もちらほら。
売れなくてもいい。誰かの目にとまってちょっとでも読んでもらえたら。でも、統合失調症のせいで人様にお見せできるものばかりじゃない。当たり外れがあるのだ。
なるべく下手なのは表に出ないように気をつけてはいるが、たまに全作品にアクセスした跡を見つけてあちゃー、となる。どこの物好きかしら?おほほほほ、と言いつつ冷や汗もんである。
しかも、いいともわるいとも言ってはくれないから、私はどうしたらいいのだろうか?
書けないときに書けない!と一騒ぎして、しれーっと書いてみたり、気分屋である。
以前書き溜めた小説から公募に応募してみたりするけれど、ライバルが多すぎて気弱になりそう。でも、どこかに突破口があったなら、夢に向かって進める。
何かの形で遺るものを創る人になりたい。