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大好きと言ってくれる
「お母さん、大好き!」
「たーたん(かあさん)だいすき!」
前触れもなく、2人の子ども達は私に突進してきては、ぎゅうっとこれでもかという程、強く抱きしめてくれる。
「私も大好きだよ。」と子どもの名前を言って私も強く抱きしめ返す。
子ども達は素直だ。求めて来てくれる。いつまで私の所に来てくれるのだろうか、とふと思ってしまう。
こんなお母さんに愛想を尽かし、離れていく姿は容易に想像できた。「大好き」と言ってくれた記憶もきっと忘れるのだろう。
今、受け止めたこの温かな気持ちを糧に、これからも生きていけるのだろうか。