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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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里を少し便利に

家族4人で床下の増強工事をした後、

祭司長とエストとローズさんは、

仲良く狩りに出かけた。


私は少し別の用事があるからと、同行を断り、

今は里の子供達を集めて、ある事を教えている。


順番に子供達に教えていると、

祭司長が様子を見に来た。


「祭司よ。これは何を教えておるのじゃ?

 伝統にはない、新しい魔法に見えるのじゃが」


「祭司長様。これは火種の魔法です。

 外では生活魔法と呼ばれる、

 ごく基本的なものです」


「それでは、この里の伝統が」


私は祭司長の主張を遮って、説得を試みる。


「祭司長様も、

 がすこんろの魔道具を使っていますよね?

 あれは便利だとは思いませんか?」


「あれは確かに便利じゃな」


「私もがすこんろを、

 里の皆に使って欲しいとは、思っていません。


 ただ、火種の魔法が使えると、

 かまどに火を点けるのが、

 少しだけ便利になります。


 里の伝統からは、

 少し外れるかもしれませんが、

 これくらいであれば、

 見逃してもらえませんか?」


祭司長は、腕組みをして少し考える。


「ううむ……」


「それに私は、火魔法の攻撃魔法を、

 教えるつもりはありません。


 そこまで伝統を崩したくはないですし、

 何より、森の中で大きな火を扱うのは、

 危険ですから。


 火種の魔法だけ、黙認してくれませんか?」


祭司長はしばらく考え、黙認してくれる。


「まあ、この程度であれば、

 わしは見なかった事にするぞ」


「ありがとうございます。祭司長様」


保守的なこの里とはいえ、

やはり子供は好奇心旺盛なようで、

他にも何か便利な魔法がないかと、

せがまれたため、

祭司長が見ていない間に、

他の初級魔法も教える事にする。


そこで私は、便利な防御魔法として光盾を教え、

次に光の魔道具に使われている魔法である、

光球の魔法も教えた。


子供達はとても喜んでくれたので、

つい調子に乗って、

『うぉーたーかったー』の魔法も、

教えてみたが、

子供の魔力では連発はできなかった。


(この子達が成長した暁には、

 うぉーたーかったーの魔法も、

 連発できるでしょう。


 そうなれば、

 斧はレアアイテムでは、

 なくなるでしょうね)


私は、里の生活が、

少しだけ便利になった事に満足し、

今回の里帰りの予定を終えた。

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