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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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くーらー

それからさらに半年後。


ヒデオ工房の従業員を大幅に増員し、

工房の引っ越し作業も完了したため、

レイゾウコの増産体制に、

一定の目処が立っていた。


分解しようとしていた、

他の工房達の予約キャンセルもあり、

この頃には、なんとか積みあがった予約も、

かなり処理できた。


それでも、レイゾウコは噂が噂を呼び、

高額商品であるにもかかわらず、

次々と売れている。


そのため、我が工房の売り上げも、

うなぎ上りである。


生産体制に少し余裕のできた私は、

さらに新しい家電製品を開発している。


次に作りたいものは決めていた。

クーラーである。


ものを冷やすという意味で、

原理は冷蔵庫と同じであるため、


(おそらく、簡単に開発できるでしょうね)


そう考えたからである。


そして、研究を開始してみたら、

やはり簡単にできた。

温度調節機能で、少し手こずった程度である。


理想は自動温度調整機能のある、

エアコンだが、

さすがにそこまでは作れない。


そのため、ボタン式で冷風の温度や風量を、

調節するように設計した。


2か月程度で開発が終わり、

工房での量産が始まった。


ただ、前世の記憶にあるものと比較して、

かなりな重量物になっていた。


これは、レイゾウコを少し改造して、

室外機と室内機が一体になっていた事も、

原因の一つである。


そのため、前世のように、

壁の中空に設置する事ができず、

窓際の壁に穴をあけ、

床に直置きするタイプになった。


また、レイゾウコよりも、

必要な魔力が増えたため、

頻繁に魔石の交換も必要になっていた。


ただ、この「くーらー」の魔道具は、

レイゾウコほどには、

厳密な断熱機能は必要ないため、

私の予想では、ルツ工房であれば、

コピーでほぼ同じ機能の商品が作れるはずだと、

考えていた。


しかし、私の謎の超技術の噂が、

既に業界に広く知られていたため、

誰も分解して研究しようとはしなかった。


ただ、うれしい悲鳴ではあるのだが、

我が工房は、すぐにまた忙しくなった。


(このままでは、ウチの工房が、

 ブラック企業になってしまいます)


そのような危惧をした私は、急遽、

再び職人を広く募集して、

さらに従業員を増やし、増産体制を整えた。


ちなみに、この頃の私は、


(メイの結婚式は、いつ頃でしょうか?)


と考えていた。


メイも19歳になっていたので、

そろそろ彼氏であるゴランさんを、

お婿さんとして紹介してくれるだろうなと、

思っていたのだ。


素直ではないメイは、

ブツブツと文句を言いながら、

自宅に呼びつけたゴランさんと、

デートに出かけていたが、

私にはただの照れ隠しにしか、見えなかった。


(ひ孫が増える日も、近そうですね)


と思っていた。

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