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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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領主になって、5年ほど経過したある日。


64歳になった私は、孫のエストと同じ部屋にいる。

孫と言っても実の孫ではなく、

エルクとルースの第一子だ。


今、ルースのお腹には、

待望の第二子が宿っている。


私の無限の寿命では、未来永劫、

領主をしなければならないと気付いた時、

エルクに頼んで養子縁組をしてもらい、

二代目領主予定の跡取りとなってもらっていた。


自由な傭兵稼業をやっている、

エルクは嫌がるかと思ったが、

元々傭兵の最終目標は、

騎士様になる事だったので、


「お貴族様にしてくれるんなら、別にいいよ」


と、案外あっさり了承してくれた。


そうしてエルクは、エルク・ウル・ガインとなり、

奥方となったルースと、生まれた我が子と一緒に、

ガイン村に引っ越している。


ちなみに、エストの名前は、

エルクの「エ」とルースの「ス」を使って、

響きの良いように命名したと、

エルクが以前に教えてくれていた。


貴族が平民と養子縁組する等、

前代未聞の事らしいが、

私自身が平民上がりの半端貴族なせいか、

養子縁組を申請した時は、

驚かれはしたが、

特に問題なく手続きは終了した。


一般的な貴族であれば、

華やかな社交パーティー等もあるらしいが、

平民上がりの私には、そんな誘いがないため、

貴族とは言っても、貴族との付き合いのない、

かなり特殊な貴族になっている。


エルク夫婦も、最初は興味があったようだが、


「招待されてもいないのに、

 無理に押しかけても、

 嫌な思いをするだけですよ?」


という、私の説得によって、

今では特殊な貴族の立ち位置に、

あまり疑問は感じていないようだ。


ちなみに現在、

この屋敷には数人の老婆のメイドさんがいる。


少人数で使うにしては、少し広いため、

村の雇用を良くする意味でも、

農作業が難しくなった老婆を雇った。


私の膝に、ちょこんと座ったエストは現在4歳で、

私に昔話をねだる。


「おじい様。

 また、おじい様のお里の話をしてください」


エストはなぜか、

私の幼少時代の話を聞くのが好きだ。

特に私が過去にやらかした、

失敗談が大好きだ。


男の子なのに、ルースによく似た女顔で、


(将来はさぞかし、

 女性を泣かせるイケメンになるのでしょうね)


と、早くもじじバカをさらしている。

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