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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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208/230

ガイン自由都市、立つ

それから1年ほどが過ぎた。


いったん燃え盛り始めた反乱の炎は、

紅蓮の大火となって瞬く間に国中を席巻し、

燃え広がっていった。


平民の傭兵達が反乱の鎮圧を拒否し、

あげく反乱に加担していたため、

各地で領主館が占領されていった。


しかし、

最初の方こそ勢いのあった反乱ではあるが、

各自がバラバラに戦っていたため、

各個に撃破され始めた。


そのため、

次第に貴族連合軍の勢いに押されだしていた。


(兵力の集中運用等の用兵に関しては、

 さすがに貴族側に一日の長がありますか)


このままでは、時間さえかければ、

反乱が完全に鎮圧されてしまうと判断した私は、

次善の策をユキムラに進言する。


「ユキムラ。もはや時間切れです。

 こちらから打って出ましょう」


ユキムラは少し不思議そうな表情をして、

私に確認を取る。


「ですが、大おじい様。

 それでは、平民自身の手で、

 革命をなす事ができなくなってしまうのでは?」


私はそれに頷きを返し、

肯定しながら反対意見を加える。


「ええ。それが一番良いのは確かです。

 ですが、現在のように、

 各地でバラバラに戦っていたのでは、

 各個に撃破されて、

 やがては鎮圧されてしまいます。


 これからは時間をかけるほどに、

 平民側が不利になってゆきます。


 ですから、ここで私達が先頭に立って、

 反乱軍を一本化せざるを得ないでしょう」


ユキムラは納得した様子で、

近場の官僚の一人に声をかけて、

会議の開始を指示する。


「分かりました。では、そこの人。

 すいませんが、

 主だったものを会議室へ集めてください」


そうして始まった会議では、

まずは私がこちらから打って出る意義を唱えた。


「このように、兵力を集中的に運用し、

 分散している敵を各個撃破するのは、

 兵法の常道です。


 これらの用兵に関する知識が貴族側にはあり、

 平民側にはありません。


 このままでは、この内乱は、

 平民側の敗北で終了してしまうでしょう」


だからこそ、ガイン自由都市が音頭を取って、

反乱軍をまとめて一本化する必要があるのだと、

説明した。


それに対する反対意見は、誰からも出なかった。


皆もこのままではまずいと、

重々承知していたのだ。


それからの会議では、

細部を詰める作業だけが行われた。


そして早速翌日から、

反乱軍を組織するので、

ガイン自由都市に集まるようにとの、

触れを出して回ってもらった。


「ガイン自由都市がついに立ち上がってくれた」


この知らせは国中を瞬く間に駆け巡り、

続々と反乱軍志願のものが、

集結し始めるのであった。

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