表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
先祖返りの町作り  作者: 熊八


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

202/230

子孫の弟子

各種の研究室を立ち上げてから、

瞬く間に3年の月日が流れ去った頃。


天然ゴムの研究室では、

無事に試作品が作れるまでになっていた。


今は私の専用機のゴムタイヤに使われており、

耐久テスト等の実地試験が繰り返されている。


一般的な魔力ジドウシャを使っていないのは、

私の専用機が一番過酷な使い方をするため、

テストにはうってつけなのだそうだ。


またこの頃、ニーナは21歳になっていた。


幼少の頃から魔道具に強い興味を示していたため、

ヨシツネと私が喜んで、

いろいろと教え込んでいたら、

すっかり魔道具バカに育ってしまった。


「私ではなくて、

 むしろ大おじい様の影響ですよ?」


と、ヨシツネは釈明していた。


(私を免罪符のように使わないで欲しいです)


ニーナは高等学校を卒業したその日の内に、

私の自室を訪ねてきて、直談判を始めた。


「大おじい様! 私を弟子にしてください!!」


あまりにも勢い良く頭を下げるので、

私の方が若干気押されてしまい、

少し再考を促してしまう。


「私は別にかまいませんが、

 ニーナはそれで良いのですか?


 ヒデオ工房だと、

 どうしても身内びいきだと、

 言われかねませんので、他の工房の方が、

 気兼ねなく修行ができるのではないですか?」


そうすると、

ニーナはブンブンと音がしそうなほど首を振って、

否定する。


「何をおっしゃるのですか、大おじい様!!

 この都市、いえ、

 この国で最高の魔道具工房と言えば、

 間違いなくヒデオ工房ですよ!


 外野のさえずり等、私は全く気にしませんので、

 この世で最高の親方の大おじい様の元で、

 どうか修行させてください!!」


そのあまりにも真剣で必死な様子に、

私は許可を出す事にした。


「分かりました。

 ですが、他の弟子達と、

 区別なく仕事を振りますので、

 そこだけは覚悟してくださいね」


「それこそ望む所です!」


こうして、子孫初の弟子となったニーナは、

宣言通り必死に修行を重ねた。


その結果、あっという間に一人前となり、

誰もが認める魔道具職人となっていた。


そんなニーナが生涯の伴侶として選んだのは、

同僚の魔道具職人の一人であった。


ロレインという名前で、

真面目な職人として、私の信任の厚い青年だ。


二人は順調にお付き合いを続け、

昨年、婚約者となっていた。


ニーナもロレインも魔道具が好き過ぎて、

二人ででかけるとロクにデートもせずに、

図書館や喫茶店で、

ずっと魔道具談義を繰り広げていた。


そんな魔道具バカの二人は今日、

無事に結婚式を終えて正式な夫婦となっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ