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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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大おじい様の薫陶

それから4年が経過した頃。


ユキムラはたくましく成長していた。


性格はお母さんのヘレナさんに似たようで、

アウトドア派の活発な青年に育っていた。


剣術や乗馬等、

とにかく外で体を動かす事が大好きな、

健康的な好青年になっていた。


剣術の腕前も確かで、

かつてのエルクを彷彿とさせる、

細身の体には似合わない優秀な壁役でもある。


「もし領主にならなくても良いのであれば、

 私はガイン自由都市軍の一兵士となって、

 この都市の住民を守りたいです」


と、ユキムラは少し寂しそうに語っていた。


(方向性こそ違いますが、

 やはりヨシツネとユキムラは親子ですね)


私はそう思い、

思わず私の野望の進捗を語り聞かせていた。


「今はまだ無理ですが、

 このままこの都市を発展させ続け、

 あと数十年もすれば、私の子孫達にも、

 職業選択の自由が得られる国になると思います。


 あなたの代では無理でしょうが、

 せめて、あなたの子供か孫が、

 好きな職業に就けるように、

 私に力を貸してはくれませんか?」


そう言うと、ユキムラは微笑みながら、

力強く頷いてくれた。


そんなユキムラが生涯の伴侶として選んだのは、

傭兵で魔術師として活躍している、

リノアさんという女性だった。


どこか、

かつてのルースの面影があるように感じられて、


(やはり、ユキムラもエルクの子孫なのですね)


と、私は一人納得していた。


優秀な傭兵として身を立てていただけはあり、

リノアさんは男性の言う事に、

唯々諾々と従うだけの女性ではなく、

確固とした意見を持つ立派な女性だ。


むしろ、

ユキムラのほうが振り回されている印象すらある。


そんな様子を見た家族達は、


「やはり、

 大おじい様の薫陶が行き届いているようで、

 うちの一族の男どもは、

 芯の強い女性が好みのようですね」


と、そう評されていた。


私は思い当たる節がありすぎて、

ただただ苦笑するしかなかった。


そんなユキムラとリノアさんは、

昨年正式に婚約者となり、

本日、無事に結婚式を終えて、

新たに夫婦となったのであった。

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