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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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新たなおしどり夫婦

蒸気機関の発表の興奮が、まだ冷めやらぬ頃。


ヨシツネの結婚式が始まった。


ヨシツネには幼い頃から魔法の才能が有り、

本人の意欲も高かったため、

私も熱心に魔法を教えていた。


その結果、無詠唱魔法こそ使えなかったが、

エストのようにかなり多彩な魔法を使いこなす、

優秀な魔術師に成長していた。


もちろん、

私が教えた『いべんとはんどら』の魔法も、

使いこなしている。


ヨシツネは魔道具にも強い興味を示しており、

この分野での才能も豊富であった。


「もし領主にならなくても良いのであれば、

 私は大おじい様に弟子入りして、

 ヒデオ工房で魔道具職人になりたかったです」


と、少し寂しそうな顔で語っていた。


(少しでも早く共和国を建国して、

 子孫達に職業選択の自由を与えなくては)


私は野望を推し進める事を、

また強く決意していた。


どちらかというと、

インドア派のヨシツネであったが、

彼が生涯の伴侶として選んだのは、

かなり活発なお嬢さんだった。


彼女はヘレナさんという名前で、

赤毛をショートヘアにした、

どこかローズさんの面影がある素敵な女性だ。


ヘレナさんは、

おいしいものを食べるのが趣味だと公言しており、

度々ヨシツネを連れ出して、

新しい評判のレストランへと繰り出していた。


そんな二人は順調にお付き合いを続け、

昨年、正式に婚約者となっていた。


積極的なヘレナさんは、

人目もはばからずに、

ヨシツネとスキンシップを図っていた。


そのため、周囲には眉を顰めるものもいたが、

本人達はどこ吹く風であった。


「大おじい様とクリスさんの、

 イチャイチャに比べたら、

 私達などかわいいものですよ?」


そう、ヨシツネに指摘される事もあった。


父親のイサミは、


「大おじい様の悪い所まで含めて、

 そっくりになりましたね」


と、苦笑いを浮かべて語っていた。


私はヘレナさんをローズさんに重ねていたが、

周囲はどうやらクリスさんに似ているという、

認識らしい。


そんなヨシツネとヘレナさんも今日、

正式な夫婦となった。


ガイン自由都市に、

新たなおしどり夫婦が誕生した瞬間でもあった。

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