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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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ウチの里はチート

翌日、私が起きた時には既に、

アレンさんとアルスさんは、

馬車に穀物を積み込んでいた。


何でも、この村の穀物を輸出しても、

それほど儲からないみたいだが、

馬車のスペースを空けて行商するよりは、

マシだそうだ。


馬車には、昨晩寝室でちらっと見た人達がいた。

護衛の傭兵の4人組だ。

魔術師や弓使いは、いないらしい。


「魔物の領域とされる、

 自由国境地帯を突っ切るのに、

 こんなに少なくて、大丈夫なのですか?

 囲まれたらどうするんです?」


と聞いたら、群れで獲物を襲うのは、

どちらかというと、弱い個体らしい。


魔物の領域を突っ切るような街道では、

強い個体が、単体で襲ってくる事が大半だそうだ。


そのため、必要な護衛は数ではなく、質だそうだ。

この傭兵さん達は凄腕らしい。


出発した翌日、ちょうどいい兎の魔物がいたので、

弓の射程の半分くらいで魔法をぶっ放したら、

ものすごく驚かれた。


そもそも、私の言う、弓の射程がおかしいらしい。

その距離になると、

矢は届くが、めったに当たらないとか。


魔法の射程についても、指摘された。


攻撃魔法を使いこなすほどの魔術師でも、

射程は槍の3倍くらいで、

中距離の一撃の重い、

ダメージディーラーだそうだ。


(ウチの里は、魔法だけでなく、

 弓もチートだったんですね……)


生活魔法が使えるだけでは、

一般的には、魔術師とは言わないそうだ。


「村長の孫は、

 へき地で本物の魔術師を、見た事がないから、

 自称しているだけだろう」


傭兵さんの一人に、説明してもらった。


生活魔法というのは、

火種を出したり、水を出したりと、

生活をちょっと便利にする、魔法の総称らしい。


そのレベルの魔法式は、広く知られていて、

平民同士で、無料で教えあっているようだ。


魔法文字の発音さえできたら、

無料で魔法が使えるため、

一定の年齢を超えると、

ほぼ全員がチャレンジする。


町では、10人に1人くらいの割合で、

生活魔法が使える。


攻撃魔法を教わるには、魔術師に金を払って、

魔法式を伝授してもらう。

この時、魔法制御の訓練方法も伝授される。


この時の料金は、

有用な魔法式になるほど高額で、

大事な飯のタネのため、秘匿されるそうだ。


(ちょっと待ってください。

 それ、昨日教えて欲しかったです)


土壁の魔法は初級で、防御魔法だから、

無料で教えても良いかもしれない。


だが、魔法制御の訓練方法を、

無料で教えたのはヤバそうだ。

業界の価格破壊が、起こらなければ良いが。


(常識の違いを埋めるのは、大変そうですね)


と実感して、

初めての都市への旅は終わった。

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