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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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産業革命を目指して

私の生誕200周年祭の喧騒が、

すっかり収まった頃。


私は自分にできる事で何かお返しがしたいなと、

考えるようになっていた。


ダイガクの自分の研究室で、

いつものように独り言をつぶやきながら、

考えをまとめていく。


「やはり、私は研究で皆の生活を向上させるのが、

 一番の恩返しでしょうね」


そう、結論付けた。


そこで、さらにその考えを進め、

どのような研究内容にすれば一番生活が潤うかを、

自分に問いかける。


「魔力もーたーによって、

 生活の質は向上しました。


 しかし、これの最大の難点は、

 魔道具形式であるために、

 高コストな事なんですよね……」


様々な産業に応用され始めているとはいえ、

魔力もーたーの高コストが問題になり始めており、

普及の速度が思ったほどには早まっていない。


もう少し、一般的に広められるものはないかと、

考えを進めていく。


「一番良いのは、『ディーゼルエンジン』等を、

 開発してしまう事なのですが……」


ガソリンエンジンやディーゼルエンジンは、

内燃機関と呼ばれるものの一種で、

効率が優れる利点がある。


しかし、その最大の難点は工作難易度だ。


どうしても細かい部品が多くなるため、

ある程度以上の工作技術の積み重ねがなければ、

実現不可能である。


「と、なると、

 まだ工作難易度の低い『蒸気機関』ですかね?」


蒸気機関は外燃機関と呼ばれるものの一種である。


内燃機関に比べて効率の面では落ちるが、

部品の細かさは緩和されるため、

工作難易度は下がる。


魔力ジドウシャの開発により、

基礎的な工作技術自体は向上しているため、

今なら作れるかもしれない。


「よし。ここは産業の父の二つ名に恥じぬように、

 本物の産業革命を目指して、

 『蒸気機関』を開発してみましょう」


蒸気機関の開発において重要な要素となるのは、

実は既に開発している火力発電所である。


あれも一種の外燃機関と呼べるものだ。


発電所では、

蒸気を沸かしてタービンを回している。


これをもう少し改良して、

ピストンを上下させるようにすれば、

様々な産業に応用可能な、

安価な動力源が得られるはずだ。


「『蒸気機関』が実現できれば、

 『機関車』も作れますから、

 大規模な『列車』輸送も可能になりますね」


魔力ジドウシャの登場により、

魔力もーたーの有用性が、

広く認知されるようになった。


それと同様に、蒸気機関で汽車を開発すれば、

その有用性に皆気付くはずだ。


「まあ、長い道のりになるかもしれませんが、

 『列車』が開発できれば国内の移動も、

 簡単になります。


 そうなれば、

 ガイン自由都市は『ターミナル駅』として、

 大規模な発展が期待できるでしょう」


私はこの地が大きく発展した様子を思い浮かべ、

気合を入れて研究を開始する事を、

決定したのであった。

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