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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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フィーナとティータのお婿さん

祭りの喧騒もすっかり収まった頃。


二組の新たな夫婦が誕生していた。


年頃になったリョウマに、2年ほど前から、

最も積極的にアプローチしていたのは、

従妹のティータであった。


リョウマと結ばれたら、

フィーナと本当の意味で姉妹になれるからという、

いささか不純な動機であったが、

本気で落としにかかっていた。


フィーナとティータは強力なタッグを組み、

フィーナは邪魔な虫が寄り付かないように、

リョウマの周囲でにらみを利かせ、

その隙にティータが果敢にアタックする。


そんな様子が見られるようになっていた。


リョウマは、最初の頃は、


「まるで自分の妹と付き合うみたいで、

 絶対に嫌だ」


と、かなりの抵抗を見せていた。


しかし、それでもあきらめない二人の猛攻に、

だんだんと押されていき、

半年ほどたった頃には、

普通にお付き合いを始めていた。


そして昨年、

とうとう妻として迎え入れる事に同意し、

婚約していた。


一方フィーナは、

二人が無事に付き合いだしたのを確認すると、


「私もお兄様に似た旦那様が欲しいデス」


と、お婿さんを探し始めた。


やがて探し当てた男性は、

クラウスさんという人で、

どこかリョウマに似た雰囲気のある男性だった。


それもそのはずで、

クラウスさんはキースの孫で、

メイの直系のひ孫にあたる人だった。


そして今日、リョウマとティータ、

クラウスさんとフィーナによる、

合同結婚式をつつがなく終えていた。


結婚式の主役4人全員が、私の子孫である。


(私の子孫達も、ずいぶんと増えましたね)


あらためて、この領地に来てから100年という、

歳月の長さを再確認していた。


少し不純な動機で、

伴侶を決めたフィーナとティータであったが、

その後の夫婦仲は非常に良好で、

ガイン家のおしどり夫婦の二組として、

有名になっていくのであった。


「ティータの甘え上手な所がたまらない」


とは、リョウマ談。


最初の激しい抵抗は何だったのかと、

脱力するほどのデレぶりである。


しかし、私の眼には、

リョウマがティータの手のひらの上で、

いいように転がされているように見える。


(まあ、女性の方がしたたかだと言いますし、

 これはこれで、幸せの形でしょうね)


私はそんな感想を抱きながら、

まだ見ぬ七代目の子孫の誕生に、

今から心躍らせるのであった。

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