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先祖返りの町作り  作者: 熊八


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すとっぷうぉっち

そして私は、

まずは秒の単位を決定するための、

作業を開始した。


最初にやったのは、領主館の庭に、

日時計を作った事である。


2週間ほどかけて、

正確な南中の方角を割り出した。


その次に行ったのは、

ストップウォッチの魔道具の作成である。


これは、ボタンを押してから、

次にボタンを押すまでの間の、

空ループの回数を、

カウントするものである。


そうやって、日時計で、

南中から南中するまでのループ回数を計り、

24 x 60 x 60で割り算して、

1秒当たりのループ回数の平均を、

割り出した。


そして、1秒単位での時間を広く教えるために、

時計の魔道具も作成した。


ただ、前世の時計のように、

同一の軸で、長針、短針、秒針を、

別々に作動させる方法が分からなかったため、

それぞれで一つの軸を、

使用する方式になった。


ちなみに、

私が発明したプレートの連動方法では、

ON/OFFでしか制御ができない。


そのため、まともに使用すると、

60秒を表現するためには、

60本もの配線が必要になる。


私は、この問題を、

2進数の考え方を導入する事によって、

回避している。


つまり、2本の配線があった場合、

ONを1、OFFを0とすると、

00で0秒、01で1秒、10で2秒、11で3秒と、

4種類の組み合わせを表現するのである。


この方法であれば、6本の配線があれば、

64種類の信号が通信できるため、

必要な配線の数を、

ぐっと減らす事ができる。


そうやって作られた、

「トケイ」の魔道具の見方を広めるため、

初等学校でのカリキュラムに、

その見方を追加する事にした。


また、これは余談になるのではあるが、

「すとっぷうぉっち」の魔道具が、

作成できた事により、

細かい時間が計測できるようになった。


それを利用して、

魔道具の作動時間を確認した結果、

魔法式のプレートの魔法文字が、

小さくなるほどに、

処理速度が上がる事が判明した。


この性質は、

前世の半導体の集積回路と同じであるため、

もしかすると、小型化する程に、

消費魔力も少なくなるのではないかと、

考えている。


そのため、

いつかは正確な魔力計を作成してみたいと、

思っている。


話をトケイに戻すと、この魔道具により、

細かい時間が分かるようになったが、

高価な品であるため、

各家庭に普及させる事ができない。


そのため、領主館の近辺に時計塔を建設した。


そこには、大きなトケイの魔道具と、

鐘楼が設置されており、

領民が時間を確認できるようになっている。


また、この時計塔では、

午前6時から午後6時まで、

2時間おきに計7回、鐘を鳴らして、

領民に時間を知らせている。


この時計塔は、

領民達に親しまれるようになり、

いつの間にか、

ガイン自由都市の新たな観光名所としても、

知られるようになっていった。

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