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1:愛しい我が家

楽しんでいただけますように!

「んふっふ~! ファーマーもレベル・ジョブともにカンスト! あとは錬金術師のセカンドジョブを手に入れたら完璧!」


 私がどや顔で宣言すると、周りにいるモンスターたちが一緒に喜びの声をあげる。この子たちはテイマーのジョブでテイムした私の仲間だ。

 もっふもふが最高の癒しのフェンリルに、移動するとき背中に乗せて飛んでくれるグリフォン。愛らしい猫のマスコットモンスターキャトルルや犬のモンスターのシバ太郎。どの子たちも、私の自慢のテイムモンスちゃんだ。


「この子たちを置いていくのは寂しいけど、ちょっとの辛抱だし」


 可愛らしい声で『にゃぁ』と鳴くキャトルルが私の腕に飛び乗って、頬に擦り寄ってくる。可愛い。



 ――ここは、フルダイブ型のMMOゲーム『ファンタジックガーデナル』だ。

 よくある剣と魔法のファンタジーゲームで、フルダイブの先駆け。ゲーマーたちがこぞってプレイし、日本だけではなく世界中から愛されているゲームになった。

 広大な大地で冒険をし、生活し、ある意味第二の生を謳歌できる。


 そしてゲームの醍醐味の一つでもあるのが、私が今いる場所、『家』だ。

 ゲーム内の売地に自分の家を購入することができ、職業によっては畑を作ったり、もふもふと暮らしたり、いろいろなことができる。こういった点は、上手くゲーマー以外の層を取り込んだものだと思う。



「私の家はたくさんのもふもふモンスターと暮らすことを考えて、一番いいところを買ったからね!」


 正直、めちゃくちゃ大変だった。

 まず購入するために、売買してくれるNPCとの友好度を最大限にするところから始まった。

 普通の家だったら、そこまでする必要はないんだけど……この家がある場所はゲームのスタート地点から一番遠くて、難易度が最上級のエリアなのです。だから普通のルートでは購入できず、購入クエストも必要になった。

 お値段も高かったよ……。灰になるかと思ったよ……。


 しかしその甲斐もあり、とてもいい家をゲットできた!

 二階建てのログハウスは執事とメイドっ! 庭は大型のモンスターが走り回って遊べる広さがあって、畑だってついている。


 まあ、そんな感じで私――プレイヤー名:ユイはこの世界を楽しんでいるのである。

 外見年齢は一七歳で、身長は一六二センチ。ファイター・ナイト・クルセイダー・ハンター・ウィザード・クレリック・ファーマー・テイマーのジョブを極めている。

 金がかった空色の髪は、ゆるふわのセミロングを後ろで編み込みひとつに。ピンクベージュの瞳は落ち着いた色合いが可愛くて、課金ストアに並んだ瞬間に買った。

 リアルの話はあまりしたくないけど、まあ社畜だったよね……。宝くじで五千万円が当たったので、それを使い切るまで仕事をしないことにしてこのゲームを始めましたとさ。

 今ではトップランカーの一人だ。



『わんっ』

「シバ太郎~! 相変わらずいいもふもふ! 私は錬金術師にジョブチェンジするために『始まりの塔』に行ってくるから……少しの間、お留守番をお願いね!」


 構ってくれ~と言わんばかりの柴犬……もといシバ太郎を撫でまわし、私は別れを惜しむ。


「さて、錬金術師に転生しますか!」


 私は家に付いている転移装置を使い、始まりの塔へと飛んだ。

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