9話 おかえりなさいませご主……
やほー!遅れたぜ!忙しいからまた時間があきそう……。
俺が今何をしているか?
それは……
「い、いらっしゃいませ……ご、ご主人様」
メイドをしています。
ここまでに何があったか説明しよう。
それは12時のことだ……。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「こんにちは」
「おっ、きたね」
「今日はよろしくお願いします」
「よろしくね♪」
「えっと……おr……私は何をすればいいですか?」
「取り敢えず採寸のためにこっちに来て」
「わかりました」
俺は店長の言われるがままに店長の近くによっていったのだが……。
「おぉ、絶妙な体型してるね……モデルさんかなにか?」
「いえいえ違いますよ。絶賛引きこもりの高校生ですよ。それに少し身長いじってますしね」
「へぇ……」
「あっ、引きこもりって言っても虐められていたわけじゃないですから」
「あっ、そうなの?」
「はい」
「よかった〜、嫌なこと思い出させちゃったかもしれないと思って……」
「いえいえそんなことないですよ」
「本当に良かった〜。そういえば自己紹介してなかったわね。私はミズキ、あなたの名前は?」
「お……私の名前はミライです」
「そう、ミライちゃんね。取り敢えず服ができたら接客の仕方を覚えてもらいます」
「はい」
「覚えると言ってもあまり多くないし、簡単だから安心してね」
「は、はい」
「じゃあこのサイズを作ってきて貰うからちょっと待っててね」
そう言ってミズキさんは奥の部屋に入っていった。
〜30分後〜
「できたよ〜」
「おぉ〜!!」
出てきたのはスカートの丈が短めのみんなが想像しているあのメイド服である。
「これぞメイドみたいな感じですね!」
「まだこれだけじゃないのよ」
「ん?」
「『獣耳・獣尻尾薬』というものがありまして、これを飲むと獣耳やら獣尻尾やらその他諸々が出るようになるのですよ」
「ほぉ〜、でも獣人族ってもともとついてますよね?」
「強調されるようになるのだよ」
「へぇ〜」
「じゃあ飲もうか」
そう言ってミズキさんは無理やり薬を飲ませてきた。
「ングッ!!」
いきなりの事に思わず飲み込んでしまった僕は……
「はぁ……はぁ……」
発情してました。体が熱くなって溶けそうになる。
「はぁ……はぁ……」
この状態はだいたい30分間続き、俺は床で死んでいたのだった。
俺が意識を取り戻してからはカナデという違う方の猛烈な指導があり、夕方から本格的に仕事を始めたのだった。
「すいませーん!」
「はーい!ご注文はお決まりになられましたでしょうか?」
「えっと……このオムライスランチ合言葉付きをおねがいします」
「はい!ご注文はオムライスランチ合言葉付きの一つでよろしいですね?」
「はい」
「できるまで少しばかり時間がかかりますのでごゆっくりください」
こんな対応を何回もして、夜の9時ぐらいに仕事が終わったのだった。