8話 仕事?自宅警備員ですが?
次の話もまだ少し期間空きそうです。すいません。
チョココロネを食べた俺はベタベタになった手を洗いに行く。
「舞ちゃんの小さなおてて……」
明希さんが何やら怪しい言葉を発していたがこの際無視することにした。
手を洗った俺は自分の部屋に行ってゲームを始める。
視界が切り替わるとそこは宿だった。
「よし、狩りをしに行くか」
俺は草原へと出陣する。
「狩りの時間じゃ〜!!」
俺は血液魔法で鎌を作る。
「死神舞ちゃんだぞ〜」
………自分で言って恥ずかしくなってきた。
「とにかく出陣じゃ!」
俺は気を紛らわせるためにモン○ンのケ○ビみたいなやつに走っていく。
「せいっ!」
鎌を振りかざすとそのケ○ビもどきは首から上が飛んで光に変わる。
「切れ味抜群だね」
俺は手元の鎌を見てそういう。
「よっしまだまだ狩るぞ」
その後俺の狩りは小一時間ほど続き、俺のレベルは6になっていた。
街に帰ると俺は仕事を探す。
お金は必要だからね。
「なにか良いアルバイトは〜」
俺はアルバイト募集の看板を見て回る。
「おっこれ良いかも」
手に取ったのはメイド喫茶のチラシ。
「でも恥ずかしいしな……」
「そのアルバイトに興味があるの?」
後ろで声がしたので、振り返ってみるとそこには獣耳メイドがいた。
「あ、まぁ……」
「じゃあ一回お試しできてくれない?勿論アルバイト代は出すよ?ね、どう?」
「えっと……じゃあ」
「良いの?ありがとう!」
そんなに従業員が足りなかったのか……。
「じゃあ明日の12時に噴水の前集合ね」
「はい」
「じゃあまた明日ね」
「はいまた明日」
そう言って獣耳メイドと別れた俺は前と同じく宿を取ってログアウトする。
「現実での俺の仕事は自宅警備員なんだよな〜」
「それを世間一般ではニートっていうのよ」
「まだ俺はニートって呼ばれる歳じゃない!」
「じゃあ引きこもり。またの名をニート予備軍」
「ぐはっ……!」
俺の精神に大ダメージが……。
「そんなことより早く晩ごはんにしましょ」
「あっ、もうそんな時間?じゃあ急いで食材買ってこないと」
「えっ?料理できたの?」
「伊達に一人暮らしはしてないよ」
「へぇ〜」
「な、なに?そのにやけた顔」
「良いお嫁さんになるなーと」
俺は自分が誰かと結婚し、夫のご飯を作っているところを想像して鳥肌が立った。
「もうやめてよ。精神的には男なんだから。それに元男がお嫁さんって嫌だろ?」
「貴方は可愛いから大丈夫よ!」
「か、かわ……」
多分俺の顔は今茹で蛸のように真っ赤であろう。
「あらあら照れっちゃって可愛い」
「もう!!出てって!!」
俺は近くにおいてあった枕を投げて姉を部屋から追い出した。
「お嫁さんか……」
俺が呟いた言葉は窓の外に吹く風と一緒に消えていった。
ブクマ・評価をお頼み申す。
舞の小学生の頃のお話
「なぁ舞って女体化って知ってる?」
「ん?体が女の子になっちゃうアレのこと?」
「そうそれ」
「でも現実には起こらないでしょ?」
「わからないぜ?もしかしたら将来お前が女になってしまうかもしれないんだぜ?」
「ないない」
「まっ、そうだよな〜」
「そうだよ」
そうして彼らはこの昨日のアニメへと話題が変わっていく。
後に本当に女体化してしまうということも知らずに。
フラグが立っていたようですね。