上位種?
「まだ距離はある……? マリー! 今吠えたモンスターとの距離はわかるかい!?」
「……正確にはわかりませんけど、まだ距離はかなりあると思います! ただ……ラーウルフの遠吠えより大きかったような……?」
「距離があるなら、一旦ここから離れよう! ラーウルフの毛皮は放置! 魔石だけ回収して馬車に乗り込んで!」
グリュエールが指示を出すと、マリーとモーティマは大急ぎで魔石を回収。
すぐに皆、馬車へと乗り込んだ。
「よし、行くよ。マリー、この森はどれくらい続くかわかるかい?」
「そうですね……今の馬車の速さだと、半日くらいはかかると思います」
「半日かい……暗くなるかもしれないね。ちょっと馬には無理させちゃうけど、速度を上げて森を抜けちゃおう」
「ねえねえ、さっきの場所で倒しちゃえばいいんじゃないの?」
グリュエールは逃げることを考えてるけど、僕の魔法ならちょっと大きいラーウルフくらい倒せると思うんだけど……
「ウルの魔法を使えば簡単に倒せると思う。だけど、被害があるかもしれない」
「被害?」
「ラーウルフより大きいってことは、上位種のラージウルフの可能性がある。もしラージウルフなら、かなりの数で群れを成しているはずなんだ」
「それってどれくらいの群れなの?」
「ラーウルフが最低でも二十匹はいるだろうね」
「それくらいなら魔法で倒せると思うけど……」
「オークの時みたいに、全部が正面から来てくれればウルの魔法で簡単に倒せるよ。ただ、森の中でどこから飛び出してくるかわからない。それを全部倒せるかい?」
「あ、うーん……無理かも」
「でしょ? だから戦うとしてもせめて森を抜けて、平原で戦いたいんだよ。この馬にケガでもされたら、移動が大変になっちゃうからね」
そっか。馬のことまで考えてあげなきゃいけないんだ。
馬がケガしたら歩いて移動しなきゃいけなくなるもんね。
「マリーは後ろを警戒して。もしラーウルフが見えたら矢を射って」
「わかりました!」
「モーティマはウルを持って。ウルは当たると思えば魔法を使って倒して」
「おう」
「うん、わかった!」
「ウル、なるべく強すぎる魔法は使わない様にしてね。街道が壊れちゃうと大変だから。後、火炎魔法もあまり使ってほしくないかな。火事になると困るからね」
「さっきみたいに“ウインド”とか使えばいい?」
「そうだね。ただし、危ないと思えば強力な魔法を使ってもいいよ。先に相談してもらえると助かるけど」
「わかった! 強い魔法を使う前にはグリュエールに相談するね!」
「よし、じゃあちょっと速度を上げるから、皆気を付けてね!」
デコボコした道で馬車の速度が上がったから、けっこう揺れる。
これだけ揺れてると狙って撃つの大変かも……
僕は連続で魔法を撃てば当たるかな? でもマリーは弓矢だし、この揺れの中じゃ当てられないよね……
もし追いつかれてきたら、僕がやっつけないと!




