僕とグリュエール②
「それで僕を叩き壊すつもりなの!?」
金槌みたいな物を持ってきたグリュエールに抗議する!
僕は硬いからそんな簡単に割れたりしないと思うけど、壊すつもりで叩かれるのはちょっと怖いし。
「あ、違う違う。そうだよね、ごめんね。これは硬度を量れる魔道具なんだ」
「魔道具?」
「そう。ほら、ここに画面があるでしょ? ここに数値が出てきてどれくらい硬いのかわかるようになってるんだよ」
「へー、そんな物あるんだね」
金槌と柄の間くらいに「0」と表示されてる。
きっと叩いた物の硬さがあそこに出てくるんだね。
魔道具かあ。確か魔王城にも色々あったと思うけど、僕はあまり詳しくない。見る機会もなかったし。
「だからこれで叩いてみていいかい? そんな強く叩くわけでもないから」
「うん、それならいいよ」
「それじゃ、行くよ!」
グリュエールが僕に金槌の魔道具を振り下ろす。
コツンと僕に当ててから、グリュエールは数値をジッと見てる。
「え? まだ上がるの? あ……」
___ボンっ___
「えっ!? なに、どうしたの!?」
グリュエールの持ってた魔道具が爆発した!
「……壊れた」
爆発したって言っても、魔道具が壊れただけで周りに被害はない。
けど、魔道具って基本的に高価な物が多いよね。
僕が壊しちゃった……?
「ごめんね? 僕が壊しちゃったのかな……」
「いやいや、いいよ。しょうがない! この魔道具で量れないくらい硬いってことでしょ。それに必要経費だって言ってイリーシスに請求するから問題なし!」
イリーシス……ギルド長だよね。
これはギルド長に謝った方がいいのかな。
「よーし、次行ってみよう! 今度はこれ!」
何か液体の入ったビンを持ってきた。
「これで調べるのは……」
そのあともグリュエールは色々な道具を持ってきて僕の事を調べてた。
僕は見てるだけだし、特に何もしないでぼーっとしてるだけ。
なにかに反応して光る液体とか、音が鳴る魔道具とか色々試してたけど……
僕にはもう何をしてるのかまったくわからないや。
「ウル! 君は凄いよ! どうやったら君を作れるんだい!?」
「えっと……何が凄いの?」
「君にはミスリルもオリハルコンもアダマンタイトまで使われてる! そんな珍しくて希少な鉱石を混ぜ合わせて作られているんだ! ちょっとでも比率を間違えればきっとだたのガラクタになっちゃうような……そんな繊細な技術で作られているんだよ! 君を作った人は天才だ! 誰だい! 紹介してくれないかい!」
グリュエールが興奮してる。
ちょっと怖いくらい興奮してる。
「僕を作ったのはエディさんだよ。魔族だけど……さすがにもう寿命で死んじゃってると思うよ」
「寿命……そうだったね。君はかなり昔に作られていたんだった……」
今度は物凄く落ち込んだ!
忙しいよ、この人!
「僕も作られてからの出来事は覚えてるけど、その前のことはわからないんだ。ごめんね」
「いや、それもしょうがない……でもこれで漆黒の刃になるのか。それならあれも……?」
またブツブツと独り言……
グリュエールが僕のことを調べ始めてから、かなりの時間がたってる。
外はもう真っ暗を通り越して、ちょっと明るくなり始めてる。
僕は寝なくても大丈夫だけど、グリュエールは平気なのかな。
「まあいいか。よし次はウルの溢れ出る衝動について調べようか!」
「うん! 僕もそれが知りたい!」
「よし、じゃあイリーシスの所に行くよ!」
グリュエールは僕を持って立ち上がり、そのまま出て行こうとする。
「え? 今から? まだ一の鐘が鳴る前だよ!?」
僕がそう言った直後に一の鐘が鳴り響いた。
「ほら、もう鳴っただろ? じゃあ大丈夫だね。冒険者ギルド行くよ!」
ギルド長ってこんな朝早くから冒険者ギルドにいるのかな?
それになんでギルド長に会いに行くのかもわからないけど……




