表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元魔王の剣  作者: 鵙来 蜜柑
43/210

マリーとギルド長③

 マリーが僕を鞘から抜くと、あの感情が溢れだしてきた……!

 斬りたい。切りたい。斬らせろ。

 違うよ。待って……ダメだよ……


「ウルさん?」


「ウル!」


 さっきは話してくれたじゃん……! 聞いてよ!

 ああ、でも斬りたい……

 なんだ、あいつ。変な目でこっちを見やがって。

 斬っちまうか?

 ……違う! 斬っちゃダメだんだって!


 ___カチンッ___


 なんで……なんでちゃんと話してくれないの!?

 ねえ、さっきは会話したじゃん!


「ウル? 大丈夫?」


「……大丈夫。またあの感情が湧きあがってきただけだから。……耐えられたよ?」


「うん……」


「ウルさん……ウルさんのことを詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか」


「いいよ。何が聞きたいの?」


「ウルさんがどうやって知識あるアイテムインテリジェントアイテムになったのかを」


「僕はね……」


 マリーにも話したことと同じ話をギルド長にもしてあげた。

 魔族領で僕が作られてから、魔王様が死んじゃって……それから何百年もたってから意識が芽生えたこと。


「魔族領……魔王討伐は文献で読みましたが、確か四百年以上昔の話ですね」


「そうなんだ……」


 魔族の寿命は大体二百歳。四百年も前だったなら、僕の知ってる人はもう皆いなくなっちゃってるね……


「それにしても、魔王がそんな方だったとは……」


「え? 魔王様ってどんな人だと思ってたの?」


「悪逆非道で人族の天敵。人間を見つければ考えうる苦痛を与えてから殺し、死した後もゾンビやスケルトンとして使役する……」


「……誰の話?」


「私が読んだ文献には魔王についてそう載っていました。でもウルさんの話を聞くと別人ですね」


「うん、そんなことする人、魔族の中にはいないよ!」


 なにその文献! ウソばっかじゃん!


「わかりました。ウルさん、もう一つお尋ねしてよろしいですか?」


「うん、なに?」


「先程、あの感情と言っておられましたが、どのような感情なのですか?」


「えっとね、たまになんだけど、鞘から抜かれた瞬間に斬りたいって衝動が湧きあがってくるの」


「たまに……ですか?」


「うん。さっきみたいに激流の様に一気にくるのは三回目だったかな?」


「その三回はどんな状況でした?」


「最初は、僕を拾った盗賊の人が抜いたとき。次がマリーがダンジョンに入って、途中でイゾウと会ったとき。で、最後が今さっき」


「なるほど。その盗賊というのはどんな方でした?」


「ボサボサ髪のクルトっていう人間だったよ」


「そうですか。マリーさんがダンジョンでモンスターと戦ってる時にはその感情に襲われなかったのですか?」


「うん。無かったよ。あ、でもモーティマと一緒だった時には、なんかモヤモヤする感じはした!」


「ふーむ……なるほど。

 ウルさんとマリーさんは呪われた魔剣というのはご存じですか?」


「え? なにそれ」


「えっと……聞いたことありません」


「世の中には、呪われた魔剣と呼ばれる剣が存在します。それらの刀身はすべて漆黒になっているという話です」


「「えっ!?」」


 マリーが僕を見つめる。

 僕って呪われてるの? 呪いって……もしかしてあの声が……?


「ただ、今のウルさんは呪われていないと思います」


「え……なんだ、ビックリさせないでよ」


 漆黒の剣が全部呪われてるわけじゃないんだね。ビックリしちゃったよ。


「呪われた魔剣ですが、ここ王都にも一本存在しているんです。私は依頼でそれを『鑑定』したことがあります。その時の鑑定結果で名称が、呪われし魔剣と出ていたのです」


「あ、じゃあ僕は……」


「ウルさんは魔剣:ウルと出ているので、おそらく呪われていないのでしょう」


「良かった……それなら」


「ですが、先程マリーさんがウルさんを鞘から抜いた時も『鑑定』を使っておりましたが、鞘から抜かれている間だけ、文字がおかしくなり読めなかったのです」


「えっ!? それって……どういうこと?」


「私にもわかりません。こんなことは初めてだったので……」


 結局……僕は呪われているの?

 でも呪いなんてかけられた覚え、ないよ。

 しかも鞘から抜かれてる時だけ……?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ