死んでもあなたを離さない
彼氏「お前って本当に俺のこと好きだよな」
彼女「ええ、好きよ」
彼氏「俺が別れたいって言ったらお前はどうするの?」
彼女「迷わず、殺すわ」
彼氏「えっ?・・・・・・・・・・じゃあ、俺がもし浮気したらどうする?」
彼女「浮気相手もろとも殺すわね」
彼氏「ははっ・・・・女友達と遊びに行くのは?」
彼女「半殺しね」
彼氏「・・・・じゃあ、逆にお前が浮気したら?」
彼女「絶対にしないわ」
彼氏「いや、もしもの話・・・」
彼女「もしもへったくれもないわ。そんなことありえない」
彼氏「・・・・」
彼女「絶対にありえないわ」
彼氏「分かった・・・・・・・もし俺が死んでしまったら?」
彼女「蘇生魔法つかうわね」
彼氏(生き地獄だな・・・・)
・・・・という、彼氏がバイオレンスな彼女の束縛に苦しみ悶える恋愛物語。
『死んでもあなたを離さない』
というドラマを勇者と二人で見ていた。
勇者「何このヒロイン?!サイテーね!束縛なんて虚しだけなのに‼︎」
俺の膝の上に頭をのせ、ピザを頬張りながら、テレビにむかって文句を言っている勇者。
膝の上はチーズ塗れだが、ソファーや絨毯が汚れるよりはマシなので、それに関しては俺は何も言わない。
と言うより、いつもの事だからもう慣れてしまった。
椿「このヒロイン、ファレンにそっくりな気が・・・・」
それを聞いた勇者は、机の上にあるピザに手を伸ばすのを止めて、俺を睨んだ。
勇者「失礼ね!私をあんなのと一緒にしないで!」
と、口元チーズだらけの勇者がそう言うので、俺は質問してみた。
椿「じゃあ、俺が別れたいって言ったらどうする?」
勇者「キ○タマ握り潰すわね!」
椿「・・・・・・・・・」
俺は自分の尻尾を引っ張り、サキュバスの姿になった。