コタツムリ~炬燵の中のDream~
コタツムリは、炬燵が大好き。
もこもこもこ。
今日も炬燵の中に潜り込む。
カタツムリのように、小さなおうち。
炬燵を背に、潜り込んでチョロっと上半身を出した姿がカタツムリに似ている事から、これを「コタツムリ」と呼ぶ。
手元には、甘いおやつと、塩辛いお煎餅と、紅茶葉を牛乳で煮出した、ホットロイヤルミルクティー。
……と、冷たいほうじ茶。
冷たいほうじ茶はオマケで、ホットロイヤルミルクティーのコテコテ感に飽きたら、一口飲む為に。
ごろ寝マットも敷いてあって、完璧。
コロンと転がって、スマートフォンでWeb小説なんかを開いてみる。
もふもふもふ。
甘いおやつを頬張りながら、空想の世界に身を踊らせる。
ほっこりするような物語。
わくわくする冒険譚。
物悲しい心のテーマ。
炬燵の中で、ふんわり温まるお尻の気持ち良さに、Web小説の文字は子守唄に早変り。
……ああ、もうちょっと待って。
今、良いところなの。
なんて思う間もなく、瞼はいつの間にか降りてきて、夢の中へ、夢の中へ……。
がつっ!
痛っ~い……!
スマホアタックされた。
力が弛んで、自分の上部に持っていたスマートフォンを落としてしまい、顔の上へ落ちてきた。
これを俗に「スマホアタック」という。
コタツムリは、今日も炬燵の中に潜り込む。
幸せいっぱいの炬燵の中には、夢がいっぱい。
平和な夢。たゆたう時間の中を流れる夢。
心穏やかな、この時間は、私の宝物。
冬の間だけにある、炬燵Dream。
ネコがいたら、もっと良いのに……。
私はコタツムリ。
甘いおやつ、塩辛いお煎餅の空の袋を周囲に散乱させて、飲みかけのロイヤルミルクティーとほうじ茶を倒さないように、少し離して置いて。
今日も、お昼寝を満喫中。