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スケッチ

作者: 空乃 千尋

 アスファルトの窪みに溜まった水

 流れることはなく

 渇くのを待っている


 雨は止んでいた


 鏡のように静かな水面

 揺らぐことはなく

 そこに映り込むのは


 空を見上げた


 幾層にも連なった雲

 その断層を染め上げる

 太陽の色


 空はまだ青い


 まっ黒な霞が覆い隠した夕日

 それでも確かにその在処を

 広がる黄金色が示している


 地平線の上


 一層に明るい山吹色の中

 浮かび上がる山の影

 きっとその先に


 でも


 次第に赤みが強くなる

 次第に青さがくすんでいく

 刻一刻と


 消えてしまう前に


 住宅の群れを抜け

 交差点を越えた

 ここは街一番の高台


 視界に映るのは


 崩れて行く風景

 赤黒く染まった雲が

 音もなく燃え落ちて行く


 でもその瞬間すら――


 昼と夜の境に

 空は紫と灰色に染まっていく

 依然太陽は姿を隠したまま


 「明日、天気になぁれ」


お読み頂いた方、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 雲が燃え落ちるという表現が、とても好きです。 私も空が好きで、仕事帰りなどいつも見上げています。 夕暮れの空が刻々と変化していく様子は、本当に綺麗ですね 水溜まりに写り込む空が変化し…
2015/07/04 23:43 退会済み
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