続 神様から時間軸調整してと頼まれたので平凡な私が少し物語に干渉してくる!!
またまた投稿失礼します。
今回は婚約者の話
「ごめんね、エルビィーナ・・・私は君を置いて逝ってしまう」
「だめよ、サンタール あなたがいない世界など生きていても仕方ないわ」
男が涙で濡れた女性の頬に触れながら話、女はそんな男に向けて精一杯の愛を話しながら懸命に出血を抑えようと回復魔法をかけるが、内部組織が複数断裂しているため血はなかなか止まらず、血は未だ流れ続け男の頬は次第に青白くなり始める。
「きみが・・・私のために焼いてくれた・・・ビィのパイはとても美味しかった」
「えぇ、あなたが喉に詰まらせながら食べてくれて私はとてもうれしかったわ」
「・・・ヨル・・・メルの泉・・・にも・・・出掛けたね・・・」
「あなたが私に初めてプレゼントをくれたことも覚えているわ」
懐かしいなと男が語り、女は涙を流しながら微笑みを浮かべながらそれに相づちを打つ。
男の出血は止まったが、未だに危険な状態は続く。
女は自身の魔力がつきても愛する男を助けるため呪文を続ける。
なぜ、こんな状態になったのだろう・・・
私が遠乗りなど出掛けなければこのような事態にはならなかった。
私と彼サンタールは親が決めた許嫁だった。
だけど彼の優しさと誠実さに、彼は私の笑顔と頑固なところ惹かれたと話した。
数回の逢瀬を楽しみ、新たな魅力に気づくごとにどんどんと惹かれ続ける。
今回の遠出を経て私たちは数週間後に結婚をする。
そう思っていた・・・
『雨足が早くなってきた、ここをすぐに離れようエルビィーナ』
『まぁ、大変だわ急いでここを片付けるわね』
私たちが来たのはトウルミの森を抜けた小高い丘にある花畑でのピクニックだった。
昼食が終わった後に急に雨が降り急ぎ雨が当たらない所まで来たのだが、雷も伴いここでは危険だと判断し離れようと馬で駆ける。
ヒイィィィン
突然、雷が近くの木に落雷し馬が驚き、私たちは森の崖に落ちてしまった。
そして、彼は私をかばい鋭い枝たちに身体を突かれ、彼の身体から夥しい量の血が出ていくなかで、私の魔法で回復を図るが何時迄も持つものではない・・・
「すま・・・ない・・・エル・・・ーナ・・・きみと・・・・・・」
「あぁ、だめよ死なないでサンタール 神よ、彼を彼を助けて下さい、私の命などいらないから彼を・・・彼を!!」
「その願い聞き届けたわ、安心なさいこの坂崎都があなたの悩みをばっちり解決」
私の目の前に黒髪と紺の布を靡かせた少女が立っていました。
どこから現れたのか、どんな人物なのか今の私にはどうでも良いと思いました。
彼が生き返るのであれば、どんな人物でもかまわない・・・
「お願いします、彼を助けて下さい!!」
「OK、OK 任せなさいこの瞬間が起こる前に全てを元に戻してあげる」
少女は何もない空間から杖を出し、ウィンクをしながら笑顔で私の願いを聞き届けて下さいました。
「あぁ、天使よ感謝致します」
「私は天使ではないけど良いわ、じゃあサンタール、エルビィーナ両名の人生巻き戻し決定!!」
強い光があたりを照らし私は周りを見ることも困難になり瞬間的に目を閉じた。
「エ・・・・・ナ、エ・・・ィーナ、エルビィーナ起きてくれ!!
今日は天気がいいから遠乗りにはもってこいだ」
「えぇ、そうねサンタール・・・でも今日は遠乗りではなく近くの花園で共に過ごさない?
なんだか嫌な予感がするの」
私はどうしてか居眠りをしてしまっていたらしく、サンタールに優しく起こされたのだけど・・・
前日まで楽しみにしていた遠乗りが急に不安になってしまい私は咄嗟に彼に進言する。
彼は疑問に思ったかもしれないと怖くなり俯くと彼は私の手を取り甲にキスをしてくれた。
「君が不安になるのであれば、僕は行かないよ 僕は君とともに過ごせたらどんな場所でも構わない」
「ありがとう、サンタール」
そんな彼女たちを別の屋根から見つめる影が3つある。
「いやぁ、今回もなんとか巻き戻り成功だね」
「だから主は行動が遅すぎる!!今回はレッシュドの町にある菓子が食べたいと言って監視を怠ったからこのような事態になったんだ」
「自業自得」
1人は黒髪と紺のセーラー服を身に纏った少女、坂崎都
もう1人は銀の鱗を持つ竜 銀蔵(都命名)
最後の1人は次元の境目で迷子になっていた髪、瞳、爪が青い子供 蒼霧(これも都命名)
彼女らは神から物語に大切なキャラクターが不意に死んでしまった際に時間を巻き戻し、物語が途切れないよう見守る役目を担っている。
「まさか、彼らが魔王討伐隊の窮地を救う商人貴族だとわねぇ」
「こんどこそ次のものはしっかり監視するんだぞ主!!」
「分かってるわよ銀! まぁ何とかなるわよ」
「監視重要」
彼女らは今日も違う場所、違う次元で物語のキャラクターを巻き戻す。
この子たちが神様から頼まれる話とかってあれば良いですかと迷ってしまいます。