のじゃー! えくすぷろーじょん!
「あっつい! クーラークーラー!」
玄関を開けると鍵を急いで閉める。
冷房のリモコンを探し出し、26度に設定して起動!
扇風機を起動する。
あ"ーずずじい"-。
俺が扇風機で涼みつつ麦茶を飲んでいると、玄関の鍵がガチャリと開く音がした。
あいつが帰ってきたんだろう。
「ただいまー! あづー」
「お"-がーえ"-り"ー」
「うーん、まだぬるい! ちょっとあんた扇風機貸しなさいよ」
帰ってきたのは奈美。俺の自慢の彼女だ。
手にスーパーの袋を持っている。
料理が上手い、美人、幼馴染。大学の成績もいい。
非常に良い彼女を我ながら貰ったと思う。
扇風機を奪われたのでクーラーの風を直接浴びる。
奈美は良い子だ。だが、俺のタイプは違う。
俺はロリが好きなんだ! 出来れば「のじゃー」とか言うタイプがいい。
奈美は確かに綺麗だが、美人であってロリではない。大人びた雰囲気がするし胸も結構ある。
まぁ、贅沢な悩みだとは思うんだけどさ。
その日の夜、夢を見た。
『……よ、私の声が聞こえますか」
「な、何だぁ!?」
『私は神。貴方の望みを1つ叶えましょう』
「神!? なんで俺なんかの望みを?」
『それは尺の事情で説明できません』
「お、おう……」
『どうしますか? 望みを言いなさい。望むなら〇耳猫にでも連れていきますよ』
「そうだな、彼女をのじゃロリにしてほしい!」
『よろしいのですね』
「あぁ!」
『では、目を覚ましなさい……』
誰かにトントンと肩を叩かれる感触がする。
奈美かな? 珍しいな。俺より先に起きるなんて。
「……る……」
「おう……」
「起きるのじゃ!」
「……のじゃ?」
目を覚ますと、目の前にロリっこがいた。
……奈美か?
いや、見た目は違うが奈美だ。
昔の奈美の姿だ。口調がのじゃのじゃしてるが。
「奈美か? その恰好は……」
「わからないのじゃ!」
「そ、そうか……」
ふと、夢の事を思い出す。
まさか、本当に夢が叶った?
「キャァーー!」
「な、何なのじゃ!?」
「隣のセツさんだ! ちょっと様子を見てくる!」
俺たちのアパートの隣の部屋には、セツさんという80後半のおばあちゃんが住んでいる。
その隣の部屋から悲鳴があがった。何かあったら大変だ。
とにかく様子を見に行こう。
「どうしました! セツさん!」
「へ、変なのじゃ!」
……のじゃ?
ドアを開けたセツさん。
そこには白髪でシワシワのセツさんはいなかった。
おかっぱ頭のロリっこがそこにいた。
「朝起きたらこんな姿になっていたのじゃ!」
「まさか……セツさん?」
……昔の写真を見せてもらった時の顔がこんなんだったな。
本当にセツさんなのか?
まさか、セツさんものじゃロリになってしまったのか?
「大変じゃ!」
隣の部屋、俺の部屋から奈美が出て来た。
奈美は外を指さした。
そこには1人のロリ……いや、あれは管理人さんか?
まさか、どんどん回りの人がのじゃロリに!?
翌日、のじゃロリの波は町中に広がった。
町中の人がのじゃのじゃ言い始めた。
ロリっこがいっぱい。天国だ!
いや、そんなことを言っている場合ではない。
その翌日。隣の町も、その隣の町もほとんどの女性がのじゃロリになった。
……これって天国じゃね?
しかし、何でだろう。俺の願いとは違うよね? これ。
一週間が経過した。
朝、のじゃロリの奈美に起こされるのが日課だ。
これは至福だ。
ちなみに大学は軒並み休休講だ。
「大変なのじゃ!」
「うーん、どうした……のじゃ?」
のじゃ?
自分の語尾に違和感がする。
奈美が、鏡を持っている。
恐る恐る鏡を見る俺。
そこには、ロリっこが映っていた。
まさしく、俺だった……。
それから一か月。
男すらみんなのじゃロリになった。
これが、日本の少子化の原因である。
勢いで書きました
宜しければ他の連載や短編もよろしくお願いします