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Agape  作者: チリペッパー(赤暖)
プロローグ
3/3

異世界召喚

僕は走る。廊下を走り階段を走って降り、自販機の前にたどり着く。


「はぁ…はぁ…はぁ」

完璧だ。考えうる限りの最短ルートを通った。後は、このままジュースを買うだけ


「えーっと…確かドクパ、ココ・コーラ、やーいお茶だったな…」


ドゴン!――ドゴン!――ドゴン!

落ちてきたペットボトル3つを手に取り教室に向かう。途中、校舎の中の時計を確認すると6分程経っていた。このペースだと間に合いそうだ。


「はぁ…はぁ…」

一階から三階まで階段をダッシュで駆け上っていく。凄い疲れる。全身に汗をビッシリかいている。

まだか。まだ三階は来ないのか…時折、小休止しながらも再びダッシュで駆け上る。そんな作業をして遂に三階に着いた。


「やった…」

よし!後は教室に入って鶴賀君たちにジュースを渡せば僕はもう自由なんだ…

廊下を疾走した僕は遂に教室の扉を視界に納める事が出来た。気分が高揚していた僕はそのまま扉を開け教室に足を踏み入れた。


――――ポンっ


「え!?」

ドアを開けた瞬間、頭上から黒板消しが降ってきて僕の髪を白く染める。

必死になりすぎてて気づかなかった。こんなトラップに引っかかるなんて…小学生か僕は…。まあ良いや。笑われても早く帰りたい。髪のチョーク粉をポンポンと叩いて鶴賀君たちを探すが教室には誰も居なかった。


「なんで?」

どういう事だ?もしかして帰った?ジュースを置いて?有り得ない。いや、お金は払ってないから有り得るか?…もしかして僕に御遣い行かせてその間に帰って放置


「なんて奴らだ…」


「お待たせ勇人」

途方に暮れていると用事を終えた舞が戻ってきたみたいだ。


「あ、舞…うん。帰ろうか。」


「そのジュースどうしたの?なんで3つも持ってるの?」


「あ…これは――」


「それに髪に黒板消しの粉が付いてる。…そしてドアの前に黒板消しが落ちてるけど」


「鶴賀君たちに頼まれたんだよ。黒板消しはトラップに引っかかった。でも鶴賀君達がやった証拠は無いよ…」


「……分かった。鶴賀達(ゴミ)はどこに行ったのか分かる?」


「分からない。多分、帰った?かもね。」

というか今なんて言った?…ゴミ?


「そう。分かった。明日、私がゴミを処分するわ。」

処分?舞ってこんな口悪かったけ?


「もう良いから。帰ったなら帰ったで良いしジュースだって家で冷蔵すれば無駄にならないよ。舞が飲みたければ飲んでも良いよ。」


「私はそういう事を言っているのではないの。勇人をパシリにしたり嵌めたりする鶴賀達(ゴミ)を許せないの。」


「いや、僕の事は良いから!本当にもう関わらないでよ!大丈夫だって言ってるじゃないか!舞にいつ助けなんて求めたの?求めてないでしょ!!なのに舞はいつもいつも…、僕は一人でもやって行けるから放っておいてよ!迷惑なんだよ!!」

駄目だ。情けなさ過ぎる。一人じゃ何も出来なくていじめられて、女の子に助けてもらうなんてね。その上、今みたいに舞に当たって馬鹿みたいだ。本当に僕はゴミだ。


「ッ!……ごめん…な…さい。わたしは…ぁ……ただ、はやとの役に立ちたくて……めい…わ…く……掛けてる…の……きづか…な…か……た」

!!

舞が泣いていた。目から涙を流している。


「え?……あ、ご…ごめ」


「勇人?舞?良かったぁ~まだ帰ってなかったんだ。一緒に帰ろうぜ!…あれ舞なんで泣いてるんだよ?」


「あ…誠。実は」


「私が悪いの。」

流れてる涙を手で拭いながら返事をする舞、泣き顔だが口調だけは普段と変わらない。


「そうなのか?」

誠は、僕の目を見て問いかけてくる。あぁ、僕が悪いんだ。僕が助けてくれる舞に当たってしまった。


「いや、僕が全部悪いんだ。ごめん舞。」

今度は僕が舞の目を見て謝る。舞は赤く腫らした目で僕の目を見るとまた涙を流し始めた。


「…うぅ…」


「ちょ、なんで泣くんだよ。謝っただろ!」


「だって…だって勇人がもう怒ってないって分かったらなんか安心して」


「なに言ってるんだよ」


「ぷぷ…フフフフフ、ハーハハ!!」

いきなり誠が笑い出した。どうしたいきなり?気持ち悪いな。


「どうかした?いきなり笑って気持ち悪いんだけど」


「いや、わりい。お前ら仲いいなって」


「ん?当然だろ。僕達、小学生の時から一緒なんだよ」


「まぁ、そうだけど、それでもって事だよ」


「なんだよ…それ」


「てか、気になってたんだけどよぉ。なんでジュース3つも持ってるんだよ。のど渇いたし金払うからくれよ。」


「私も買う。やーいお茶が良い。」


「うん。良いよ。誠は何にする?ドクパかココ・コーラだけど」


「勿論、コーラだぜ!!」

うん。やっぱりね。ドクパが残るよね…。苦手なんだよなこれ


「…フフ」


「なに引きつってるんだよ勇人…もしかしてドクパ飲めないのか?」


「苦手なんだよね」


「なんで苦手なジュース買ってんだお前は!仕方ねえな、ほら俺のコーラ!ドクパと交換してやるよ!」


「ありがとう」


「なぁ~に、勇人の為なら人肌脱ぐぜ俺は!」


「なんか怖いね」


「誠、今朝も言ったけど勇人の嫌がる事は――」


ビリビリビリッビリビリビリッ


「なんだこの音は!?」

青白い光が突如発生し、電気のような音が教室中を駆け巡り、反響し爆音を生み出していた。


「なにこれは?」


「ッ!!勇人!舞!足元を見ろ!魔方陣だ!お前らの足元に魔方陣がある!」

魔方陣?そんなアニメな物あるわけないだろ…って本当にあるぅ!????


「なにこれぇぇぇえええええ!?」

良く見ると僕の足元に魔方陣が展開されている。同様に舞にも魔方陣が展開されており現在、二つの魔方陣が教室に存在している。誠の所には現れてないみたいだ。


「なにが起きているの?」

視線をキョロキョロしながら様子を見てた舞が言葉を発する。


「なにこれええええええ!!」


「だまれ勇人、落ち着け!」

なにこれ????僕はここで死ぬの?怖い怖い怖いあ~!!!どうすれば?僕はどうすればぁぁぁぁあああああ!!??


「勇人!!」

舞が僕を抱きしめてきた。はぁはぁ…でも全然落ち着かない。




そこで僕の意識が途絶えた。

文章力が欲しいです。次回から異世界編。

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