少女と恐怖の森
今日の天気は晴れ、そんなお日様の下、森に囲まれた小さな家から一人の少女が出てきました。勢いよく家から飛び出し鼻歌を歌いながら森の奥へと行きました。
そんな少女が恐怖を味わうのに、そう時間はありませんでした。
「お母さん行って来ます!!」
そう言って家から出てきた10歳ぐらいの少女、少女は鼻歌を歌いながら歩いていた。
「どこまで行こうかな~」
一人呟きながら少女は辺りを見回した。
「?」
少女の視線の先には少年がいた。一瞬目が合うと少年は後ろを振り向き去っていった。
「あんな子、この森にいたっけ?」
少女は不思議に思いながらも森の奥へと歩いていった。
「ここで食べよう!」
そう言うと少女は敷物を敷き、その上に座ってサンドイッチを食べた。
「お母さんの作るサンドイッチはおいしいな~」
帰る支度をしていたらまた少年がいた。少年は少女の方を見向きもせず森の奥へと歩いて行った。
少女は立ち上がると、少年が歩いて行った森の奥へと行った。
あれから数時間が経った。
「どうしよう…すごく奥に行っちゃった…行く最中は分かれ道だったし、出口を探さないと」
空を見上げればオレンジ色の夕日、少女は急いで来た道を急いだ。
「分かれ道…どっちが本当の道なの?」
「分かれ道」
「分かれ道」
「出口は…森の出口はどこ?」
少女が呟く。すると少年の声が聞こえた。
「僕が教えてあげる」
少女が声のする方を見ると、そこには少年が立っていた。
「おいで…おいで…僕が肝を出口まで案内してあげる…でも、そう簡単には出られないからね?…」
そう言って手を差し伸べてきた手を少女は掴んだ。
(…そんなところまで行っていたんだ)
少女はそう思いながら少年と出口に向かうことにした。
少年と歩き続けて約数分。空は暗闇になり、ずっと細い道だったのが大きい広間に出た。
「ここで待ってて…決して動いてはだめ」
そう言い残して少年は広間の中心にある小屋に入っていった。
数十分。少年は小屋から出てくることはなかった。
(小屋…何してるんだろう)
少女は立ち上がり、小屋に入っていった。
小屋の扉を静かに開けると何かの音がした。
「…動いたらだめと言ったのに」
そう言って少年は振り向いた…手には鉈が。そして少年の背後には赤い何かが…。
「な、何…これ」
「君が見たのが悪いんだよ?」
そう言って少年は鉈を高く振り上げた。
「やっ…いやっ…いやぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
少女は咄嗟に走った。分かれ道など関係ない、ただひたすらに走った。
走っていたら暖かい光が灯った村があった。
(家だ!帰って来れたんだ)
勢いよく自分の家へ入った。
「お母さん!!」
少女が家に入るとそこにいたのは少女の母ではなく、鉈を持ったあの少年だった。
(うそっ!)
「さようなら」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
次の日。村人達が見たものは、切り裂かれ、バラバラになった少女の死体とその母親らしき死体だった。
少女と母親の親子の家には夜…少年の笑い声が聞こえると言う…。