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第二話 解体作業

 時計を見るとまだ三分ぐらいしか経ってない。

さっきから心臓がバクバクと暴れていて、すごく息苦しい。

楽園なのに苦しい。

女の人は、今コーヒーを持ってきてくれた。

「どうぞ」

カチャ

「ありがとございます」

(どもらず言えた。よし聞いてみるか)

「あ、あのお名前は?」

「安西リコです」

「リコはカタカナなんですよ」

「へ〜」

(それにしても本当にかわいい、何だか心が安らぐ。この人なら言えるかもしれない)

「あの、あなたの・・・」

「話があるんで聞いてください!」

リコの声は消された。

「あ、あの、俺は人を殺そうと思ってるんです」

「誰を・・・?」

リコは冷静だ。

「バンド仲間・・・」

「何で?」

「表では分からないと思うんですけど、裏ではいつも俺に嫌がらせというか金を取ってくる連中で・・」

「脱退すればいいじゃないですか」

「いや、そんなことしたらギター壊すとか、もっとひどい目に遭わすとか言ってて・・」

「あの、ギターって確かすごい高いやつですよね?」

(そこを聞くのかよ!)

「えっ、ああ、はい」

「かなりの高級品って聞いたんですけど」

「どこにも売ってなくて、高く売れるらしいんです」

「へぇ〜」

リコは興味津々に言った。

「あ、あのさっきの話なんですけど」

「まぁ、ムカついたからって殺すことはないんじゃないんですか」

「やっぱそうですよね」

リコはコーヒーを飲みながら何か考える。

「あの、やっぱりやったほうが・・・」

「えっ!」

俺はコーヒーを飲んでいたので喉をつまらせた。

「何でいきなりそんなことを・・?」

「だってあなたにとって邪魔なんですよね。それだったら・・・」

「やっぱり俺にそんな勇気は・・・」

「大丈夫だって、あなたなら出来ますよ!」

リコは笑いながら言った。実に不思議な女である。

「あっ、私これからちょっと用事があるんで」

 リコの部屋から出て、通りを歩き約三分経過。

(やっぱり俺の思ってたことは正しかったんだ)

リコ効果である。

(リコは本当に俺の天使か女神だ。よし、さっそく準備に取り掛かるか〜)

俺はまず何を使って殺そうか考えた。

(刃物系か・・・いや、あまり血がでないほうが)

頭の中で色々考える。

(まてよ、ライブ後に全員楽屋に集まるから・・・その時にギターで殴ろう)

頭の中で計画は決まった。(あっ、一応カッターナイフ持っていこう)

「完〜璧だぜ〜!」

ガッツポーズして叫んだ。そして辺りに誰かいないかキョロキョロ見る。

(そうだ、カッターナイフないから買っていこ)


 俺は今、気分最高だ。

手にはさっき買ったばかりのビニール袋に入ってるカッターナイフ。

(帰りにコンビニでも寄っていくか)そしてあのコンビニに入り、雑誌コーナへ行って漫画を読む。

読み始めて十分経過。

あの店員がまた見てる。

(ぬ〜気になる・・・)

気にせず読んでいたら、いつのまにか俺の隣にいた。

「わっ!」

「まだ読むの?」

「いえ」

俺は雑誌を戻しすぐ帰ろうとしたら店員が俺を呼び止めた。

「あの、君はあの女の人とどういう関係なの?」

(えっ、いきなり何なんだよ!)

「えっ、別に何も・・・」

「ふ〜ん・・・・・・」

「じゃあ・・」

俺はそう言って出た。

(まったく意味分かんねぇよ!)俺はそう思いながら歩き、家のアパートに着いた。

ちなみに俺の部屋は二階である。

「ふ〜さぶー」

(そういえばもう冬だ)

ドアを開けようとしたら、隣に誰かいた。

あの店員だ。

 「わっ!?」

店員はこっちをじっと俺を見ている。

「何か用ですか!?」

「お前、あの女の彼氏だろ?」

「はっ?違いますよ」

「うそつけ!この前二人で歩いているところをみたんだよ!」

そう言って店員はアーミーナイフを取り出し、俺に向かってきた。俺はとっさに持っていたカッターナイフを取り出そうとしたらまだケースから出していなかったので、とりあえず部屋に逃げた。

ガチャン

バタン

「待てー!」

「ちょっと待てって!」

相手は待ってくれない。

ガサガサ・・・バキ!

カッターナイフ解禁。

俺はやけくそだった。

「死ねー!」

「来るなー!」

俺はおもいっきり振った。ブシュー

顔に血が飛んできた。

「あ・・が・・かか・・」

店員の首が切れている。

店員は倒れた。

部屋の壁と床は血だらけで俺の服は赤色に変色していた。

(初めて人を殺した)

おれはすぐ服を着替え、必要なものは全て持った。

(しょうがないこの家を捨てるか)

顔についた血を洗うため洗面所に向かった。

「ふ〜疲れた」

(これからどうしよ・・)ふと鏡を見てみるとあの店員が俺の後ろにいる。

顔の近くまで来て何かつぶやいている。

「モウ、オマエハオワッテルヨ」

「ゼッタイツカマルゾ」

店員の顔がゆがんだ。

「わっ!」

俺はすぐ鏡の前から遠退いた。

(俺は絶対捕まらん!)

俺は包丁を手に取りさっそくこの死んでいる店員をばらばらにした。

辺りは血の海と化した。

(骨が硬くて疲れた・・)そして俺はビニール袋にばらばらにした手足、頭を入れた。

これで全部揃った。俺はばらばら死体が入ったビニール袋と必要なものだけを持ち家を出た。

 頼るのはリコだけだ。

とにかくリコの家まで歩いた。

(これから本当に俺の人生はどうなるんだよ)

すると前に交番があり、明かるく夜道を照らし続けていた。

交番の中を覗くと誰もいなかったので試しに入ってみた。

(中はこんな感じなんだ)辺りを見ると机の引き出しが少し開いていた。

黒い物体が見える。

拳銃だ。

そして俺は何となくその拳銃を盗った。

俺はすぐ逃げた。

ハァハァハァハァ・・・

(初めて物盗んだ・・でも俺は何であんなもの?)

もうすぐでリコの家に着くころだ。

すると前に誰かいる。

見覚えのある服だが服に血がついている。

(まさか・・・)

また店員の亡霊だ。

俺は走った。

すると店員がついてきた。もっと速く走った。

「オマエハモウオワッテル・・・」

「オマエハモウスグツカマルゾ」

「うるさい消えやがれ!」

リコのいるマンションに着いた俺はエレベータに乗った。(何なんだよ、あいつは俺を恨んでいるのか?)

リコのいる階に着いた。

(何て言えばいいんだろうか?)

「オマエハモウスグデオワルゾ」

隣にまた店員がいた。

俺は殴った。

すると、店員は消えた。

(あんなもんはただの幻にすぎない)

そして俺はおもいっきりドアをノックした。

ドンドン!ガチャ・・・

ドアが開いた。

リコが出て来た。

「あっ、どうしたんですか?」

また読んで頂いてありがとうございました。

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