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第一話 エデン

読みにくい所があるかもしれませんがお読みください

 俺は今、一台のバンに乗って後ろにいる死体とともに雨の中を走っている。 なんでこんなことをしているかというと、いまからさかのぼること十日前。


 俺は自宅のアパートにいた。

俺は売れないバンドで一応活躍している。収入は客が少ないライブでやるときにでるわずかな金と、夜遅くまで働くガードマンの仕事である。道路工事などにいて光っている棒を持っているあの仕事だ。

昼夜逆転の生活である。

(いつかビッグになって、いままで俺をバカにしてきた奴を見返すんだ)

それがいつも思うことである。

だが、このままじゃそんな風になれない。

だけど仕事もあるし、住める家もあるし、夢だったバンドもやってる。

でも何かが足りない。

 仕事は夜からで、バンドのライブも明日だ。

今は昼の十二時半だ。

この時間はいつも家にいて漫画を読んだり、パソコンでインターネットを見たり、寝たりなどしているため近所からはニートと言われているようだが別に気にしていない。

 それはさておき、俺はあまりにも暇だったのでコンビニで時間を潰すことにした。

近所にあるそのコンビニは嫌な店員がいることで有名だ。

その店員は目つきが鋭く、客を凝視するやつだ。

客の間で密かに話されているところを聞いたので、俺もその店員の事を知ってしまった。        それからというもの俺はその店員の事を気にしてしまうようになった。

(まぁそんなこと気にせず漫画でも読むか)

俺は雑誌を手に取り、ペラッとページをめくった。

 読み始めてから十五分くらいたった。

読み終えたので他の雑誌に変えようと一冊の週刊誌を取った。表紙に大きく太い文字でこう書かれていた。『連続ストーカー事件の恐怖』

(そういえば、この近くだよなストーカー事件)

このあたりじゃ有名だ。犯人は同一人物らしく無差別にストーキングする。

犯人はまだ捕まってないらしい。

 時計を見ると三十分たっていた。

そろそろ帰るか、と雑誌を戻した。

ふと気が付くと、いつのまにか隣にあの店員がいた。

「まだ読むの?買わないんだったら出てくれないかなぁ」

鋭い目でにらみつけて俺に言ってきた。

「すいません、今出ます」俺はすぐ出ようとしたら、

「盗んでいません!」

女の人の声が聞こえた。

「これ、盗んだでしょう」

「やってません!」

「さっき盗むのみたから、かばん中見せて」

俺はただ見ていた。

するとその女の人と目が合いこっちに走ってきて言った。

「この人が盗んでないのに盗んだって言うんです」

(えっ!俺に助けを求めてきた〜!)

「あなた、騙されないで早く捕まえて」

店員は冷静に言う。

「行こう!」

俺はなるべくでかい声で言った。そして女の人の手を引いて走った。

店員はずっとこっちをにらんでいた。

             俺は隣にいる知らない女の人といっしょに歩いている。

どこか分からない所まで逃げて来た。

さっきから何も話していない。

(普通礼ぐらいするだろ!助けてもらったんだから)頭の中で色々考える。

(でもまてよ、気付いていたのに自分から助けなかったから怒ってんのか?)

頭の中が混乱している。

そのまえに俺は女の人とあまり話したことがなかった(あーどうしよ)

「あ、あのさっきはありがとございます」

いきなりその女は喋った。

「えっ、いや、その、どういたしまして」

(あーびびった)

俺は女の人がいきなり喋ったので、緊張し声が小さくなった。

(それにしてもよく見るとかわいいなぁ)

髪は茶髪でショートヘア。目はぱっちりと大きく吸い込まれそうな瞳。

スレンダーボディ。

(こんな彼女欲しい〜)

そういえば俺、いままで彼女なんてできたことない。見た目がダサく、ガリガリで、金も良い所もなにもないからか?

俺は頭の中でいろいろ考えていると、いきなり話かけられた。

「あのー、あなたあれですよね?」

「えっ、あれ?」

(何が言いたいんだ?)

俺はまた考える。

(もしかして、あなた例のストーカー事件の犯人とかか!?)

「ジェネレーションズのギターの方ですよね?」

「はっ?」

「違いますか?」

(そういえば、俺のバンド名だよ)

「はぁ、そうですが」

「私、ファンなんです!」

「えーーーーーーーー!」

体に衝撃が走った。

(絶対何か企んでる)

「どうかしたんですか?」

「えっ、いや、別に何であんなバンドのファンなのかなーって」

(自分のバンドを否定するやつなんていねーよ!)

「すごく曲が良いじゃないですか」

「へー」

「じゃ、じゃあ今度ライブ来ませんか?ただで」


俺はどもりながら言った。

「本当にいいんですか?」

「いいですよ」

(なんか言っちゃったよ)

「あっ、そうだった私これからちょっと用事があるんで」

と言ってその女の人は去っていった。

「ふ〜緊張したー」

(あっ、名前聞いてなかった!)

追い掛けようとしたがあの女の人もうどこにもいなかった。         (まぁ明日のライブで聞いてみるか)

 今日はライブの日だ。

相変わらず人が少ない。だから俺達はやる気がなくだらだらしていた。

ちなみにバンド構成はボーカル・ギター・ベース・ドラムの四人でやってる。

あと、俺はバンド内で浮いた存在だ。        ライブが終わり楽屋に入る。

みんな疲れている。

「本当に人少ねぇな」

「いつものことだろ」

「あ〜何か疲れた」

ボーカルとベースとドラムの会話を黙って聞いていてふと思った。

(そういえば、あの女の人来なかったな)

「おい、ちゃんと練習したのかよ!」

「えっ?」

いきなり俺に言ってきた。

「何であんなに下手なんだよ!」

「お前の代わりがいねぇんだよ!」

「真剣にやれ!」

「聞いてんのか!」

俺はうつむいて聞いたふりをする。

もう慣れている。

(あ〜またかよ)

いきなり俺の顔の前に黒い物体があらわれ激痛が走った。

「聞いてんのかこら!」

黒ブーツのボーカルに蹴られた。

鼻血がでている。

他の奴等は笑っている。

俺は楽屋から走って出た。走りながら思った。

(そろそろやめるか)

 外に出てふらつきながら歩いていると目の前にあの女の人がいた。

(あっ!)

「あっ、どうしたんですか?」

「いや、別に」

「ライブ前なのに大丈夫なんですか?」

「ライブ前?」

「えっ、あと十分後に始まるじゃないんですか?」

「もう終わりましたよ」

「あ〜あ終わっちゃたか」(あんまり悲しそうじゃないな)

「あれ、鼻の所が腫れて赤くなってるけど大丈夫ですか?」

「あ〜大丈夫です」

(めっちゃヒリヒリする)

「家が近くなんで来て絆創膏貼るぐらいした方が」

俺はその言葉を聞いて呆然としていた。

(絶対何か企んでる)

 結局、俺は女の人の家まで来た。

俺の住んでるアパートと比べものにならないくらいと言うのは大げさだが良いマンションに女の人は住んでる。

俺の鼻に絆創膏が貼られている。

部屋の中は綺麗に片付いている。楽園の様な部屋だ。

そして俺の前にはここの楽園の住人の女の人がいる。(緊急事態だ!)

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