第7話
佐藤と別れた後、本屋をウロウロしていた。
紺野のさっきの顔──誤解されたかな。
何か面白そうな本はないか。
──俺は、本を読むのが趣味だ。
だから基本、あまり休みの日は外に出ない。
出るとしても、最低限。
そんな俺と付き合ったところで、何も面白いことなんてない。
適当に本を買って帰った。
その時、スマホに通知があった。
紺野からのメッセージだった。
『あの人は誰ですか?』
……やっぱり聞いてきたか。
『大学の同期だよ』
なんとなく、少し時間をあけてメッセージを送った。
その後、家に帰った。
そしたら、着信があった。
紺野からの電話──
悩んだが、出た。
「どうした……?」
『先生、初めての電話ですね……嬉しいです』
耳元で聞こえた紺野の声と、その言葉に心臓が跳ね上がった。
「そう……だな。で、何?」
紺野は、しばらく沈黙した後――
『今日、あの女の人にすごい嫉妬してしまいました……』
やはりそうか。
「同期ってだけで何もないから。だからもう気にするな」
『でも、また会うんですよね?』
付き合ってもないのに、彼女から尋問されているようだ。
「会うと思うけど、友達だから。本当に」
『わかりました……少し安心しました』
「うん。俺もう風呂入るから切るね」
『え!お風呂なんですね。なんか、ドキドキします』
余計なことを言うんじゃなかった。
「じゃあ、おやすみ」
その後すぐに切った。
湯船に入りながら考えた。
確実に俺の日常に侵入してきている、紺野が。
この距離をなんとかキープしよう。
──いや。
もう、この辺にした方がいい。
このままだと、余計紺野を苦しめるかもしれない。
次会ったら、もうそれで終わりにしよう。
寝る前にスマホを見たら、 紺野からメッセージが来ていた。
『先生と電話できてよかったです。好きです。おやすみなさい』
……決心が揺らぎそうになる。
でも、やっぱり終わりにしよう。
お互いのために。




