漫画家Kを殺します 3
相澤公正 32歳
職業アーティスト
16歳の時に単身上京。上京してからは路上ライブで生計を立てていた。ある日の冬、路上ライブを聴いていたラビットミュージックの人間にスカウトされデビューを果たすと初シングルである「シュークリーム」が13万枚の大ヒットを起こした。20歳の時には初の単独ドームツアーを行った。彼の人生は栄光に満ちていた。
SはAKの言っている「あんた」とは誰なのか聞くため再びAKを掲示板に呼び出した。4日後AKは姿を現すとSの「あんた」が誰なのかという問いに答えることはなく何も書き込まずに消えてしまった。Sは少しがっかりしつつももうAKは忘れてしまったのでないかと考え深く追求することはなかった。
その9日後相澤がラジオの収録後の帰り道に刺され死亡した。犯人は66歳の女性。犯行理由は娘の恨みを晴らすためだと証言した。ここから週刊誌や複数メディアが周辺の人物に調査をすると相澤がとある女性を上京時に連れていっており奴隷のように扱っていたことが発覚した。
Sはこの出来事について3か月にも及ぶ捜査をし関係者の話をまとめ更に1ヶ月もの長期間の推理を終えると、「勝手な妄想」というタイトルで長文の推理を掲示板に投稿した。
結論から言うと相澤はAを半ば誘拐のように上京させておりなけなしの金をはたいて借りたアパートで毎日のようにAでストレスを発散していた。実はAとAの母親は同時期に上京しておらず、Aが先に東京に連れ去られAを追うようにして母親は上京したのだった。A母の不倫は本当だが不倫相手は別の人物と不倫しており、とっくのとうに見捨てられていたのだった。Aは23歳まで相澤に酷い扱いをされており相澤の結婚を機に捨てられるように解放された。その時Aは相澤との子供を妊娠しており中絶出来る期間もとっくに過ぎていた。4ヶ月後Aは相澤の子供を出産したがAは育児を放棄したのでA母の元で9歳になった今でも育てられている。その後Aは相澤に養育費を要求したが相澤は完全にAのことを無視しておりAは深い絶望に飲まれた。そして2022年にAは母親に相澤の殺害計画を告白し母親は止めたのだがAは本気だった。なのでAではなくA母がやるといい2人で計画を立て始めた。しかし相澤に近付くには相澤の行動パターンやルーティンを知らなきゃいけない。だが芸能関係の友人や知り合いがいないため悩んでいると、Aは漫画家Kに連絡をし相澤の殺害計画を話した。漫画家Kはこれを承諾し相澤に接近する方法を模索した。そこで漫画家KをAが脅迫するような文をSNSに投稿し相澤のやっているラジオのコーナーで触れるのを待って触れたらこちらから連絡を取り相澤に接近するという計画を立てた。殺害予告を投稿すると見事相澤はラジオでこの話題について触れ、ラジオに出演することができたのだった。その後相澤と食事に行き普段の生活やラジオの生放送日と収録日のスケジュールを聞き出すことに成功した。それをA母に手紙で送るとA母は収録日を狙って相澤を殺害したのだった。
これがSの推理だった。
しかし関係者の話や当時の同級生、ラビットミュージック関係者の話をまとめ自分なりに考察しただけの根拠に乏しい推理だと閲覧者に念を押しそれ以上の推理は投稿しなかった。
それから3日後Sの元に一通のメールが届いた。それは漫画家Kからだった。
メールを開くと件名はなく多くの余白を残しながら一文だけが書かれていた。
「もう終わったことですから」




