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第四十三話 護衛依頼の準備

翌朝。

こもれび亭の食堂で簡単な朝食を済ませたリノは、カバンの口を軽く確認してから立ち上がった。

カバンの中にはライ。人目につかないようにカバンの中だ。

「じゃあ、行こうか」

中でぴちゃ、と控えめな音が返ってきた。

まず、向かったのは冒険者ギルド。

掲示板の前や、依頼待ちの冒険者が集まる場所で、会話に耳を澄ませる。

「南街道、最近魔物が増えているらしい」

「大型じゃないが、数が多い」

「雨でぬかるんでて、馬車の事故も出てる」

「盗賊は減ったが、油断は禁物だな」

(魔物出現、事故多発……)

護衛対象が商人である以上、戦闘もだが、回避判断が重要になる。

メモは取らず、頭に刻む。

カバンの中でライが揺れる。

「どうしたの?今日は調べてお買い物するだけだよ」

そう小声で伝えると、音は止まった。


次に向かったのは、市場に来た時に塩や砂糖などを買った調味料専門店。

棚には、瓶詰めや布袋に入った調味料がずらりと並ぶ。

「いらっしゃい」

店主はリノを見ると、軽く頷いた。

「また来たね。旅の準備か?」

「はい。護衛の仕事で」

前回買ったのと同じものを同じ個数を選ぶ。

(これで暫くはもつかな)

「はいよ。安くして代金は銀貨2枚と銅貨8枚だよ」

「はい。ありがとうございます。ここで買った調味料のおかげで、美味しいご飯が食べられました!」

「そりゃよかったよ。こっちこそありがとな。気をつけて行けよ」

「はい!」

アイテムボックスにしまい、店を後にする。


次は野菜の露店。

今回は種類も量も多めに揃える。


人参60本、じゃがいも60個、玉ねぎ30個、キャベツ3玉、大根5本

ゴボウ3本、白菜4個、ほうれん草5個、小松菜5個

露店の店主が感心したように声をかける。

「随分しっかり揃えるね」

「野営があるので……これ、全部でいくらになりますか?」

「お代は全部で……銀貨4枚、銅貨1枚、鉄貨3枚だよ」

「ありがとうございます」

「これ、だいぶ多いが、どう運ぶんだ?」

「私、アイテムボックスを持っているので、大丈夫ですよ!」

「坊主、アイテムボックス持ちか。気をつけるんだよ」

「ありがとうございます」

野菜を全てアイテムボックスへ。


買い出しを終え、こもれび亭へ戻る。

「今日も一泊お願いします」

宿泊費を支払い、夕食をライと食べ、部屋へ。

カバンをベッドの上に置くと、中からぴちゃ。と一度だけ音がした。

「今日は、外に出してあげられなくて、ごめんね」

返事はないが、動きは落ち着いている。

そして、明日の予定を頭の中で整理する。

(明日はオルソンさんと食事だ……)

就寝前、いつもの魔力制御。

手のひらに、直径数cmの水球を作る。

揺れないよう、形を崩さないよう、均等に魔力を流す。

(……安定してる)

カバンの中から、視線を感じる気がする。

リノはチラリとライの方向を見て、水球を消し寝支度をする。

灯りを落とし、ベッドに横になる。

静かな部屋で、リノは目を閉じた。

カバンの中から、ぴちゃ。という音がして、やがてそれも消えた。

--準備期間、一日目はこうして終わる。


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