表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/44

第四十話 森で簡単なスープ作り

カンルイの森入口。

昼の光が木々の間から差し込み、地面にまだらな影を落としている。

森の中で小枝や木を拾って、入口から少し離れたところに移動した。

まず周囲を一度見渡し、危険がないことを確かめてから、アイテムボックスから必要なものを取り出す。

「よし……ここなら大丈夫そう」

折りたたみ式の五徳を広げ、少し離れたところに作業机を平らな地面に置く。

次に机の上に市場で買ってきた野菜を広げる。

人参、玉ねぎ、じゃがいも、それに少量のキャベツ。


「まずは下処理……」

人参は水魔法で泥を落とし、包丁で皮を薄く剥く。硬さを確かめながら輪切りにする。

じゃがいもは芽を丁寧に取り除き、皮を剥いて一口大に。水にさらす余裕はないが、すぐに使うなら問題ない。


玉ねぎは皮を剥き、半分に切り、繊維に沿って細めのくし切り。

目に染みる匂いに、思わず瞬きをする。

「し、しみるぅ〜」


キャベツは芯を外し、手で葉と芯をザクザクとちぎる。

火を通すと甘みが出る部分だ。


フォレストウルフの肉とホーンラビットの肉をアイテムボックスから少し取りだし、小さく刻む。そして、フライパンで焼き目をつける。

初めて魔物の肉を使うが、煮込めば十分な旨みになるだろう。


小さめのファイアーボールで火を起こし、枯れ枝を組んで火力を安定させる。

鍋をかけ、水が温まる前に肉を入れた。

「先に、焼いたお肉で出汁を取ろう」

弱火でじっくり。

やがて、湯の表面に細かい泡が浮かび始め、肉の香りが静かに広がる。

浮いてきた灰汁を木のスプーンで丁寧にすくい取る。

(これをやるかどうかで、全然違う)

まず、じゃがいもと人参を投入。鍋の中でポチャリ、と音を立てる。

少し遅れて玉ねぎ。

透明になってきた頃合いを見計らい、スコップで薪を減らして火を弱める。

「……もう少しで完成だ」

最後に、キャベツを加える。

鮮やかな緑が一瞬で色を変え、甘い香りが立ち上る。

塩胡椒をひとつまみ。多く入れない。野菜の味を邪魔しない量だけ。

「ほんとは、ここにコンソメを入れたいな……」

でも、無いものは仕方ない。

再び灰汁を取り除き、軽くかき混ぜる。

しばらくして火を止めると、


鍋の中には、透き通ったスープと、柔らかく煮えた野菜が揺れていた。

リノは木のスプーンですくい、息をふきかけてから口へ運び、味見する。

「……うん!」

人参の甘み、玉ねぎのコク、じゃがいものホクホク感。

派手さはないが、体に染みる味だった。


その時--

ぴちゃ。


小さな音がした。

顔を上げると、少し離れた木陰に、水色っぽい半透明の小さなスライムがいる。

(……スライム?)

淡い色の体をゆっくり揺らしながら、こちらを見つめてるような気がする。攻撃態勢を取るわけでもない。

リノは反射的に身構えかけ、すぐに力を抜いた--。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ