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第四話 森の一日目:魔法の練習・初めての夜

森で夜を越すには、身の安全と飲み水が必要だ。

リノは「初めての魔法の使い方」を開き、初心者でも扱いやすいと紹介されていた水と風の魔法を使ってみることにした。


--初心者は詠唱推奨。まずは身体に巡る魔力を練り、自分の身体の外へ流す感覚をつかむこと。


「詠唱……えっと、『ウォーター』?」

手のひらに意識を向けると、わずかに温かい何かが集まる感覚があった。

お腹の真ん中あたりから、ふわりと魔力が上がってくる。

「『ウォーター』!」

ぽんっ、と水球が生まれ、空中に浮かんだ。

「出た!!すごい……!」

嬉しさが身体の奥から湧き上がる。


続いて風の魔法も試す。

「『ウィンド』」

そよ風が手元から広がり、落ち葉がふわりと舞った。

「ちゃんとできる……これなら、少しは安全かも」

何度か試した後、魔法の練習を終え、次は採取。


「初心者用・採取手引き」を見ながら森の中を歩く。鑑定を使うと、野草やキノコに小さな文字が浮かび上がる。


『食用:香りキノコ 美味 ランクE』

『薬草:青葉草(あおばぐさ) 傷の応急処置用 ランクE』

『有毒:赤斑(あかふ)キノコ 素手NG。生食NG。焼くとOK ランクD』


「すごい。危険なのがすぐにわかる……」

慎重に食用キノコと薬草を数種採った。

夢中になって採取していると、大きな木の根元に(うろ)を見つけた。

「ここ……雨もしのげるし、入口も狭いし、いいかも」

風魔法で周囲の葉を集め、簡易の布団代わりに敷き詰める。

少し周囲を確認し、近くの倒木から枝を集めて擦って火を起こす。

時間はかかったが、かすかな炎がついたときは思わずガッツポーズが出た。

そして、採取した食用キノコを、枝に指して炙る。

「……ん。普通に美味しい……!」

森の空気と焚き火の匂いが混ざり、妙に感動してしまう。

食事を終え、風魔法で集めた葉っぱで洞の入口を塞いだ。

細い身体を丸め、洞の中で横になる。

小さな身体はすっぽりと柔らかい葉に収まる。

初日から全力だったが、生きている実感と、これからの未知への期待が胸に満ちていく。

こうして--森の一日目は、静かに更けていった。

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