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第三十四話 Dランク昇格試験~面談~

書類審査が終わり、試験官に案内されて応接室の隣--

普段は依頼者との相談にも使われる、落ち着いた小部屋へと移動した。

部屋はさほど広くなく、丸いテーブルがひとつ。

壁際には観葉植物が置かれ、柔らかい光が差し込む。

冒険者ギルドの中でも、最も穏やかで静かな空間だ。

試験官は席に座り、手元に数枚の質問票を置いて言った。

「それではDランク昇格のための簡単な面談を始めます。時間は十五分程ですから、気軽にお答えください」

リノは小さく頷く。

試験官は微笑みながら質問票を一枚めくる。


「まず、一つ目。依頼をこなす際に心がけていることはなんですか?」

リノは少し考え、素直に口を開いた。

「……周囲の安全確認です。魔法は外れると危険なので、できるだけ範囲を調整して、巻き込みが出ないようにしています。あとは、無理をしないこと……です」

「うん、いい心構えですね」

試験管は満足げに頷く。


「では次。撤退判断は、どのように行いますか?」

リノは迷わず答える。

「魔力量が三割を切った時は、一度距離をとって退きます。《探知(サーチ)》で自分が対応できない数がいる場合もすぐに離れます」

「なるほど……基準がはっきりしていますね。魔法使いとして非常に優秀です。では次は、Dランク依頼の内容は理解していますか?」

「はい。FやEランクと比べて、魔物の強さもですが、"危険範囲"が広がるので、その管理能力も重視されること……ですかね」

「そうですね。理解しているようで、大変よろしい。そして最後に一つだけ。最近、印象に残った依頼はありますか?」

(……言わない方がいいかなぁ)

ポイズンスネークの件は、多分ギルドの中でも騒ぎになっている。

でも、嘘をつく必要はない。

「一昨日の討伐……です。Cランクのポイズンスネークに遭遇して、討伐しました」

試験官は静かに目を閉じ、深く息を吐いた。

「……やはり、あなたでしたか」

(やっぱり噂になってる!?)

「心配したんですよ。ですが、怪我なく戻ってきた。立派です」

そう言って、試験官は質問票の最後に印をつけた。


「--以上で面談は終了です。Dランク昇格試験、合格となります」

(合格ってすぐ出るの!?早くない?)

そう思いながらも、椅子から立ち上がり丁寧に頭を下げた。

試験官は笑顔で告げる。

「次はCランク推薦試験ですね。場所は訓練場。あなたなら問題なく実力を示せるでしょう。頑張ってください」

「はい!ありがとうございました」

リノは胸いっぱいに息を吸う。

(次は実技……!緊張するけど、絶対合格したい)

ギルドの静かな小部屋から出た瞬間、心の奥で小さな炎が灯るのを感じた。


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