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第二十九話 ランクアップに向けて~戦闘②~

フォレストスパイダーを収納した後、リノは更に奥へと進んだ。

探知(サーチ)》の反応があった。

リノの身体を遥かに超える巨大な毒蛇。鮮やかな紫色の鱗を持ち、その口元からは猛毒を滲ませた牙が覗いている。

《鑑定:ポイズンスネーク Cランク》

(Cランク……!でも……いや、戦ってみよう)

ポイズンスネークは地面を這い、リノ目掛けて突進してきた。

まず、蛇の素早い突進を身体強化(ブースト)を自分にかけて回避する。同時に攻撃のタイミングを測る。

蛇は回避されたことに怒り、頭を高く持ち上げ、口を開いた。狙いは毒液だ。

リノはすぐに《ライト》を使った。

「ライト!」

眩しい光の球が毒蛇の顔面を直撃する。蛇は一瞬怯み、毒液をまき散らすタイミングが遅れた。

リノはその隙を見逃さなかった。蛇の弱点は動きが止まった一瞬の首の付け根、あるいは頭部だ。

リノは手に魔力を集め、

「ストーンバレット三連!」

リノの手から、土の弾丸が機関銃のように三連射された。最初の弾丸が蛇の頭をかすめ、二発目、三発目が狙い通りに首の付け根に深くめり込む。

激痛にのたうち回る蛇だが、生命力は高い。リノは距離を詰めさせないため、ファイアーボールを撃つ準備をする。

「ファイアーボール!」

手のひらに安定した大きい炎の球が生まれ、蛇の胴体を直撃した。

「ブシュウッ!」という音と共に、毒蛇の皮膚が爛れた。ポイズンスネークは苦しみ、全身を打ちつけ、やがて動かなくなった。

《鑑定:ポイズンスネーク Cランク 死亡》

リノは肩で息をしながら、ポイズンスネークを鑑定した。素材はあまり損傷がないようだ。

リノは戦慄と興奮を覚えながら、アイテムボックスにポイズンスネークの巨体を沈めた。

その後も森の出口へ向かうも、フォレストウルフの群れ(三体)やホーンラビットに遭遇したが、難なく倒した。


夕方、リノはギルドの依頼者用受付に並んだ。順番が来てギルドカードを渡し、解体依頼を申し込む。隣の棟に行き、ホーンラビットやフォレストウルフなどを床に並べていくと何度も担当してくれたお兄さんが固まった。

「おい……これ、Cランクじゃねえか!怪我とかしてねぇよな!?」

と心配してくれている。

「はい。大丈夫です。私には魔法がありますから」

「ランクが上がると、魔法が効きにくい個体もいるんだ。ともかく怪我なさそうで良かったよ」

周囲はまだ騒然としている。

「解体はどのくらいかかりそうですか?」

「そうだな明日また来てくれるか?もう時間も遅いからな」

解体依頼が終わりそのまま帰ろうとしていたら、ギルド職員の人に呼ばれた。


再び依頼者用受付に戻ると、新人訓練でコメントしてくれた教官。ベテラン冒険者の男性が立っていた。

教官は鋭い目でリノをじっと見つめている。

「リノ。お前、Fランクでポイズンスネークを討伐したそうだな」

教官の声は尋問するようだが、どこか興奮を帯びていた。

「はい。奥地で遭遇したので、討伐しました」

リノは淡々と答えた。

教官は深く頷き、受付嬢に目配せをする。そして、教官は受付嬢から受け取った書類をリノに差し出した。

「お前の実力は、Fランクに留めておくべきではない。討伐ポイントは既にEランク昇格に必要な数に達している。だが、お前にはEランクから飛び級で審査を受ける実力がある」

教官は二種類の書類をテーブルに並べた。

「お前には二種類の昇格審査を勧める。一つは、Dランクへの形式的な昇格審査。書類審査と簡単な面談で済む。もう一つは、Cランク昇格を見据えたCランク推薦試験だ。これを受けるには、Dランク昇格を前提に実技を課す必要がある」

教官は書類を指さした。

「これは審査案内書だ。明後日に審査可能だ。場所はギルドの訓練場だ」

リノは書類を受け取り、目を通す。

「注意事項、持ち物、集合場所は全て記載されている。よく読んでおけ。お前の規格外の魔力は、この世界でも最高峰の才能だ。無駄にするな」

リノは教官に深々と頭を下げた。

目標であったCランクが、一気に視野に入った瞬間だった。


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