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第二十六話 カンルイの森からの帰還と報告

夕陽が街の屋根を赤く染める頃、

リノはほんの少しの疲労感を抱えながら冒険者ギルドの扉を押した。

いつものざわめきと人の声。

その中を抜け、依頼者用受付へ向かう。

「討伐依頼と採取依頼の提出と解体依頼もお願いします。いっぱいあるのですが、食べられる肉以外は査定と売却をお願いします」

未解体の状態の魔物はトレイには出せないので、採取したものを乗せていく。

青葉草と香りキノコ、森ベリーの三種を大量に出した。

受付嬢が目を丸くする。

「……こんなに?まだ新人さんですよね?」

少し恥ずかしそうに笑って、リノは小さく頷いた。

「解体は別棟なのですぐに向かってくださいね。そこで討伐した魔物を出してください」

「はい!ありがとうございます」


ギルドを一度出て、別棟の扉をくぐると、解体作業員の屈強な男たちが作業していた。

血の匂いと金属音、毛皮の剥ぎ取り音が響く場所だ。

「お!坊主また持ってきたのか!今回はどんな魔物を討伐したんだ?」

前回担当してくれた男性作業員が声をかけてくれた。

「お兄さん……今回は沢山なんですけど大丈夫ですか?今、出しますね」

アイテムボックスは前回見せてるから大丈夫だと判断し、

床にホーンラビット三体・フォレストウルフ二体・ワイルドチキン二羽・フォレストスパイダー、一体を取り出す。

周囲の空気が変わった。

「お、おい……こいつ、ひとりで狩ってきたのか?」

「Dランク大量に混じってんぞ……新人だよな?」

ざわり、と男たちの驚いた声が走る。

リノは首をかしげるだけだ。

「解体をお願いします。食べられる肉は全部こちらで調理する予定なので残してください」

「……あ、あぁ。了解だ。いや、すげぇな……」

担当してくれた男性の声には尊敬と驚愕が混じっていた。


ギルドに戻り、しばらく待つと、革エプロン姿に着替えた担当してくれたお兄さんが居た。

丁寧に仕分けされた素材を持ってきたようだ。

受け取った肉はカバンの中でアイテムボックスにしまって、そのほかの素材を依頼者用カウンターに持っていく。

受付嬢はまた目を丸くした。

「……い、いつの間にそんな実力を?」

「魔法の練習をしてたんです」

「そうなの……凄いね。将来有望だよ!でもFランクは一つ上のEランクの依頼までしか受けられないの……ごめんなさいね。でも、記録には残るから、もしかしたら話題になるかもしれないわね」

「ありがとうございます。話題には……ちょっと……」

「あら、目立ちたくないの?でも控えめなリノ君らしくていいわね」

「あ、あの報酬はどれくらいになりますか?」

「あら、私ったら!ちょっと待ってね……はい、これが査定一覧になります。で、こっちが報酬ね。合計が金貨3枚、銀貨3枚、銅貨1枚ね」


〇魔物の売却一覧

・ホーンラビット 三体 (E) 

 角 銅貨18枚、毛皮 銅貨30枚


・フォレストウルフ 二体 (D) 

 牙 銅貨16枚、毛皮 銅貨36枚、爪 銅貨10枚、低級魔石 銀貨4枚


・ワイルドチキン 二体 (D) 

 羽毛 銀貨8枚、爪 銀貨4枚


・フォレストスパイダー 二体 (D)

 糸 銀貨2枚、毒袋 銅貨24枚


〇採取売却一覧

・青葉草×10

 銅貨5枚


・香りキノコ×10

 銅貨8枚


・森ベリー(大量)

 銅貨4枚


袋に詰め、リノへ渡す。

「ありがとうございます」

リノは受け取ると小さく頭を下げた。


ギルドを出ると外はすっかり夜。

こもれび亭の暖かな灯りに迎えられ、リノは受付の女性に声をかけた。

「もう一泊お願いします」

銀貨2枚を今日の収入から支払い部屋に戻った。

静かな部屋で、リノは正座をし、息を整える。

魔力操作を始める。魔力をゆっくり体内に巡らせる--

今日は何度も戦闘で魔力を使ったから、魔力の感覚は掴みやすかった。

指先が淡く熱を持ち、魔力が巡る感覚が少しずつ鮮明になる。

しばらくしてから魔力操作をやめて、寝転がりそのまま

--気がつけば眠りへと落ちていった。


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