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6話

 今回は主に、キャラメイキングができない理由についての説明です。

 後半は読み飛ばしてもらっても大丈夫ですよー、特にこれからの話にその設定が出てくる予定はないんで…




 こんにちは、とりあえず農地に帰ってきたユキです。


 戻ってきた私はまず、『鉄の鎌』をインベントリから取り出した。

 軽く振ってみる。

 ……やっぱりしっくりくるなー。

 心なしか体が軽くなったような…あ、ステータスが少し上がったおかげかな?


 うん。実を言うと結構気に入ってる。


 『GUN KING』には一応、何かのイベントで鎖鎌が一時期だけ実装されていた。今はないけど。

 その時は鎖鎌ずっと使ってたしなー。


 というのも、鎖鎌は私の戦闘スタイルにピッタリだからだ。

 普通に鎌として近距離戦で使えるし、投げることで遠距離武器にもなる。

 しかも、鎖部分には当たり判定があり、銃弾を鎖や鎌に当てれば逸らすことができる。よって、鎖を操って味方を守ることもできるのだ。


 この『鉄の鎌』の見た目は、その時の鎖鎌にそっくり。鎖はないけど。

 まぁ、同じ会社が作ったものだから当たり前かもしれないけどね。



 しばらく鎌を振ることで、なんとなく鎌を使う感覚を取り戻した、気がする。

 とりあえずこれでまともに戦える、かな?

 いや、でもステータスが低いしなぁ…。


 あ、街でアイテムとか買っておけばよかったかも…。


 というのも、このゲームには『錬金術師』っていう職業があるんだけど、その人たちはステータスを上げれるアイテムを作れるらしいのだ。

 上がるステータスは微々たるものだし、そのアイテムは使い捨てらしいんだけど、もしもの時のために買ってきたらよかった…。


 良いよね、錬金術師。

 アイテム作りとか楽しそうじゃん。やってみたい。

 サブジョブを錬金術師にするのはありだな。

 だって、錬金術に必要な植物は自分で育てれるようになるんだろうし。

 農家のメリットかもしれないね。



 そういえば、他のプレイヤーに会ったけど、やっぱり仮面については何も言われなかったなぁ。


 仮面をつけている人はVRゲームに結構な人数がいるからかな?

 仮面をつける理由は、VRゲームで使っているキャラクター……アバターって言うのかな?それの顔は現実の顔とほぼ同じだからだ。


 え?現実世界の顔でゲームをするなんて、プライバシーとか個人情報とかは大丈夫なのかって?

 うん、確かに大丈夫ではない。不特定多数の人に顔を見られるのはまずいって私も思うよ?


 もともとVRゲームではキャラクターメイキング…つまり自分のアバターの見た目を自由に変えることができたんだけど、今はそれができるゲームはほとんどない。


 ちょっとこれには理由があって…。


 何年前だったかな…多分、3、4年前だった気がするんだけど、あるフルダイブ型のVRゲームが発売された。

 名前は……『泡沫の夢』だった気がする。

 そのゲームはオープンワールド系のゲームなんだけど、ストーリー性があってかなり面白く、人気があるゲームだった。


 でもある日、大事件が起きたんだよね。


 その頃はまだキャラメイキングができる時代だったんだけど、現実世界の顔を変えずにゲームをプレイする人も一定数いた。


 事件を起こした人は結構ゲーム内で有名だったらしいんだけど、その人のアバターは結構な美形で、現実世界と同じ顔と称してゲームをしていたらしい。

 実際はキャラメイキングをしていて、中身は50代のおじさんだったみたいなんだけどね。

 SNSで定期的に自撮り写真をあげてたから、キャラメイキングはしてないんだなってみんな思ってた。実際はゲーム内で写真を撮って、背景などを加工していたらしい。


 その人は大きなクランの創立者で、まぁいわゆるクランマスターってやつだったんだけど、ある日、そのゲームの大会が開催されて、会場に出向かないといけないことになった。

 で、他のクランメンバーもその大会の現地に向かうことになるんだけど……。

 その人は、自分の姿を見られたらおしまいである。だって、ずっとキャラメイキングしてないって嘘をついてたんだから。


 そこで、その人がとった行動は……クランメンバー126人の殺害。

 会場の一角を借りて、クランメンバーはそこに集まるってことになっていたらしいんだけど、そこにあらかじめ爆弾を設置し、人数が揃ったところで起爆させたっていう話だ。


 そんな悲惨な事件が起こったことと、他にも詐欺事件がいくつか重なり、さらに企業側も現実の顔を反映させた方が楽っていう理由もあって、今はほとんどのゲームでキャラメイキングはできなくなっているってわけだ。



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