表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このゲーム唯一の農家です。  作者: Fûka


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/30

????

お久しぶりです

助けてください、勉強やめたいです…

共通テストという名の悪魔の日が近づいて来ます…



 近くに居座っているニンゲンの魂が体から離れていくのを見送った。


 またか、と思う。


 上位存在から、近くの土地をニンゲンに分けてもいいか、と聞かれた時、どうでもいいかと思って承諾したが、その後すぐに後悔した。

 湖の一部を、突然現れたニンゲンに奪われてしまったからだ。


 とりあえず様子を見ることにした。

 ここ数百年、ずっと水の中で眠り続けて来た。

 正直に言うと、退屈していた。

 このニンゲンは、この呪われた土地に新しい風を吹かせるかもしれない。

 そんな風に、少しだけ期待を寄せていた。


 数日前。

 森の中に1匹の魔物が迷い込んできたのを感知した。

 直ぐに死なない。おそらく、光属性の魔物だろう。

 私がかけた呪いは闇属性で構成されている。だから、光属性にはかかりにくい。

 まぁ、かからなかったと言ってもかなり弱体化はするだろうけど。

 あの魔物をどうするべきか。

 ただ殺すのは勿体無い気がする。この森に魔物が迷い込むことは滅多にないからだ。

 ……魔物を、あのニンゲンに嗾けようか。

 数日間観察したが、あのニンゲンは大した行動を起こしていない。

 農家のくせして、呪いのせいで植物も育てられないようだ。

 上位存在が目をかけるニンゲンなのだから、特別な何かがあると思っていたが、そんなことはなかったらしい。

 観察はやめて、殺すことにした。

 魔物を魔法で操り、ニンゲンの近くまで連れていく。

 そこで魔法を解除する。

 あとは本能に従い、近くにいるニンゲンを殺して喰らうだろう。

 しかし、その予想は裏切られた。


 殺されたのは、魔物の方だった。

 見た感じ、レベルの差が100はあった筈だ。

 だが、魔物は奇襲に失敗し、更には光魔法の光線を全て避けられたのだ。

 相性が良かったのかもしれないが、それだけでは100もあるレベルの差は埋まらない。

 やはりこのニンゲンには、上位存在が気にかける程の何かがある。

 よって、継続して観察することにした。


 この森では、どんな生き物でも一ヶ月は生きられない。

 というのも、魔力が吸われるからだ。

 まずは体に蓄えられた魔力から吸われていく。

 その魔力さえ無くなったら体力も尽きる。

 体力が尽きたら生物は死ぬ。

 そして、その亡骸は魔力に分解され、森に吸われる。

 唯一、強力な光魔法の使い手だけは魔力を吸われないが、その代わり大幅に弱体化する。

 光魔法の使い手が迷い込んでくることは滅多にないし、来たとしてもこの湖に辿り着いた時、私の手で殺す。まぁ、ここまで辿り着いた者は今までに1人もいないのだが。

 

 湖の近くに居座るニンゲンも例外ではなかった。

 きっとこのままでは一ヶ月もしないうちに魔力枯渇で死ぬだろう。

 光魔法は手に入れたようだが、それだけでは足りない。


 よって、祝福を授けて、その祝福を全力で隠蔽する。

 見破られても別にいいが、自分の領域を奪った相手に素直に祝福を授けるのはなんだか癪だったからだ。

 これで、大分呪いの影響は受けなくなった筈だ。


 今日もニンゲンを見守る。

 数日観察して分かったことが二つある。


 一つ目は、このニンゲンは体力がかなりあること。

 この世界に生きる種族は殆ど見たことがあるが、半日中走り続けられる者など見たことがなかった。


 二つ目は、一定時間活動した後に、魂が体から離れることだ。

 何故かは分からないが、大体5時間ほどこの世界で活動したあと、急に魂が抜けるのだ。

 これはこのニンゲンに限ったことではなかった。世界中に目を向けると、かなりの数の人間が同じように魂を飛ばしていた。

 初めて見た時は慌てたものだ。ニンゲンが何かに攻撃されたのかと思ったからだ。

 しかし、また20時間弱経てば魂が戻ってくる。本当に不思議だ。



 また、このニンゲンは面白いものに憑かれたようだ。

 アレの呪いはニンゲンの身には辛いだろう。祝福によって死にはしないだろうがかなり痛いだろうに。そんな素振りは見せないが。


 その時、ニンゲンが少し前に小麦の種を植えていたのを思い出した。

 アレの呪いを取り除くことは難しいから、どうせなら利用することにする。

 植物が育たないのは私のせいだ。

 だから、この改変した呪いを以て詫びとしよう。


 私はニンゲンの魂が戻ってくるのを楽しみに待つのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ