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このゲーム唯一の農家です。  作者: Fûka


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26話




 「フレンドコードを聞きに来た」

 「……なるほど」


 直人と合流して一言目がこれである。

 ゲームをしに来たんじゃなかったか。

 1人で頷いていると、直人から呆れたような目で見られる。


 「人の話はちゃんと聞け」

 「……ごめんね?」


 上目遣いで謝ると、直人はグッと黙った。

 フフン、直人は私の上目遣いに弱いのだ。

 私は直人の姉みたいなものだからね。……私の方が一歳年下だけど。まぁ、誤差みたいなものだ。


 パーティを組んで、『ランクマッチ』の項目を押す。

 今、2人しかいないな……まぁ、2人でも十分やれるか。





 「フレンドコード、あとで送っとくね」

 「あぁ」

 「大会いつやるか聞いた?」

 「メールで連絡が来ていた」

 「えっ」


 ゆるりと会話を交わす。

 私たち2人はほのぼのとしているけど、今いるのは戦場のど真ん中だ。

 顔面めがけて撃たれた弾を首を傾げることで回避し、こちらから銃弾を叩き込む。

 私が撃った弾は、敵の眉間にヒット。

 ふぅ、気持ちいい。

 敵は光になって消えていった。

 どうやらこの人のパーティメンバーは全員死んでいたらしい。生きてたら消えなくて、蘇生アイテムを使うと死体が生き返る。


 セトも近くで暴れているみたいだ。

 どんどん生き残ってるプレイヤーが減っていく。


 おっと、後ろから斬りかかられた。

 腰に差していたナイフを左手で取り出し、頭上から迫っていた刀を防ぐ。

 そのまま相手の腹を蹴り、右手に持ってた銃で数発撃つ。

 ……流石にこれだけじゃ死なないよね。

 2発避けられた。

 相手もランキング上位だろうし、当然か。


 相手はホルダーから銃を取り出そうとする。

 私は「させない」と呟いて敵の右手を撃つ。

 敵は走った痛みに銃を落としてしまう。

 銃を手放させたらこっちのもんだ。

 脳天に数発銃弾をお見舞いする。

 ついでに、後ろから忍び寄ってきていたプレイヤーにも。

 2人とも消えるのを確認して、セトの元へ向かう。

 死んでないってことは分かるけど、一応ね。もしかしたら助太刀が必要かもしれないし。

 少し走ると瀬戸の姿が見える。

 どうやら敵を全員蹴散らした後みたいだ。

 走って近づくと撃たれるから、ちゃんとチャットで報告をしてから近づく。


 「おつかれ。敵は?」

 「とりあえず全部殺った」

 「おっけー」


 あとは何人残ってるかなー?

 あと3人?いや、今2人になったっぽい。

 あ、さらに1人減った。

 ラスト1人はどこにいるかな?


 「発光玉を使う」


 セトはそう言いながら手の中にアイテムを出現させる。

 『発光玉』とは、周りのプレイヤーを光らせるアイテム。

 障害物があっても相手の位置が透けて見えるという優れものだ。

 セトは『発光玉』を適当に投げた。

 すると、斜め後ろに人型の光が見える。

 ていうか、近いな!?

 反射的にそちらを撃つ。


 「あぶねっ」


 そう言って建物の影から出て来たのは……。


 「……ルキ?」

 「うん」


 見慣れた双子の弟の方であるルキ。

 ひょこっと出て来たけど、撃っていいのかな?

 私はちょっと躊躇ったが、セトは容赦なく撃つ。

 知り合ったのは2年前くらいだけど、この2人は最初から仲が悪いんだよね。性格が合わないのかな?

 ロキとはそんなに仲悪くないんだけどなぁ…。本当に何でだろう?


 いきなり撃たれたルキだが、避ける素振りも見せない。

 まぁ、これくらいじゃ致命傷にならないだろうからね。

 『GUN KING』では、受けたダメージが大きいほどアバターの見た目も傷だらけになる。

 ルキは見た感じ無傷だ。

 弱い武器だと10発くらいは耐えれそう。


 何で出て来たんだろう?

 隠れてたらまだ勝機はあったかもしれないのに。

 それとも、何か作戦があるとか?


 まぁ、とりあえずキルしてから考えればいいか。


 背中からから機関銃『ハニカム04』を下ろす。

 これは大きめのマシンガンで、『蜂の巣にしてやんよ』っていう意味でこの名前がつけられたらしい。


 「じゃあね」

 「え、ちょ、話し合いとかは……」

 「ないよ」


 そのまま『ハニカム04』をぶっ放した。

 ルキは死亡。

 勝ったみたいだ。


 「おつかれー」

 「あぁ」


 そのまま広場に転送されーーー


 「ちょっと、話も聞いてくれないのは酷くないかな?」


 仏頂面をしたルキが待ち構えていた。

 チッ、めんどくさいな……こうなったルキはしばらく文句をネチネチ言い続けるんだよね。


 よし、逃げよう。

 セトに目配せをする。

 仮面越しでも伝わったらしい、小さく頷きを返された。

 手を後ろで組み、後ろにいるセトにサインを出す。


 3、2、1!


 今だ!


 「あ、ちょっとーーー」

 『ログアウトしました』

 私たちは同時にログアウトした。

 完璧だ。

 説教を無事回避した。


 ヘッドギアを外すと、直人がジッとこっちを見ていた。

 良かった、直人も無事ログアウトできたんだ。

 片方だけログアウトして逃げると、取り残された方が更に長いお小言を喰らうんだよね。


 「ごめーん、遅くなったかしらー?」


 あ、下からママの声が。ちょうど帰って来たのかな?


 直人と私は頷き合い、部屋から出て階段に向かった。

 今日の晩御飯はなにかなー?



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