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このゲーム唯一の農家です。  作者: Fûka


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18話



 さて、今何をしているかというと。

 お祖父様から農家について教えてもらっています。


 「農家には、その人自身のレベルの他に『農地レベル』というレベルがある。

 それを上げることで農地をもっと豪華にできるんじゃ」


 だから私の農地はあんなに小さいのに、お祖父様とお祖母様の土地はあんなに広大なのか。


 「……お祖父様の農地レベルは?」

 「わしは農地を譲ってもらったんじゃが、レベル6だったかのう?」


 農地は譲渡可能だけど、譲ってもらった側はメインの職業が『農家』じゃないと農地レベルを見れないし、農地レベルを上げることができないらしい。

 お祖母様だけじゃなくて、お祖父様も農家じゃないんだ。

 本当に何でここに住んでいるんだろう?ちょっと気になる。聞いてほしくなさそうだから聞かないけど。


 あ、他に聞きたいことがあるんだった。


 「私のいる森に農地があるんだけど、どうやったら耕せる?

 スキルで耕してもすぐに元に戻る」


 「うーん……多分じゃが、呪いを受けた水が土に染み込んでいるからじゃないかのう?

 わしらの土地も多少影響を受けておるんじゃが、土地を浄化した後に聖属性を付与した種を蒔いて、呪いを防いでおる」


 へーなるほど。

 聖属性かぁ……。


 「聖属性って、どのスキルで付与できるの?」

 「『光魔法』じゃな。他にもいろいろあるが、1番手に入りやすいのはそれじゃ」


 あ、『光魔法』は持ってる。

 ……もしかして、シャインウルフがあの森で生きれてた理由って、『光魔法』で呪いを浄化してたからなんじゃない?

 ただ、それだと私が死ななかった理由が分かんないんだよなぁ……いや、待てよ?

 確か、『精霊王の涙』によって呪いが掛かってるんだよね?

 それが液体だとする。そして、私はまだログインしてからお祖母様が淹れてくれた紅茶くらいしか飲んでない。

 だから、まだ呪いにかかってない、とか?


 ……うーん、真実に近いけど、多少外れているって気がする。

 勘だ。

 でも私の勘って結構当たるからなー。

 考えても分からないから置いといて……


 「光魔法、持ってる。

 浄化の仕方を教えてほしい」

 「光魔法、かなり珍しんじゃが、持っとんのか……。

 分かった、外に出よう。実際にやってみた方が早い」


 というわけで、家の外に出た。

 森の外からこの家の中にワープしてきたから、この家の外見を初めて見たんだけど、何というか風景に合っている。

 なんて言うのかな…ログハウスって言えばわかる?

 木で作られた小さな家なんだけど、周りにある植物と相まって、とても上品な雰囲気を感じると言うか…。


 「この家は農地レベルを上げたことで建てたらしいぞ。

 レベル5で好きな家を建てれるそうじゃ」

 「……家を!?」


 何で!?農地と家は関係なくない?

 いや、システムに突っ込んでもしょうがない。そういうものなんだから受け入れなきゃ。


 この家の所有者はいい趣味してたんだなー。あ、良い意味だよ?含みはない。



 この家の隣に小さな庭があり、そこで教えてもらうことになった。


 「まず、『光魔法』の使い方なんじゃが……適当に力を込めたら、なんか光が出てこんか?」


 お祖父様がそう言って腕を前に向けると、ロウソクの火くらいのぼんやりした小さな光の球体が手から出てきた。

 えぇ?そんな適当な説明ある?

 困った顔をしてお祖母様の方を見る。……呆れた顔をしてお祖父様の方を見てる。


 まぁ、とりあえずやってみるか……


 「あなたは『光魔法の天才』だからそんな簡単に光を出せるんでしょうけど、普通の人には無理だから、まず理論を説明しないとーーー」


 ぺふっ……


 「出せとるから結果オーライじゃ」


 ……なんか出た。

 いやいや、こんな簡単に魔法って使えるもんなの?

 でも、これくらい簡単じゃないとプレイヤーには魔法が使えないか。システムの補助があったりするのかな?


 「初めはそれくらいしかできん。

 じゃが、スキルレベルが上がればその光の球にも浄化の効果を付与することができる。

 つまり、練習あるのみじゃな」

 「わかった!」


 なるほど。つまり魔法を使いまくってれば良いってことか。

 シャインウルフを倒した時に大量に手に入ったステータスポイントがあるから、後でMPとINTにポイント振っとこうかな。

 さすがにこのぺふっとした光の球じゃ、灯りとして使えるかも怪しいし……。


 そんなことを考えていると、お祖母様が思い出したかのように言った。


 「あぁ、他にも魔法の効果を高める方法はあるわね。

 ステータスを上げるとか、光属性の魔法薬を飲むとか、あとは聖職者になるとか……」


 へー、魔法薬なんてあるんだ。

 その属性の魔法の威力を高める、とかかな?



 それにしても、聖職者、か。


 この前シャインウルフを倒した時に、めっちゃレベル上がったじゃん?

 それで、今のところ2つまでサブ職業?を設定できるんだよね。

 正直言って、絶対になりたい!っていう職業はないから適当に選ぶ予定だったんだけど、聖職者になるのはアリだな。

 だって、早く植物植えれるようになりたいんだもん。ゲーム始めてから今まで、モンスターを倒すくらいしかしてない。農家なのに。


 思い立ったらすぐ行動!


 『サブジョブ『聖職者』を選択します。

 よろしいですか?』


 もちろんです!


 『サブジョブの一枠目に『聖職者』を設定しました。

 変更には『転職石』が必要となります』


 はーい、ありがとうございまーす!


 というわけで、聖職者になった。


 ステータスはどんな感じかな?

 


 『プレイヤー名:ユキ

 Level:43

 HP:40/40

 MP:18/40

 EP:85/100


 STR:50

 VIT:30

 AGR:30

 DEX:50

 INT:40

 LUK:30


 職業:農家

 サブジョブ:聖職者、(空)

 スキル:耕地(レベル1)、鑑定(中級)、心眼、光魔法(レベル1)、致死(レベル1)、MP自動回復(レベル1)

 称号:ジャイアントキラー

 ステータスポイント:126

 スキルポイント:48』


 おおー、ちゃんとサブが『聖職者』になってる。

 (空)……?あ、もう一つ設定できるんだっけ。

 まぁ、まだ設定しなくて良いかな。

 帰ってから、いやログアウトしてからゆっくり考えよう。


 しばらく黙って作業していた私に、お祖父様が声をかけた。


 「どうしたんじゃ?」

 「『聖職者』になった」


 隠すようなことでもないから軽く言った。

 だけど……


 「「………!?」」


 なんかめっちゃ2人に凝視された。




 


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