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このゲーム唯一の農家です。  作者: Fûka


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19/27

間話

お久しぶりです、更新遅れてすみません…

受験生の夏は忙しいのです……しばらく更新遅れます…


この間話は13話あたりからのモブ視点かな?




 「うわぁ……!」


 思わず感嘆の声が漏れる。


 普段から配信で見ていた『GUN KING』の待機場所に来れたんだからしょうがない。

 つい周りをキョロキョロミ見回してしまう。


 すると、まわりからかすかに笑い声が聞こえた。

 やべ、子供っぽ過ぎたな。俺、もう高校3年生なのに…。

 顔を赤くする俺に、1人のおっさんが後ろから声をかけてきた。


 「その様子じゃ、『GUN KING』をやるのは初めてみたいだな!」


 そう言いながら、かなりの力で俺の背中を叩く。痛ぇ!?

 文句を言おうと振り返った先にいたのは……


 「『TAKEO』さん!?」


 有名な配信者である『TAKEO SUPER KING』だった。

 この人は『GUN KING』のプレイヤーの中ではそんなに強くないし、ランキングも中の下くらいではあるものの、トーク力は高いし銃について詳しく、チャンネル登録者は80万人くらい。

 そんな人に話しかけられるなんて、運良すぎだろ俺……。


 あ、『TAKEO』さんに話しかけられたんだった!


 「はい、今日から始めました!」


 お、思ったよりでかい声が出た…。

 うわ、やっぱり周りの人に笑われた。

 緊張してるのバレバレなんだろうな…恥ずかしい…。

 目の前の『TAKEO』さんも笑いながら、


 「そうか。お前くらいの歳でこのゲームをやってる奴はあんまりいないからな、期待してるぜ」

と言った。


 そうだよな、高校生でこのゲームをやっている人はほとんどいない。高校生以下はこのゲームを始める前に保護者の同意書とか、まぁいろんな書類が必要になるからな。ちなみにそういう書類の偽造は犯罪になる。

 俺は大人になったら手続きをしてもらう、代わりに受験勉強を頑張るって約束を親と交わした。

 18歳になった今日、ようやくこのゲームを始めれたってわけだ。


 あぁ、憧れていた人たちと同じ空間にいられて嬉しい。

 何故なら、俺はかなりの『GUN KING』オタクだからだ。

 3年前くらいからずっといろんな人のプレイ動画や配信を見続けてきた。


 なんて考えていたら、向こうのほうで人がざわめいている。

 何が起きているのか知りたいけど、周りにデカい大人がたくさんいて全然見えないな……。

 背伸びしても全然無理。

 だが、『TAKEO』さんは背が高いから向こうが見えたらしく、小さく呟いた。


 「あぁ、『ランダム』さんがインしたっぽいな」

 「『ランダム』さんってあの『ランダム』さんですか!?」


 『ランダム』さんといえば、公式ランキング2位、去年のスポンサー獲得数1位、非公式人気投票1位

っていう最高のプレイヤーだ。

 実を言うと、俺もファン。だから、姿を一目でも見たい……!!!


 必死にジャンプしていると、『TAKEO』さんが苦笑した。

 「いや、『ランダム』さんはいっつもこの時間にインするから、そんなに背伸びしなくてもいつか見れるぞ」

 「そうなんですか!?」


 驚きの情報だ。

 ランキング上位の人たちはあまり動画投稿サイトにプレイ動画を出してくれないからなぁ…。

 『ランダム』さんも、年に5本くらいしか出してくれない。本人曰く、「面倒くさい」だとか。

 しかもあまり他の人の配信に姿が映らないから、一ヶ月に数回くらいしかこのゲームをやらないのかと思ってた。

 いや、でもそうか。あのプレイ技術は毎日の努力あってこそってことだな。俺も今日から毎日頑張ろう。


 「あ、ちなみに『ランダム』さんがログインした時に現れる場所は毎日同じだが、あまり行かんほうがいいぞ?

 あそこらへんは『ランダム』さんのファンクラブ会員番号が2桁とか1桁の奴らが固めてるからな。

 『ランダム』さんに話しかけようものなら消されるぞ。ゲームから」


 何それ怖い。




 さっそく戦ってみることにした。

 俺が参加したのはフリーマッチ。ルールが簡単で、敵を倒すだけだからだ。

 このフリーマッチでは、3人組で戦うわけなんだけど……


 「よろしくお願いします!」

 「おう、よろしくな」

 「まかせてくれ」


 『TAKEO』さんと、『TAKEO』さんのフレンドである『あっくん』さんがチームを組んでくれるってさ!

 『あっくん』さんはたまに『TAKEO』さんの配信に出てる人だ。ランキングはちょうど真ん中くらい。


 ログインする前に、いろんな人の『GUN KING』のプレイ動画を見返してきたから多少は戦えると思うんだけど……。

 あ、武器あった。

 実際に銃を持ったけど、やっぱ、実際に銃を人に向けて撃つのって結構勇気いるな…。

 でも、やっぱりちょっとワクワクしてる。


 「森は物資しょぼいからな、早く抜けるべ」

 「そうだな。射線通らないし」

 「了解です」


 小さめの声で話しながら、森を抜ける。

 『TAKEO』さんはたまーに配信のコメントに言葉を返してる。やっぱ配信者だなー。

 でも待って、さっき『TAKEO』さんに「配信に映っても大丈夫か?」って聞かれた時に「はいっ」って言ったから配信してるんだろうけど、それはつまり今現在1000人くらいに自分の姿が見られていると言うことで……!!!

 いや、考えるな。緊張しちまう。

 すげぇな、『TAKEO』さんや『あっくん』さんは全然緊張してなさそうだもんな。

 いや、もっとすげぇのはランカーの方々だ。

 だって、大会の時とか数億人に見られてるわけだろ?よくあんな神プレイができるよな…、って、考え事してる場合じゃない。

 銃によっては相当遠くまで撃てるやつもあるからな。周りに敵が居なくても警戒しとかないといけない。

 まぁ、フリーマッチに出る人でそんな射程長い武器を使う人はほとんどいないけどーーー


 「うおっ」

 「あ、索敵蝶…」


 配信で見たことあるやつ!!!

 あんま役に立たないやつね。効果時間短いし、マップ上にしか位置が表示されない、あと銃で撃ったら防げるしな。

 まぁ、撃ってもヒラヒラ飛んでるから全然当たらないんだけどな。

 索敵蝶が近づいてきた。


 「……撃たなくていいぞ、逆にこっちに敵を誘き寄せよう」

 「了解」


 なるほど、位置がわかったら近づいてくるやつが多いからか。

 射程の長い銃を使うやつ、あんまりいないもんな。


 ……でも、近づいてこねぇな。

 あ、索敵蝶の効果時間が切れたっぽい。

 足音とか聞こえないし、索敵蝶いらないからって、適当に消費しただけか?




 ーーー突然だった。


 「痛っ!!!」


 『TAKEO』さんの額から赤いダメージが発生する。


 「は?」

 「おい『TAKEO』、斜線を遮れるところに移動しろ!」

 「分かーーー」


 もう一度、ダメージが頭から発生する。

 そして、『TAKEO』さんは動かなくなった。

 つまり、ゲームオーバーになったってことだ。



 やばい、どこから撃たれた?

 わからない、音すら聞こえなかった。


 「止まるな、逃げーーー」


 『あっくん』さんの額からも大量のダメージ、さらに俺が返事をする前にもう一度撃たれ、2人ともゲームオーバー。


 こんなのどうすりゃいいんだよ……。


 とりあえずここにいたら撃たれる、どこかに逃げーーー


 「っっっ!?!?!?」


 痛い痛い痛い!!!

 頭が割れそうだ!

 目を上に向けると、赤いダメージが表示されていた。

 撃たれるのってこんなに痛いのか?

 というか、何でこんなに連続でヘッドショットを決められてるんだ!?

 あまりの痛みに混乱してしまう。

 そしてそのままーーー



 『GAME OVER』



 死んでしまったのであった。




 いや、おかしくね?

 あんなのバグじゃねぇの?


 あ、リザルトが表示されてる、見てみるか。


 『Result

 キル数:0

 アシスト数:0

 デス数:1

 あなたを最後にキルしたのは『ランダム』です』




 ……え???

 『ランダム』って、あの?

 いや、まさかフリーマッチにあの方が出るわけないよな……でもその名前は1人しかいないはずで…。


 混乱しているうちに広場に戻ってきた。

 ここは全員がゲームオーバーになったチームが戻ってくる場所なので、『TAKEO』さんや『あっくん』さんもそこにいた。

 2人ともそこにあった椅子に座って、机の上に開いたウィンドウを見ている。


 …蘇生アイテム持ってたのに、使う暇もなかったな…。


 いや、それどころじゃねぇ!


 「あれって…」

 「おう、多分『ランダム』さんだな。

 試合に負けた奴は今やってる試合見れるぞ」


 そう言って『TAKEO』さんは手元のウィンドウに視線を戻した。

 『あっくん』さんに手招きされたので、俺も隣の椅子に座ってウィンドウを覗く。



 ………いや、何これ。


 『『ランダム』が『早松』を倒しました!』

 『『ランダム』が『めるるん』を倒しました!』

 『『ルキ』が『ペルソナ』を倒しました!』

 『ランダム』が『aroma』を倒しました!』……



 次々にプレイヤーが脱落している。


 「しかもこの武器……」

 「お、少年も知ってんのか」

 「『アイボリーMk12.』ですよね。

 えっと、レティクルが無い武器って書いてあった気がします」

 「おー、すげーな。この武器使ってる奴少ねぇのに。もしかして『GUN KING』オタクだったりするのか?」


 う、その通りです。恥ずかしいから目を逸らす。

 すると、『あっくん』さんが笑う。

 

 「ははは、恥ずかしがることはないぞ。

 多分オタク歴は俺の方が長いし。

 ちなみに『ランダム』さんのファンクラブの会員番号は32だ。

 今日も間近で見てきた。『ランダム』さん最高」


 な、何……!?


 「お、俺、実は会員番号102でして……!

 あ、あの、会員番号3桁の俺じゃ、間近で『ランダム』さんを見ることは叶いませんか…?」


 そう。俺は『ランダム』さん……いや、さん付けなどおこがましいかもしれない、『ランダム』様の古参ファンだ。

 『ランダム』様のプレイ動画は一つにつき100回は見返している。だってすごいんだもん。


 それにしても、『TAKEO』さんの配信にたまにでる『あっくん』さんが2桁なんて…!!!

 うらやましい!俺もあとちょっとファンクラブに入るのが早かったら、生で『ランダム』様を見れたかもしれないのに!!!


 だが、『あっくん』さんは神だった。


 「まかせろ同志よ。

 そこらへんは会長が取り決めしてるからな、会長に掛け合ってみよう。

 多分面談があるだろうから、頑張れよ!」

 「はい!!!ありがとうございます!

 あの、アニキと呼ばせてもらってもよろしいでしょうか!」

 「あぁ、もちろんだ!」


 涙で前が、『あっくん』さん…いや、アニキの顔が見れねぇ。

 もちろんこの涙は感激の涙だ。

 アニキまじ最高。いや最高は『ランダム』様だ。


 「何これ……なんか俺だけ仲間はずれにされてるんだが…?」

 「黙れ。『ランダム様ファンクラブ』会員番号7207のやつは話に入ってくるな!」

 「ひでぇ!」


 配信外では2人ってこんな感じなんだな……配信でのイメージは、『TAKEO』さんがイケオジ、『あっくん』さんは無気力キャラって感じだったのに…。


 いや、でもこっちの方が親しみやすいし、見ていて楽しいな!

 あと配信では『ランダム』様のファンだって一言も言ってなかったからビックリだ。


 椅子から立ち上がっていろいろ言い合っていた2人だったが、冷静になったのか椅子に座り直した。

 少しの間3人とも静かになる。


 初めに口を開いたのはアニキ。


 「やっぱ、ランカーの方々ってすごいよな」

 「マジでそれな。

 何で『アイボリーMk12.』であんなに人殺れんだよ…」

 「やっぱり、あれって難しいんですか?」


 俺はその武器、見たことしかないからな。

 レティクルっていうのは……スコープ覗いた時に見える十字線だっけ?

 『TAKEO』さんが顔を伏せた。


 「くっっっそ難しいぞ。

 一回使ってみたことがあるが、遠いところにいる敵は1キルもできなかった。

 あれのスコープを覗いて撃つより、結構近い敵をスコープ覗かずに撃った方がキルできる」


 『TAKEO』さんが言うならそうなんだろうな。

 それなのに、『ランダム』様は……


 あ、試合が終わったっぽいな。


 「1位は、『美しい双子を侍らせた少女』チーム……うん、『ランダム』さんのとこが勝ったっぽいな。

 まぁそうだろうな」

 「!?……ッ、ゲホッ!!!」

 「あーはっはっはっは!!!」


 な、何だそのチーム名!?

 えぇ?『ランダム』様が決めたのか?いや、あの方ならそんな長いチーム名はつけない!『あいうえお』とかにするはずだ!



 「お、優勝チームのご帰還だぜ」


 『TAKEO』さんがそう言うと同時に3人の人物が広場に出現した。


 「………!!!」


 あ、あああああああ!!!

 まままま真ん中にいる黒い長髪の女性は!!!

 ほ、本物の『ランダム』様だ!!!

 え、顔ちっさ、指ほっそ、そして想像以上に小柄……!!!


 やばい、あまりの感動に、涙で前がぼやける。


 「ほら、ティッシュ使えよ」

 「アニキ……!!!」


 アニキがインベントリからティッシュを取り出して差し出してくれた。

 こんなアイテムを持ってるってことは……アニキも……いや、それは詮索するまい。


 『ランダム』様たちは俺達の前を通り過ぎ、プライベートルームへ向かっていく。


 あ、『ロキ』さんが『ランダム』様に蹴られている。

 やっぱあのチーム名『ロキ』さんが考えたんだな。解釈一致。


 そして3人はプライベートルームに入っていった。


 「はぁ、最高……」


 アニキが机に突っ伏しながらそう言った。

 本当にそれな。

 幸せすぎて、なんか急に不安になってきた。


 「俺、今日死ぬのかな……」

 「大丈夫だ、お前は世界一幸運な男だからな。

 なんたって、初めてキルされたのが『ランダム』さんなんだからな」


 ……え、確かにそうじゃん!

 自分のウィンドウを慌てて開き、ゲームのログを見る。

 1番上に、『ランダム』様の名前が………!!!



 そこで俺の記憶は終わっている。





 どうやら俺はゲーム内で気絶したため、強制ログアウトされたらしい。

 嬉しくて気絶するとか恥ずかしい……いや、そんなことない、それくらい『ランダム』様を崇拝してるっていう証だからな。


 とりあえずスマホから『GUN KING』にアクセスし、急にログアウトしてしまったことを『TAKEO』さんとアニキに謝った。


 『TAKEO:大丈夫だったのか、心配したぞ

 あっくん:俺も『ランダム』さんを初めて見た時に気絶したから大丈夫だ、仲間だな

 TAKEO:今日は楽しかったな、また暇な時はチーム組もうぜ

 あっくん:今度会った時は『ランダム』さんについて語り合おう』


 本当にいい人達と出会えたな。


 返信を送り、再びベッドに寝転がる。

 眠れないかもしれないけど、明日学校だからな、寝ないといけない。

 登校したら、クラスのみんなに自慢しよう。『ランダム』様を生で見れましたってな。



 俺はプレイヤー名『かいと』。

 初めての死が『ランダム』様によるものという、今日世界一幸運な男である。






あ、そういえば13話、結構書き足しました。

いや、書き足したっていうか……


みなさん、14話行った時になんか違和感感じませんでした?なんか急に場面変わったな?みたいな…

そう、私はメモアプリに一回書いてからなろうにコピーしてるんですけど、コピー盛大にミスってたみたいです、えへへ


……すみません、もう一度読み直していただけると幸いです

え、さすがに他のところはミスってないですよね?なんかおかしいところあったら遠慮なく感想とかに書いてくださいね!


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