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13話


[日間]VRゲーム〔SF〕ランキングで2位ってマジっすか!?

 嬉しいです、ありがとうございます!



 ルキから話を聞いたところ、やはり『農家』は不遇職。


 作物を作る土地がない、ツナギ以外の防具も着られない、最初は鍬と鎌しか装備できない、ステータスが上がりにくい、その他いろいろデメリットがあるらしい。

 巷では「『農家』はクソ」って言われているとか。

 だから初めの街であったプレイヤーたちはあんなに可哀想なものを見る目で見てきていたんだね。あの人たちから聞いた以上にデメリットが多かった。


 初めの特典で「農地が欲しい」って言ってなかったら、ずっと農地が手に入らなかった可能性もあったってことか。ランカーで良かった。


 そういえば……



 「2人は職業何にしたの?」


 「僕は初期職業が『弓使い』で、今は『狩人』をやってるかな」


 「俺は最初『シーフ』で、今は『暗殺者』!」


 ルキが椅子の背もたれにもたれかかりながらそう言った後、机の下からロキの声がした。


 やっぱりこの2人はもう職業が変化しているのか。絶対このゲームやりまくったんだろうな。

 というか、なんか2人ともイメージ通りの職業かもね。

 双子は「ゲーム屋の息子です、自分たちもそのゲーム屋で働いてます」って言い張ってるけど、怪しいんだよなぁ…。

 2人とも顔を半分覆うタイプの仮面をしているから、顔立ちがちゃんとわかる。だからもし双子がどっかのゲーム屋で働いているなら、SNSとかで話題になってもいいはずなんだよなぁ…。

 しかも、コイツら銃弾をリロードするの、やけに手慣れているというか、めちゃくちゃ速いというか……撃ち慣れているって感じなんだよね。

 まぁ、本当の職業を追及しても教えてくれないだろうけどね。




 「私もサブジョブ設定しないとな……」


 聞こえないように、ぼそりと呟いたはずだった。


 「「もうそんなにレベルが上がったの?」か?」


 2人が同時に反応した。

 本当にコイツらは耳がいい。

 顎に手を当てて、少し考えてから言い放つ。


 「今…40ちょっとだったかな?」


 思い出せないけど、それくらいだった気がする。


 双子は絶句。なんで?


 「……さすがランちゃんだね」

 「それな」


 何だよ、2人して…照れるなぁ。

 


 そんなやりとりをしていると、目の前にウィンドウが現れた。


 『マッチング完了』


 「お、やっと始まるな」

 「3人でチーム組むの、数週間ぶりだね」

 「頑張る」


 楽しい戦いの始まりだ!







 さぁ、ゲームスタートだ。


 さっきまでプライベートルームにいたが、今はそこからワープして森の中。

 ロキとルキは近くにいない。


 始まる場所は全員ランダム。どれだけ早く味方と合流できるか、それとなるべく見つからないように行動することがこのゲームで生き残るコツ。


 でも、コソコソするのは性に合わない。


 なるべく音を立てないように、木々の間を移動する。

 敵に見つかったら逃げられちゃう可能性が高いからね。


 インベントリから銃を取り出して……あれ?


 あ、これランクマッチじゃないわ。フリーマッチだ。


 はい、まずランクマッチとは。

 ランキングが近い人たちとマッチングする。

 武器やアイテムを持ち込み可能。ランキング上位の人はいい武器を持っていることが多いし、その人しか持ってない武器とかもある。

 そして、ランカー以外の人たちは勝敗によってランキングが変動する。

 で、公式大会が始まる直前にランキングの11位から20位に入っている人は、ランカーへの挑戦権を手に入れることができて、勝てればランカーの仲間入りっていう感じ。

 私も挑戦権で元2位の人に挑んで勝った。

 負けたランカーは100位まで下がって、またランクを上げ直さないといけない。

 ちなみに、挑戦権で戦うランカーは指名できる。

 1位から3位のランカーは大体どの大会でも指名される。何なら試合中も命知らずな人たちに狙われまくるしね。

 まぁ、元2位の人倒して私が2位になってから、一度もランカーの座を譲ったことはないけどね。


 え?なんで一位を狙わなかったのかって?

 だって、チーム組んでた人が1位に挑むって言うんだもん。被ったらダル絡みされそうで嫌だったからね。

 なんなら3位のやつも同じ理由。私たちが勝って1位と2位は入れ替わりが決まったから、残った元3位と戦って、ボコボコにしていた記憶がある。


 話が逸れた。

 まぁ、ランクマッチは今説明した通り。


 で、今やってるフリーマッチについて説明しよう。

 まず、マッチングする人のランキングはバラバラ。強い人と当たるかもしれないし、弱い人たちばっかりかもしれない。

 武器の持ち込みは不可。一時没収。マッチが終わったらちゃんと返却されるよ。アイテムは一部は許可されてる。

 

 武器なしでどうやって戦うの?って思った人もいるだろう。

 武器は、大体ステージに置かれているか、隠されているか、何かの条件を達成したら手に入る。何の武器が来るかはランダム。

 アイテムも多分同じように獲得できたような気がする。

 一応アイテムと武器の場所はマップ上に記されているけど、強い武器やレア武器・レアアイテムは隠されてる。



 で、これはフリーマッチだから武器を探すところから始めないと。

 私、ランクマッチの方のボタンを押してマッチングを開始したと思ったんだけど……うん、押し間違えたっぽいな。たまーにやってしまう。



 マップを見る。

 手をつけられてなくて、ここから近いところにある武器は…南東に300メートル進んだところか。意外と近い。


 とりあえず双子に連絡してから進もう。

 チャットを開く。


 『ランダム:マップの右下の森にいます

 ロキ:オッケー、迎えに行くわ

 ルキ:ねぇ、フリーマッチって今気づいたんだけど!武器の手入れをした意味は!?

 ランダム:ごめん、私も始まってから気づいた。押し間違えたかも』


 2人とも頑張って武器を探してねー。


 よし、連絡取ったし進むか。

 手ぶらでうろつくのは危ないから、一応木の枝を折って持っていこう。

 木の枝は攻撃力も耐久値も弱い。でも、タイミングよく振れば銃弾を一発くらいは弾けるからね。

 持っていないよりはマシ、かな?まぁ、銃弾なんて避ければいいし、使う場面がないかもしれないけど。

 



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