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第四鎚 シン・ジュウブキアイコウカイ



「飯!!!!」

「…おうよ…でもその前にギルドで換金だ」


 なんかちょっと引き気味のアイクが、そう言葉を紡ぐ。…お腹減ってたのに。


 ギルドは、私がいつも使っている大門——正式にはアインの街の東門の、すぐそばにある。

 最も冒険者が出入りする門の近くで、利便性を高くするためだそうだ。歩いて5分もかからない。


 昨日と同じくらいの熱気の渦巻くギルドのドアを開けると、喧騒が出迎えた。

 受付とは別に用意されている鑑定所の前には長蛇の列ができていて、並ばなければいけないそうだ。…面倒臭い。


「ほら、いくぞ」

「えー、並ぶのめんどい…」

「つっても、まだ並んでない方だぞ。午後とかになるともっと大量に帰ってくるからな」

「…仕方ないなぁ」


 とは言っても、まっていた時間はほんの15分ほどだった。なんと言っても、ギルドの鑑定士の仕事が早いのなんの。毛皮の傷なんかもすぐさま見極めて、ほいほいと裁定していくその姿は、さながらよくできた社会の歯車…ゲフンゲフン、素晴らしい仕事人のようだった。…目の下に隈とかできてるし、無精髭を生やして随分と痩せているように見えたけれど、本当に大丈夫だろうか。対照的に身なりは良かったから、おそらく給料はいいんだろうけど、多分超ブラックだねあそこ…


 換金して手に入ったお金は大体10000Gほど。

 手持ちが1000Gしかなかったことを考えれば、ざっと11倍だ。昨日はアイクの家に泊まったからよかったけど、今日からはちゃんと宿泊まりだ。お金がかかるようになる。他にも武器の修繕や装備を整えたり、回復アイテムとやらを買うにもお金はかかるだろうし、入り用だ。

 ちなみにグラスウルフやアルミラージの毛皮や肉はもちろん、スライムの魔核やゼリー状になった体の一部なんかも換金できた。ほんと、どんな物でも素材になるんだなぁ…。錬金術のスキルでもあるんだろうか。



 ギルドを出て街中を歩いてみれば、本当にいろいろな人々がいる。剣や杖、盾を持った冒険者らしい人々や、子供と手を繋いでどこかへ行く主婦、道端で賑やかに話し込んでいる若者たち。どれが旅人でどれがこの世界に住人なのかはわからない。でも、その違いがわからないほど、AIが制御しているはずのこの世界の住人は、十分に『人間らしい』のだ。…あ、この世界では子供は作れないし、プレイできるのも12歳以上だから、子供と手を繋いでたさっきの主婦みたいな人は多分住人なんだろうけど。


 キョロキョロ見回しながら歩を進めていくと、程なくして一軒の食事処に辿り着いた。

 『夕焼けの残り香』という看板のかかるその建物は、それほど大きいわけではなく、中くらいという表現がよく当てはまるだろう。大衆食堂と言う雰囲気でもなく、かといって別に高級店かと問われると頷くことは難しい…なんというか、中途半端な感じの店である。…でも、店の中は結構な活気に満ちていた。


 内装は全体的に木と石が半分くらいで、これもまた中途半端なのに、どこか調和したような雰囲気で。日光をよく取り入れられる造りになっているのか、全体的に明るい。空いている机に陣取って、アイクが近くにいるウェイターさんを呼んだ。この店の制服らしい、メイド服をめちゃくちゃカジュアルにしたような雰囲気の服を着た可愛らしい少女…というか幼女?…とにかく、私よりも背の低い女の子が近寄ってきた。


「あ、アイクさんお久しぶりです。…隣の方は…ハッ!?まさか誘拐!?」

「違えよ、てかなんでまず出てくる発想がそれなんだよクソが」

「アイクさんとは先日からお付き合いをさせてもらってます」

「えぇ!?」

「お前もめんどくさいこと言い出すんじゃねえ!」


 いてっ。

 可憐な乙女の頭を叩くとは何事だ。角で刺すぞ。


「馴れ初めは!?」

「…彼の……持っていた大剣がカッコよかったから…(キュン」

「動機が俺本体ですらない…!」


 ちなみにナニのことじゃないからね。


 とまあ冗談は置いておいて、元気なその少女はフィニーと名乗った。オレンジ色のくりくりした目と同じ色の髪をポニーテールに纏めた子で、この店のオーナーの娘らしい。御年11歳、身長は144cmらしい。勝った!

 とまあ、小学生と張り合ったところで仕様がないのだが。

 彼女はアイクから二人分の注文を取ると、またもやとてとてと厨房の方へ去って行った。


 話は変わるが、この世界のプレイヤーには隠しステータス?として『満腹度』と『疲労度』というものがあるらしい。目には見えない値なのだが、減ってくると空腹や眠気としてわかるんだとか。限界まで減ったり無くなったりすると、満腹度だったらスタミナの回復が目に見えて遅くなったりHPが削れ始めたり。疲労度ならばステータスが低下して意識が朦朧とし、それでも強行軍をしていると強制的に寝落ちするらしい。たとえそれが、モンスターの目の前であろうとも。

 疲労度に関しては、ゲームを長時間続けさせないためのものなのだろう。VRゲームといっても、体は寝ているわけではないので、適度な休憩は必須だ。満腹度に関しては…なんであるんだろうか。いや、何も食べずに動き回ってたら不自然ってことだろうか。まあこの世界では味覚までしっかり再現されているようで、どんなご飯も食べてみれば美味しいから、特に不満は感じないけれども。


 そんなことを考えていたら、ファニーが両の手に料理を持って運んできた。


「はい!グラスウルフのステーキ二つね!」

「わぁ…!」

「これがまた美味いんだ。…ちなみにさっき嬢ちゃんが倒したのと同じ種類だからな」

「あいつ、こんな美味しそうになるんだ…」


 鉄板の上でジュウジュウと音を立てているそれは、厚切りのステーキ肉だった。最大の直径が20cmほどもあろうかというステーキがどんと皿の真ん中に陣取り、皿の隅には彩として添えられたであろう野菜たちが所在なさげにしていた。とにかく、大きな肉のインパクトが強い。

 試しにナイフを入れてみれば、肉は存外に柔らかく、中身は綺麗な赤色だった。


「いただきます!」


 一口切り分けて食べてみれば、肉汁が口の中に広がる。狼というから臭みが強いのかと思っていたが、それほど癖が強いわけではなかった。…グラスウルフだから、普段は草食なのだろうか。あの草原には彼ら以外にはアルミラージとスライムしかいなかったし、アルミラージに関してはグラスウルフより足が早かった。捕まえられる機会が少ないから、必然的に草も食べるようになったのだろう。…スライムは、食べても腹の足しにならないだろうし。水分補給にちょうど良さそうとか?


「おいひい…」

「だろ?」


 なんでアイクが得意げなのさ。

 それはそれとして、あんなに大きかったのにあっという間に食べてしまった。現実(リアル)でも小さい体を大きくしようといっぱい食べてはいるが、これほど食べたことはない。ゲームの世界っていいなぁ…


「あれ?」

「お、気づいたか」


 なんだか体がぽかぽかしてくるというか。

 満腹になったのとは別に、全身に力が漲ってくるような感覚がある。なんだろうと思ってステータス画面を開いてみると、すぐさま理由がわかった。



 PN:Nina Lv.6

 STP:0

 HP 150/150

 MP 150/150

 STM 100/100

 STR 32(+2)(+3(+2) あと00:59:24)



 STRの値の横に新しく表示が出ていた。

 +2の方は私の攻撃力補正のスキルのおかげだけど、その右の値は多分、私がステーキを食べ終わってから出てきたもの。…なるほど、食事をするとこんな効果が得られることがある、ということだろうか。…いやでも朝にアイクのご飯を食べた時はそんなものはつかなかったし…


「こういう料理についた特殊な効果はな、料理スキルを持っていると作ることができるんだ。別にスキルがなくても料理自体はできるが、料理スキルがあるとこう言ったこともできる」

「ほほう」


 …へぇ。料理かぁ。リアルでも結構作るし、こっちでも取ってみるのはありかもしれない。こっちでは満腹度が満タンになってからも料理は食べられるらしいし、美味しいご飯を食べると幸せだし、何よりバフが着くのがいい。(パワー)が上がる。グラスウルフを倒した時にも肉は手に入ったし、きっとこれから色々なモンスターと出会って、倒すことになるだろうから、その都度手に入る素材をただ売ってしまうだけなのは勿体無い。

 …うん、今度料理スキルを取ってしまおう。

 スキルを取るには一定の経験が必要だから、それはどこで積もうか。…このお店にお願いしたら修行させてくれるかな?料理も美味しかったし、味付けは学びたい。


「いろいろあるんだね、この世界」

「……」


 満腹感も相まってそうしみじみ呟いて、椅子に深く座る。そろそろアイクとのお別れの時間も近づいてきたなー、楽しかったなー、なんて呑気に考えていたら、なんだか真剣な表情のアイクが口を開いた。


「…嬢ちゃん、お前さんには見込みがある」

「…見込み?」


 なんだか神妙な雰囲気だ。

 手を口の前組んで、顔を伏せたせいで目には影がかかっているから、表情は読めない。見込み、というからには何かの勧誘か何かだろうか…


「ああ。この世界に送られてくる旅人どもを見て、俺たちは期待してたんだ。もしかしたら、俺たちに並びうるやつが出てくるかもしれないと」

「…うん」

「しかし、いつまで経ってもそれほどの素質と伸び代があるやつは現れなかったんだ。…俺たちは、落胆したよ」

「…うんうん」

「しかし、そんな時、俺の前に嬢ちゃんが現れた。…そう、圧倒的なまでの(パワー)に対する欲と、レベル1で竜化を発動してしまうほどのポテンシャル。…何より、重武器への理解度の高さと愛情……!!」

「………うん?」


 なんだか雲行きが怪しくなってきた。具体的に言えば、真剣な話だと思ってたのに、ギャグの匂いがしてきたみたいな感じ。確かに(パワー)は欲しいし、重武器は大好きだ。巨大な武器は、見ているだけで心がくすぐられるし、圧倒的なロマンを感じる。…まあ、愛情と言っても…差し支え…ないっちゃないけど。


「お前は、気難しいところのある爺さんにも気に入られたし、今日の午前中で見せた戦闘勘の強さは間違いじゃなかった。だからこそ、俺はお前を勧誘したい」

「…うん」


 やばい、さっきから話の流れがよくわからなくて相槌しか打ってない。いや、悪い話じゃなさそうな雰囲気はしてるけども。


「お前を、この……『真・重武器愛好会』へ、誘いたい」

「………」


 うん。


「それは、クランとかいうアレ?」

「クラン…いや、違うな。あれは旅人間で集まってやるようなもんだろ?うちのは元々のこの世界の住人で構成されてる組合だ。…旅人で誘ったのは、嬢ちゃんが始めてだぜ」

「…なるほど」


 ここは、しっかり考えなくてはいけない。

 クランとは重複しない分入りやすいと思うかもしれないが、プレイヤーにとって情報の全くない組織だ。この世界にはそういう知られていない事柄がまだいくつもありそうだけれど、その中にも良し悪しがあるだろう。例えばこの組織に入ることで、場合によっては危険を伴ったり、不都合なことがあるかもしれない。

 つまり、ことは慎重を要するということだ。じっくり考えて決めなけれb……


「ちなみに、入るとこんなものがもらえる」


 そう言ってアイクは、一つのネックレス型のペンダントを机の上に出してきて…




〈真・重武器愛好会会員証〉 アクセサリー レア度:10


 効果1:装備者が〈カテゴリ:重武器〉を装備している場合、装備者の筋力値1.3倍

 効果2:NPCとの会話で特殊な補正がかかる場合がある


 生半可な重武器への愛では入ることが許されない伝説の組合『真・重武器愛好会』の会員である証。ペンダント部分はギガントフォートレスタートルの心臓を主な素材に、ネックレスの鎖部分は秋津国原産の黒色金剛玉石をもとに、優れた技師の手によって精巧に作られた遺物級のアクセサリー。得られる効果も抜群だが、貴重な素材をふんだんに使用する分現存する数は少なく、同程度以上の筋力補正値を得られるアクセサリーはこれ以外にはほとんど存在しないだろう。

 (パワー)こそ正義。筋肉こそ正義。重さこそ正義。衝撃こそ正義なり。圧倒的な力で振るわれる重厚長大な武器は、すべての物事を叩き潰し、汝の眼前の道をこじ開けん。




「入ります!!!!」


 決して物に釣られたわけではないということだけは、ここに明記しておく。

 アイクのことは信用してたし、聞けばゴヴニュさんもその奥さんも入っているというじゃないか。そんな組織が悪いところなわけがないって、私は最初からわかってたもんね!





  ◆  ◆  ◆





 あの後は、少しアイクと街を回ってから別れた。

 どうやら『真・重武器愛好会』…ネーミングセンスがバカっぽいし長ったらしいから愛好会って呼ぶけど、それの本拠地はアインの街にはないらしい。挨拶とかしたかったんだけれど、ないならしょうがないのも事実だから、アイクには会員証だけもらった。ちなみにアイクの分の会員証もきっちりあるらしい。

 なんでこんな貴重そうなものを二つも持ってたのか聞いたら、なんでも彼が新たな重武器愛好家を見つける役目を担っていたかららしい。彼以外のメンバーも良さそうな人材を見つけたら勧誘することはできるが、そういうことに興味がない人が大半(自分と重武器にしか関心がない)らしいから、人を育てるのが好きな自分が二個分持っているそうだ。


 確かに彼と出会ったのは冒険者ギルドの講習会の会場だ。

 彼が後進を育てるのが好きというのも納得できる話だ。


 その後は、ステータスの確認とか取得可能になっているスキルの確認と言った細々とした用事を終えて、アイクにお勧めされた宿屋の一室を借りて、その日はログアウトした。…ちなみに、プレイヤーは場合によっては、何日も寝たきりで宿屋からずっと出てこないことがあるけど、それは『一泊分』とカウントされるそうだ。…便利だね。


 そして私は今、現実世界の自室のベッドでヘッドギアを外して寝転んでいる。


「はあ…楽しかった」


 漫画作品とかは色々読んだことがあっけれど、ゲームというのは始めて触った。

 そう、今日が初日だったのだ。…すごく濃密な体験ができて、まだ興奮が冷めやらない。初めての体験、手に入たものの行使、戦闘…そして出会い。

 これからもそんな体験ができると思うと、すごくワクワクする。


「…ご飯作らなくちゃ」


 すっかりあのゲームには魅了されてしまった。

 現実の世界を疎かにするつもりはないけど。…これまでの人生で頑張ってきてダメだった分、あのゲームの中で楽しく生きることができるのだから、ちょっとぐらいのめり込んでしまってもいいよね。


 そんなふうに思って、階段を降りる。今日はもうご飯を食べたら寝てしまおう。明日、早起きしてできるだけゲームをする時間を確保しようと考えて。

 冷蔵庫の中身に思いを馳せたところで、ろくなものが残ってなかった現実に気づき、私は急いでスーパーに向かいましたとさ。


・tips

諸々のスキルと武器についてのあれこれ


〈鎚術〉Lv.3

棍棒,メイス,ハンマー等の〈カテゴリ:打撃武器〉の武器装備時に発動

効果:扱いやすさの上昇,特定アーツの使用可能


取得済みアーツ

Lv.1アーツ:《重撃》

相手に与えるダメージ1.2倍,ノックバック付与

Lv.2アーツ:《三連撃》

相手に与えるダメージ0.9倍×3,技後硬直軽減

Lv.3アーツ:《大回転》

溜め時間3秒,範囲攻撃,相手に与えるダメージ1.4倍,技後硬直増大


作者「になちゃんが重武器使うときに発動し続けているスキル。作品の根幹部分。これからもよろしくお願いします鎚術センパイ」

鎚術「ウム」



〈逆境〉Lv.2

自身のHPが最大HPの10%以下の時発動する

効果:全ステータス1.2倍(スキルレベル×0.1倍の補正率)


作者「ライフバースト形式の大逆転スキル。作中で描写はされていませんが、になちゃんが竜化を暴走させた時に同時に発動していました」



〈筋力値補正〉 Lv.2

自身のSTR(筋力値)が1.04倍(スキルレベル×0.02倍の補正率)

STRに関するスキル・称号・アイテムバフの効果が1.04倍(スキルレベル×0.02倍の補正率)

*同系統スキル(〇〇値補正スキル)の同時取得は現時点では不可。レベル30ごとに新たな同系統スキルの取得可能。


作者「STRの計算がめちゃくちゃ面倒くさくなるであろうクソスキr…ゲフンゲフン、取得制限がかけられるほどの壊れスキル。ゆうて今の素のSTR値は32でスキルレベル2での補正値はたったの2じゃん、って思うかもしれない。けども、逆境とか竜化とか会員証とかのバフ効果も同じく1.04倍されるのでやっぱり壊れスキル。だってレベル10になったら全部1.2倍だぜ??楽しいなぁ!!!」


例:素のSTRが100でスキルレベルが10、STR1.3倍上昇のアクセサリーを一つとSTR10上昇のアクセサリーを一つ付けている時のSTRステータス

計算式:100×1.2×(1.3×1.2)+(10×1.2)=199.2

このスキルがない時:100×1.3+10=140




〈闘気〉Lv.4

MPを消費することで体に闘気をまとうことができる。MPの使用量と闘気の操作性、効果の向上はスキルレベルの上昇とともに起こる。

効果:体に纏うことで、主に物理攻撃・物理防御に補正が加わる。また、魔法耐性がわずかに上昇する。


作者「闘気とかいう謎設定。近接職がMPをアーツ以外にも使えるようにと考えた結果作られたスキル。基本使用者本人のセンス次第なので、闘気めっちゃ使える!って人と闘気よくわかんね。って人はピンキリ。闘気の才能がある人はスキルレベルの上がりも早い」



〈重武器片手持ち〉 Lv.2

一定の重さまでの量手持ち指定の重武器を片手で持てるようになる。

片手で持てる重量はスキルレベルに依存


作者「この作品の根幹No.2。と言っても、ただ両手持ちの武器を片手で持てるようになるだけなので、現時点ではあんまり意味なかったりする。え?スキルポイントの無駄?…どうせあいつら余るから。レベルを上げた先に未来が開けるタイプのスキルさん」



〈竜化〉 Lv.2

『其は、龍の血縁なり。

 其は、龍の化身なり。

 其は、支配者なり。

 その力をその身に受け継ぎ、力を欲し、行使するに値する者にのみ、我らは答えん。』


代償:残存MP全ての消費,残HP95%消費,HPの最大値5%固定,確率暴走:(100-7×スキルレベル)%,発動終了後ステータス半減(8h)

注意:このスキルは、発動時にアバターの操作権をスキルに奪われる恐れがあります。

注意2:スキルの暴走は、強固な意志がある場合は確率を無視して耐えることができます。

効果:STR4倍,DEX・AGI・TEC・VIT3倍,INT2倍

変化可能:雷竜

発動時間:(代償で支払ったHP・MPの合計値)×1秒

リキャスト:72h


固有アーツ

・『神雷纏い』(モデル:雷竜形態)

 竜化時常時発動,攻撃に雷ダメージ付与(与ダメ×0.5ダメージ)

・『爆雷ハンマー』(モデル:雷竜形態)

 敵モンスターに与える打撃系ダメージ2倍,雷属性ダメージ付与(与ダメ×1ダメージ)


・奥義

 なし


作者「初回は確定暴走。本文でアイクくんが『一生をこのスキルを発動せずに終わる人もいる』って言ってたけど、初回の高すぎるハードルさえ超えて仕舞えばあとは任意で発動できるようになる。ちなみにこのスキルがめちゃくちゃ発動しづらいせいで、プレイヤー内の『種族:龍人/人間』の人口は少ない。2回目以降は確率暴走って書いてあるけど、頑張れば耐えられるやつ。具体的には、(パワー)が欲しいいいいいいい!!ってずっと思ってるよくわかんない人種とかならいけんじゃね。膨大なメリットは、膨大な代償とともに。ロマン砲万歳!!!!ちなみに爆雷ハンマーはハンマーじゃなくても使えます()」




・武器説明


〈始まりのメイス〉ATK(攻撃値):3 耐久:1000/1000 レア度2

 旅人の旅立ちを見守り、共に征き、そして見届ける。

 それが、我の運命で、我らの使命。


〈ラッシュボアのメイス〉ATK:5 耐久値500/500 レア度3

 名匠ゴヴニュが片手間にラッシュボアの全身の骨を使って作ったメイス。

 それなりの攻撃力、それなりの耐久値。まさしく汎用型鈍器。


〈ウォーハンマー モデル:ミノタウロス〉ATK:90 耐久値2500/2500 レア度8

 ミノタウロスの素材をふんだんに使った名匠ゴヴニュの逸品。

 力強く、重く、獰猛に。ミノタウロスの性質を受け継いだ圧倒的攻撃力の重鈍器。

 愛好家の名は、伊達ではない。



『夕焼けの残り香』のウルフステーキ レア度4

 完食後1時間の間STR1.1倍


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[良い点] スキル倍率だのフレーバーテキストだのが凝ってるの没入感マシマシでめっちゃ良い! [一言] 補正スキルつっっっよ スキルレベル10計算だと乗算系筋力アクセで五枠埋めるだけで無条件筋力補正2.…
[良い点] たまに出てくる辛辣な悪口めっちゃいい [一言] 行間調整できるの知らなかった。だらしない読者ですまない・・・
[気になる点] 3連撃のスキルのダメージ倍率が1以上なのはゲームだと結構ぶっ壊れじゃない?w
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