第261話 ロザリー「ん? 呼んだ?」
俺とユウセイ君は延長コードやLANケーブルを繋いでいき、モニカの部屋の前と脱衣所の中に繋いでいく。
モニカの部屋は後だが、脱衣所はミニドリルで小さな穴を開けた。
「こんなもんか」
「コードが気になるな……」
廊下の隅にそのままのコードが3本並んでいる。
「仮だからね。すぐに空間を繋げるから大丈夫」
「すげー簡単に言うけど、できるの? 想像もできないぞ」
で、できるさ。
「頑張るよ。それよりもお昼はどうする?」
すでに12時を回っている。
「あー、あいつらは帰ってこないか」
「色々と見て回ると思うから夕方だろうね」
下見はしているが、それでも時間はかかるだろう。
「出前?」
「そうしよっか」
俺達は出前で天丼を頼むと、3人で食べた。
そして、午後からはリビングでまったりと過ごしていく。
ユウセイ君はコタツで寝そべりながら漫画を読んでいるし、俺とミリアムは空間を繋げる魔法を話し合った。
そうこうしながら過ごしていると、スマホの通知音が聞こえてのでキョウカかなと思いつつ、見てみる。
ミユミユ:やっほー!
リコリン:元気? 今、ナニしてるの?
ミユミユ:キョウカ? 秘書さん?
リコリン:きゃー
若いなー。
あと、この2人、メッセージアプリだと、かなり下品なんだよな……特にミユミユ。
山 田 :キョウカはお出かけ中。今、ユウセイ君といる
ミユミユ:あ、仕事でしたか?
リコリン:ごめーん
良い子達ではあるんだよな。
山 田 :いや、休み。ユウセイ君はウチで漫画を読んでる
ミユミユ:チームで仲がよろしいんですね
リコリン:良いことだー
ホントにね。
山 田 :2人は何してんの?
ミユミユ:八神さんと子供が入ったらダメなホテルー
リコリン:これがマジだからひどいよね
え? 何してんの?
山 田 :警察? 協会?
ミユミユ:いえ、悪魔退治です
リコリン:終わったところー
そういうことね。
山 田 :お疲れ様。八神さんに場所を選べって言いなよ
女子高生を連れていくなよ。
ミユミユ:一番近かったから
リコリン:ホテル街を歩いた時に絶対パパ活って思われたー
完全に援交を強要するやーさんだよ。
確実に職質案件。
山 田 :さっさと出なよ
ミユミユ:須藤さん待ちー
リコリン:待っている間にテレビつけちゃった……
ミユミユ:お風呂がえろーい
リコリン:ベッドもえろーい
ひっどい現場だな。
山 田 :君ら、良いとこのお嬢様でしょ
ミユミユ:キョウカさんもですけどね
リコリン:お嬢様感ゼロ
君らもね。
山 田 :いいからホテルを出て、車で待機してなよ
ミユミユ:そうするー
リコリン:その前にちょっと電話してもいい?
ん?
山 田 :それはいいけど?
何だろ?
そう思っていると、リコリンから着信が来た。
「んー? 電話か?」
ユウセイ君が顔を上げる。
「天海さんだね。さっきまでメッセージのやり取りをしてたんだけど」
「へー……出なよ」
ユウセイ君がそう言うので通話ボタンを押し、さらにスピーカーモードにする。
「もしもし?」
『ごきげんよう、山田さん』
『やっほー』
ミユミユは上品に戻っているな。
「こんにちは。どうしたの?」
『ちょっと話があるんです』
「さっきの下品なやつじゃなくて?」
『下品? 何のことかはわかりませんが、大事な話です。悪魔教団のことは聞きまして?』
悪魔教団か……
「もちろん知っているよ。この前の長野もやっぱりそれっぽいね」
『ええ。外国にもいるそうですわね』
当然、聞いてるか。
「うん。桐ヶ谷さんに聞いた」
『それについて、我らがリーダーが山田さんと話がしたいそうですわ。つきましては、明日のご予定はどうでしょう?』
八神さんから話?
「俺だけ?」
キョウカはモニカとマリエル様のところに行くんだよな。
『それはそちらの判断にお任せしますわ』
となると……
「ユウセイ君、大丈夫?」
「春休みだしな」
ユウセイ君も連れていくか。
「ユウセイ君と2人で行くよ。キョウカは用事があるんだ」
もちろん、ミリアムも連れていく。
『わかりました。場所は……協会の近くにあるあの辛気臭い喫茶店にしましょう』
あそこね。
いや、別に辛気臭くないぞ。
落ち着いた良い店だよ。
JKには良さがわからないか。
「何時?」
『八神様、何時に致します?』
向こうもスピーカーモードのようだ。
『お前達が起きられるなら朝でいい』
『山田さん、午後一にしましょう』
起きられないわけね。
まあ、俺も高校生の時はそうだった。
「わかった。午後一ね」
ユウセイ君も頷く。
『そういうことでよろしくお願いしたしますわ』
どうでもいいけど、ミユミユが話すならミユミユのスマホからかければいいのに。
『よろしくー』
『おーい、来たぞー…………って、2人共、マジで制服はやめてくれ』
須藤君の声が聞こえてきた。
どうやらミユミユとリコリンは18禁ホテルに高校の制服で来たらしい。
『これがJKのアイデンティティですわ』
『こういうところによく悪魔が出るから仕方がないじゃん。それよりもさっさとこいつらを回収してよ。こっちの方がアウトでしょ』
あー、憑りつくタイプの悪魔か。
場所が場所なだけに刺激的な絵になってそう。
『はいはい。ったく、山田さんは笑えるのにこのチームは笑えないな』
おい、須藤。
何笑ってんだ?
『あ、通話のままでした。山田さん、ごきげんよう』
『ばいびー』
『え? 山田さんと電話中? 山田さん、けっしてパパ活っていう意味じゃないです――』
切れた……
「ハッピーなチームだな」
「あのチームと長野に行ったよ」
「お疲れさん。あいつら、よくしゃべるからなー」
しゃべるのはまだいいよ。
メッセージがひどいんだな……
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