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35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~  作者: 出雲大吉
第6章

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第251話 時間の問題にゃー


 レンタカーで移動し始めてから1時間が経過した。

 都会の街並みから田舎っぽい街並みに変わりつつある。


「あそこですね」


 前を見ると、白くて大きな看板が見える。

 前は何かが書かれていたのだろうが、白く塗られているのだ。

 さらに車が近づくと、平屋のスーパーが見えてきた。


「ノスタルジックですね」

「そうですね」


 車は駐車場に入り、建物の前まで来ると、停車する。


「こんなところに教団員がいるんですかね?」

「やっぱり悪魔じゃね?」


 九条さんと天海さんが車から降りたので俺と八神さんも降りた。

 そして、4人でスーパーを見る。


「確かに魔力を感じますね」

「ええ」


 結構な魔力量だ。


「感じます?」

「微妙……探知は得意じゃないんだよね」

「わたくしもです」


 大丈夫かな、この2人?


「……山田、悪魔にゃ。しかも、雑魚じゃない」


 肩にいるミリアムがこそっと教えてくれる。


「八神さん、悪魔がいそうです」

「悪魔ですか……では、山田さんの出番ですね。どうします? 行きます?」


 ミリアムいわく、雑魚ではない。

 でも、止めもしてこないということは勝てない相手ではないということだろう。


「私が先行します。八神さんは2人を頼みます」

「わかりました」


 八神さんが頷く。


「2人は絶対に俺より前に出ないでね」

「わたくし達は見学です?」

「勝てないわけ?」


 そういう話ではない。

 いや、それ以前と言える。


「雑魚じゃなさそう。君らの実力はわからないけど、この魔力を感じられない者にはちょっと任せられない」


 出向してきているということは実力はあるのだろう。

 だが、探知がここまでできないのは予想外だった。


「ほら、他の退魔師の意見もこれだ。探知能力を磨け。奇襲に対処できないぞ」


 八神さんがメガネをクイッと上げながら苦言を呈する。

 どうやらチームリーダーも前から言ってたことらしい。


「はーい……」

「ちぇー……」


 2人は落ち込みながらも頷いた。


「山田さん、この2人は悪魔に対する戦闘経験はあるし、実力は確かなんだが、探知なんかは別の者がやっていたようでまったくそっち方面を鍛えていないらしい」


 そういうことね。


「ウチの子達はできてたんですけどねー」

「ユウセイさんは器用ですし、何でもそつなくこなしますもん。キョウカさんはアレだし」

「アレね、アレ」


 野生の勘ね。

 ミリアムにすら気付いた子だし。


「まあ、今回は俺に任せてよ」

「わかりました」

「評判の山田さんの力を見よっか。すごく強いらしいし」


 ハードルが……


「あまり期待しないでね。じゃあ、行こう」


 俺達はスーパーの入口まで来たのだが、当然、扉がある。

 手動で開けるガラスの扉のようなので入ろうとしたのだが、押しても引いても開かなかった。


「どうしましょう? 鍵がかかってます」

「私がやりましょう」


 八神さんがそう言うので位置を入れ替える。

 すると、八神さんがしゃがみ込み、ポケットから出した何かの金属で鍵穴を弄りだした。


「あ、あのー……」

「何です?」

「魔法ですかね?」

「ははっ……違います」


 ですよねー……


 八神さんはすぐに立ち上がり、扉を引く。

 すると、扉が何の突っかかりもなく開いた。


「……ウチのリーダー、犯罪臭がヤバくないです?」

「……うん。素直に壊してほしかった」


 女子高生2人はひそひそしながらドン引いている。


「で、では、行きましょうか」

「ええ。どうぞ」


 八神さんが促してきたので先にスーパーに入る。

 スーパーはすでに閉店しているため、棚はあるものの、当然、商品はない。

 だが、やはりかなりの魔力を感じる。

 どうやら向こうは隠す気がないようだ。


「あっちですね」

「そのようですね」


 俺達は魔力を感じるスーパーの奥に向かっていった。

 九条さんと天海さんも俺達の後ろを大人しくついてきている。

 

「ここですね」

「ええ」


 俺達はスーパーの奥にあった扉の前で立ち止まった。

 おそらく、バックヤードだろう。


「あ、私も魔力を感じます」

「さすがにこの距離ならわかるね」


 どうやら2人は距離があると難しいようだ。


「入りますよ?」

「どうぞ」


 扉を開け、中に入る。

 すると、部屋の中は店員の休憩室のようで、机と椅子が置いてあった。

 そして、その椅子に座る真っ白い髭を蓄えた男性の老人がいた。


「やれやれ……ようやく来たか」


 老人が首を横に振る。


「こんにちは。どちら様です?」

「儂か? 静寂の悪魔オーラフじゃ」


 ネームド……

 上級悪魔か。


「何をしているんです?」

「おぬしらを待っておった」


 ん?


「と言いますと?」

「何度か魔法使いが建物の入口まで来ておったのに全然、ここまで来んのじゃ。だが、ようやくおぬしらが中まで入ってきたわ」


 オーラフがにやーっと笑う。


「何か目的が?」

「うむ。おぬし達の実力が見たい。この国の魔法使いがどれ程のものかが気になる」


 老人がそう言うと、机が光り出した。


「皆、出て!」


 指示を出すと、3人がバックヤードから出たので俺も急いで、外に出る。

 すると、扉が吹っ飛び、中からウェアウルフが出てきた。


「またかい……」


 何度目だろって思っていると、ウェアウルフがわずかに腰を下ろす。


「凍れ!」


 手を掲げ、ウェアウルフの足元を狙うと、ウェアウルフの足が凍りだした。

 すると、ウェアウルフが俺に向かって飛び出しかけたのだが、足と床が氷でくっついているため、動くことができない。


「ほう……」

「え? 何ですか、あれ?」

「凍っちゃったね……」


 あー、もしかして、こういう魔法ってないのかもしれない。

 まあいいや。


「エアカッター!」


 風魔法を放ち、ウェアウルフを両断した。

 すると、灰のように消えていく。


「なるほど。噂以上ですね……」

「キョウカの旦那、すごっ……」


 旦那って言わないでほしい。

 こっちの世界ではまだだから……一応。


いつもお読み頂き、ありがとうございます。

本日より新作を投稿しております。(↓にリンク)

ぜひともそちらの方も読んで頂けると幸いです。


よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
「旦那もやべ~~~」と、思われてるよね?(;^ω^)
もう諦めた方がいいと思う 本人はまだ手を出していないことで一線を引いているつもりなのかも知れないが、まわりがそう思っていない時点で既に無駄である。さっさと白黒付けて事実にしてしまった方がいい
 このネームド悪魔、なんかムカつく顔して動く西洋雪だるまに見えて仕方ないんですが。
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