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35歳独身山田、異世界村に理想のセカンドハウスを作りたい ~異世界と現実のいいとこどりライフ~  作者: 出雲大吉
第6章

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第236話 名家


 俺達は正面玄関まで戻ると、外に出る。


「ほら、キョウカ、もう大丈夫でしょ」

「まあ、そうだね……しかし、何か離れたがっているように聞こえるね?」


 人斬りキョウカちゃんはすぐにジト目になるな……

 サメなのに……


「ユウセイ君も言ってたでしょ。制服はちょっと……スーツと制服の相性は悪いんだよ?」


 しかも、親子には見えにくいという微妙な年齢差。


「うーん……前から思ってたけど、タツヤさんはスーツじゃなくて、もっと動きやすい格好にしたらどう? いや、スーツはできる大人な男性って気がして素敵なんだけど、単純に危なくないかな?」


 あー、まあ、それは考えないでもなかった。


「でも、協会の人達は皆、スーツだしねー……やっぱりこっちの方が良いでしょ」

「制服デートはできそうにないね……」


 できないよ。

 私服でも厳しくないか?


「それはねー……」

「制服の私を堪能できるのもあと1年だよ?」


 堪能って言うな。

 人聞きが悪いわ。


「デートは私服にしよ。ほら、ケーキバイキングに行くんでしょ」


 テストが終わったら一緒に行く約束をしている。


「そうだったね。第二次世界大戦の始まりさ」


 三次も四次もあるんだろうね。


「山田、魔力を感じる。気を付けろ」


 ミリアムが俺とキョウカの間に入ってきた。


「魔力? 悪魔?」


 まだいるのか?


「いや、これは人間の魔力にゃ。魔法使いだと思う」


 魔法使い……


「須藤君?」

「調査員の連中は魔力がもっと低い。キョウカやユウセイくらいはある」


 退魔師かもな……


「どこ?」

「学校の裏にゃ」


 俺達が車を止めたところだ。


「行ってみようか。2人も気を付けて」

「そうだねぇ……」

「悲しいことに同僚の退魔師でも信用できないからな」


 ホントにねー……


「ミリアム、一応聞くけど、18禁さんじゃないよね?」

「加賀美じゃないにゃ。もちろん、ロザリーでもない」


 最悪はないわけだ。


「じゃあ、行こう。どっちみち、帰らないといけないしね」


 俺達は歩きだし、校舎をぐるりと回ると、教員用の駐車場に戻ってくる。

 すると、俺のマイカーとは別に黒塗りの車が止まっており、さらには俺の車を覗く3人の人影が見えた。

 さらには魔力も感じ、確かにかなりの魔法使いのように思えた。


「あれは……」

「なんでいるのかねぇ?」


 そのまま歩いて近づいていくと、ユウセイ君とキョウカが反応する。

 そして、向こうの3人もこちらを見た。


 3人は1人の男性と2人の女性である。

 男性の方は黒髪のオールバックでさらには黒いスーツを着ており、切れ長のメガネをかけている。

 俺と年齢はそう変わらないように見えるが、はっきり言って、堅気には見えない。


 一方で2人の女性はまだ若い。

 というか、キョウカとは違う学校の制服を着ていた。

 1人は黒髪ロングで大人しめの印象を受ける女生徒であり、扇子を持っている。

 もう1人は緩いパーマをかけた茶髪のチャラチャラした女生徒であり、どう見てもギャルだ。


 この3人、はっきり言って、俺達以上に怪しい関係に見える。


「こんばんは」


 俺の車のそばにいるし、このままでは埒が明かないので近づいて、こちらから声をかけた。


「ええ、こんばんは。タイマー協会の方ですか?」


 インテリヤクザがメガネをクイッと上げながら答える。

 その名前が出たということは同僚の退魔師だろう。

 悪魔教団の可能性もあるが……


「ええ。タイマー協会の山田と申します」

「山田……」

「へー……これが」


 女生徒2人が反応した。


「私が話している」

「あ、はい、すみません」

「はいはい。こえーよ、あんた」


 インテリヤクザがメガネをクイッと上げてぼそりとつぶやくと、2人の女生徒がちょっと引く。

 なお、俺も引いている。

 こえーわ。


「えーっと、どちら様です?」


 何組です?


「これは失礼。私は八神リョウと申します。タイマー協会に所属する退魔師です。よろしくお願いします」


 やはり同僚か……しかし、そうなると……


「こちらこそよろしくお願いします。こちらの2人は?」


 2人の女生徒を見た。

 やはりどう見ても学生だ。

 多分、キョウカやユウセイ君と同じ高校生。


「八神様、話をしても?」


 黒髪女子が八神さんに確認を取る。


「好きにしろ」


 怖いって……


「山田タツヤ様ですね。お噂はかねがね……わたくしは九条家の三女、ミユと申します」

「私は天海家の次女のリコな」


 普通、自分の苗字を名乗る際に何とか家って言わなくない?

 もうその時点で……


 自己紹介を受けた俺はキョウカとユウセイ君を見る。


「九条のミユと天海のリコか……なんであなた達が協会の人間といるのかな?」


 ほら、絶対に2人と同じ名家だ。


「おや? 橘のキョウカさんではないですか。相も変わらず、怖い目をしています」

「バカ代表な」


 仲悪そー……

 ユウセイくーん。


「キョウカ、まずは元に戻れ……2人共、久しぶりだな」


 ユウセイ君がキョウカを諫めると、前に出た。


「これはこれは一ノ瀬のユウセイさんではないですか。相も変わらず、さわやかですね」

「出た、無気力男子」


 やっぱり仲が良いのかもしれない。


「お前ら、何してんだ?」

「あー……御二人と一緒です。出向ですね」


 え?


「出向? 言っておくが、バイト代も給料も出ないぞ?」

「まあ、それは致し方ありません。ですが、悪魔教団なる邪悪な組織が暗躍していたのでしょう? それで退魔師が足りていないとのこと……ここで協会を助けないで何の協定でしょうか?」

「まあ、そんな感じ?」


 協定なんてあるんだな。


「本音を言え。お前らはそんなことを気にする人間じゃないだろ」


 まあ、名家とはいえ、まだ学生さんだしね。


「パパが行けって……」

「ウチも……スマホを取り上げるぞって言われた」


 無理やりかい……


いつもお読み頂き、ありがとうございます。


本作のコミカライズ第1巻が明日、発売となります。

地域によってはもう書店に並んでいるかもしれません。

ぜひとも読んで頂ければと思います(↓にリンク)


よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
絵が可愛いですね。当たりを引きましたね。
八神さんと良い酒が飲めそうで(笑) ……キョウカとユウセイ、当たりだったことが判明。
修行代わりに送り込んだろ案件ですかねぇ
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